オートバイをもう一度(17) | cb650r-eのブログ

cb650r-eのブログ

ブログの説明を入力します。

私の CB650R e-clutch は、納車遅延中です。

 

現れたものは…。

 

Fresh Matsutake Mushrooms
Each package will contain 300g. A weight tolerance of ± 10% is acceptable.
(一箱300g、重量の過不足10%は認める。)
The unit price per package is set at US$15. C&F (Cost and Freight, excluding insurance).
Total: 100 packages, US$15 × 100 = US$1,500

 

 私は、タイプライターでL/C発行依頼書を作成した。

 「これで良し。」壁の時計を見たら、夜の9時を回っていた。

 翌日、今福課長のチェックもすんなり通り、元住銀行からの照会電話も無し。
 うまく行きそうである。

 9月下旬のある日、航空便でマツタケが到着した。
 100箱のマツタケが部内の中会議室の机の上に並べられた。
 確かに、松茸の匂いがする。

 課長の今福が、一番手前の一番上にある箱を手に取った。「うん?」
 「課長、どうかしましたか?」と私は言った。
 今福課長は、箱の中身をビニール越しにじっと見る。
 そばで見ていた下谷次長に向かって「これ、開けてみていいですか?」と尋ねた。
 「1箱ぐらい、いいだろう。」と次長が言うと、課長はビニールを丁寧に剥がし、数本入った松茸のうち一番大きな松茸を取り出した。そして、松茸を垂直に立てて、その一番下を人差し指と親指で探り始めた。すると、銀色の細長い物体がその姿を見せ始めた。
 そばで見ていた五十崎さんが「ヒャ~」と叫んだ。まさに、グロテスクな光景だ。五寸釘である。
 「ひどいことしやがるなぁ」と同期の吉富がつぶやく。
 後ろで見ていた取手が飛び出してきて「去年までは上手くいってたのによ~。山本!お前、なんかやらかしただろう!」
 部員たちの視線が一斉に私に集まる。「いや~、私は何も…。」

 騒ぎを聞いてか、田沼部長が応接室兼部長室から出てきた。
 「見てくださいよ部長、これ。」今福課長が部長に見せる。
 「昭和チックだなあ。」と口には煙草をくわえている。

 

このブログの内容はフィクションです。 実在の人物や団体などとは関係ありません。