「お酒を止めて」と言ったらブチギレされた。
何かと酒を飲むたびに、言い争いなどが起きるのが常だったそうです。
「夫は酔った勢いでやったこと全てに関して、酔って覚えていないから仕方がないという姿勢を取り続けて来ました。自分は覚えていないことだから、謝りようもないし反省のしようもない と言う訳です。」
それで「仕方がない」と有耶無耶にしていたのだけど、娘たちにも被害が及ぶのを見て
夫に「酒をやめて欲しい」と 言ったそうです。 それに対して
「酒をやめるなんて絶対にダメだ!俺は今、ストレスだらけなんだ。酒を飲まずにはやっていられない。」と怒りだすのです。
「私や長女はあなたに文句を言われるだけの存在ではないよ。酒を飲んでストレス解消って言うけど、それで家族との仲に亀裂が入っても飲みたいの?」と反論します。
夫がきっぱり酒をやめるとは私も思っていませんが、週に1日でも2日でもアルコールが入っていない日を設けて欲しいです。そして、酒を飲んでいるときと飲んでいないときの自分に差があることをわかって欲しいです。夫が突然キレて大声でわめきだすのは、酒のせいだと思うのです。
酒を飲むと、すぐにちょっとしたことで怒り、怒鳴りだす。酔ってしまうと、その時のことはすっかり忘れてしまって、そのことに対して責任を取ろうとしない。
酒を止めろと言っても、理屈をつけて、酒を止めようとしない。
こんな状況が書かれています。これはもはや、アルコール依存症であることは間違いありません。アルコール依存症への対応は、断酒一択しかありません。そして、断酒するには当人がアルコール依存症であることを認めて、断酒するという意思を持たなければならないのです。
しかし、自分の酒に問題があるとの認識を持つことも難しそうです。せめて短期でも酒を断って、素面で日ごろの事務んを見貸すことができれば、自分の酒に問題があることに気が付けるかもしれないのですが、それができないのです。
この酒害者の例では今、断酒すれば、その後起こりうる問題も避けられるでしょうし、家族の崩壊に至る前に収束できる、いい時期なのです。今この時点で、断酒してほしい、私は切に感じます。しかし多くの場合このレベルでは当人は断酒しようという方向にはならないのです。もっとひどい問題が起きて、身体の調子も悪くなり、色々とどうしようもなくなってから始めて、「自分の酒に問題がある」と思わざるを得なくなるのです。
早期発見早期治療は、アルコール依存症についてもいえるのですが、早期に周りの人が気付いても、早期治療に至るために当人が問題を認識するのが至難なのがこのアルコール依存症と言う病気なのです。