保険だと思って | 断酒てへ日常

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断酒を続けること、そのために断酒例会に毎日出席を続ける日々

 まず起こりえない事態なのだけど、万一の場合の対策を立てておくとき、人は

「保険だと思って」とか「保険をかけておく」等と言います。
 保険は起りそうもないことに掛けるものなのです。起りそうなことへ保険を掛けようと思うと、掛け金が非常に高かったり、賭けることができなかったりします。
 私のサラリーマン生活の終わりに近いころ、長年の大量飲酒で体調もすぐれないので、もう少し保険に入った方がいいかなと思って加入しようとしました。しかし、審査であっさりはねられてしまいました。というのも血液検査をはじめとする診察の結果だったのですが、今覆えばその時すでにアルコール依存症でしたからまあ撥ねられても当然なのです。
 アルコール病棟に入院した時、特約で、入院保障が出たのは、若い独身の頃に会社に出入りしているおばちゃんに口巧みに勧誘された生命保険があったからです。その当時は若くて健康だったので、病気をして入院なんて考えられなかったのですが、まあ保険だということで入っていたのが30年くらいたって役だったのです。
 
 もっと顕著なのががん保険です。
 
 これも、まだ若い時に会社のあっせんで、加入したものです。かける時の意識としては、「保険なんてかけても役立たないものだ、ということはかけておけば癌にはならない、要はお守りとして保険を掛けよう」こう思ったものでした。
 
 それも30年以上たって、会社も辞めて、もうリタイア(断酒に専念)と思った矢先の健診で前立腺がんが見つかったときに役立ったのです。ただ、利いた特約は入院特約だけで、検査入院にです。この時保険会社に検査入院でも適用されますか?と訊いたら、結果が癌だったら適用されます。と言われました。結果癌だったので適用されたのですが、なんだか釈然としませんでした。
 お守りのつもりの保険だったので、癌になってしまったことだしもう縁が無くなるだろうと思っていたら、そのさらに10年後に食道がんが見つかりました。この時は治療に1週間余り入院して、しっかり保険の入院特約が効きました。良かったというべきなのか、お守りとしてはちっとも聞かなかったのを責めるべきなのかよくわかりません。
 
 まあ保険なんてそんなものと言うことがこの年になってやっと実感できたのです。

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