オートバイをもう一度(34) | cb650r-eのブログ

cb650r-eのブログ

ブログの説明を入力します。

ずいぶん昔に、CB650R e-clutch を注文しましたが、周りの気遣いがつらいです。


翌月曜日。

 既に9時を過ぎていて、一応開店している。しかし、男性社員は缶コーヒーにスポーツ新聞、自席でタバコを吸っている人もいる。一言でいえば、緊張感が全くない。本店の国際業務部とは正反対といってもよい。会議も毎月初めにあるだけだそうだ。

 一方、現地採用の女性社員の動きは機敏で無駄がない。数名の女性社員は開店と同時に、貿易実務の電話の受け答えをしている。東京支店は、現地女性社員が動かしていると言っても過言ではないようだ。ただ、私の一つ上の小笹主任だけは、女性社員と同じように電話の受け答えをして、貿易関係の書類のチェックなどをしている。

 この日の昼は、小川次長、小笹主任と3人で、歩いて5分ほどの銀座の「つばさグリル」に行った。「ここのハンブルグ・ステーキが旨いんだよ、山本。ねぇ次長?」
 「まぁな。」
 「ハンブルグ・ステーキってなんですか?」
 「おまえ、ドイツ製のバイクに乗ってんだろ。ハンバーグだよ、ドイツ語だよ。」
 あと、仲間内で主任と呼ぶのはやめてくれ。山本の名刺にも主任って入れてあるよ。東京ルールで、新入社員も名刺には主任と入れていいことになっている。東京では、肩書がないと相手にされないんだよね。まあ、実際にはあっても変わらないんだけどね。

 「あれ、私、ステーキ頼んでませんけど。」一人席に座っていた上尾次長が、出されたハンバーグを目の前にして店員に確認していた。

 このブログの内容はフィクションです。 実在の人物や団体などとは関係ありません。