私の CB650R e-clutch は、納車遅延中です。
現れたものは…。
Fresh Matsutake Mushrooms
Each package will contain 300g. A weight tolerance of ± 10% is acceptable.
(一箱300g、重量の過不足10%は認める。)
The unit price per package is set at US$15. C&F (Cost and Freight, excluding insurance).
Total: 100 packages, US$15 × 100 = US$1,500
私は、タイプライターでL/C発行依頼書を作成した。
「これで良し。」壁の時計を見たら、夜の9時を回っていた。
翌日、今福課長のチェックもすんなり通り、元住銀行からの照会電話も無し。
うまく行きそうである。
9月下旬のある日、航空便でマツタケが到着した。
100箱のマツタケが部内の中会議室の机の上に並べられた。
確かに、松茸の匂いがする。
課長の今福が、一番手前の一番上にある箱を手に取った。「うん?」
「課長、どうかしましたか?」と私は言った。
今福課長は、箱の中身をビニール越しにじっと見る。
そばで見ていた下谷次長に向かって「これ、開けてみていいですか?」と尋ねた。
「1箱ぐらい、いいだろう。」と次長が言うと、課長はビニールを丁寧に剥がし、数本入った松茸のうち一番大きな松茸を取り出した。そして、松茸を垂直に立てて、その一番下を人差し指と親指で探り始めた。すると、銀色の細長い物体がその姿を見せ始めた。
そばで見ていた五十崎さんが「ヒャ~」と叫んだ。まさに、グロテスクな光景だ。五寸釘である。
「ひどいことしやがるなぁ」と同期の吉富がつぶやく。
後ろで見ていた取手が飛び出してきて「去年までは上手くいってたのによ~。山本!お前、なんかやらかしただろう!」
部員たちの視線が一斉に私に集まる。「いや~、私は何も…。」
騒ぎを聞いてか、田沼部長が応接室兼部長室から出てきた。
「見てくださいよ部長、これ。」今福課長が部長に見せる。
「昭和チックだなあ。」と口には煙草をくわえている。
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