ギターの話である。当然のことながら。

ギターの話である。当然のことながら。

とっても解りやすい、エレクトリックギターに関することを書き綴ったブログです。
趣味であるヨーロッパやフェラーリのことにも触れたり触れなかったり。

Amebaでブログを始めよう!
あれから一週間。
パリのノートルダム大聖堂が燃えてしまった。
ご存じの通り、全焼は避けられたようだけど、
火の手が上がっている映像がショッキング過ぎて、
現在の姿を写した画像はまだ見ていない。
ああいうのは、映画の中だけにしてほしかった。。。

個人的な趣味を言うと、
ヨーロッパのゴシック建築が大好きでして、
改装予定の実家をゴシック風にしたくてしかたありません。
(今のところ賛同者はいない)
ゴシック建築で有名なところでは、
フランス内だと、アミアンやランスの大聖堂が、
パリと同じくノートルダム、つまり聖母マリアに捧げられています。
聖母マリア繋がりだと、
イタリア、フィレンツェのサンタ・マリア・デル・フィオーレ、
ドイツのケルンも有名どころではないでしょうか?

ちなみに、パリのノートルダムは、
もちろんその美しさにおいて特筆すべき存在だけど、
やっぱりパリの中心に建っているというのは、
他にはない価値を与えていると思います。
13世紀(だったはず)に建てられ、
フランス革命の危機もなんとか乗り切り
パリの歴史をずっと見守ってきた大聖堂。
建物は中世のものだけど、
建っている場所としては、
ローマ時代に遡る古い聖地のはず。
日本人の私でさえその存在に感じるところがあるわけで、
地元の方にすれば、それに寄せる想いも大きなものだと思います。

それがこんなことに・・・
尖塔が燃えちゃったのは痛ましいですが、
全焼とかにならなかったのは、不幸中の幸いと言えるのでしょうか。。。


それで、そういえば以前、
その外観を写真に納めていたので、
ありし日の尖塔の画像を探したのですが・・・









尖塔、燃えるとか思ってないから撮ってない(笑)








しょうがないので、手持ちの本から。
建造時期的には、ゴシックの時期でも、
ちょっと早いんですよね。
なので、ロマネスクの重さというか武骨さが、
まだ少し残っているのですが、
それがより中世という時代を感じられて、
個人的にはツボです(笑)
それでいて、ゴシックに欠かせない、
林立するフライングバットレスは備えていますから、
いよいよズキューンというところ。




別の本から。
ちなみに、ムカデの脚のように、
わさわさ生えているのが、フライングバットレスです。
外壁が外向きに倒れるのを防ぐ役割と、
デザイン上の美しさを増す役割があります。








これが我が家にも欲しいんです。






・・・それはともかく、
大聖堂と言えば、やっぱりこれ。




ケン・フォレットの大聖堂シリーズ。
映画化もされたので、
読まれた方も多いのでは?
読みやすい小説なので、
この作品をきっかけにして、
キリスト教建築マニアを増やしていきたいと思っています。
(今のところ、こちらも賛同者はゼロ)





さて、ノートルダム大聖堂の火災を聞いて、
これは寄付をしないといけない・・・!
と思ったのですが、
よくよく考えてみると、
カトリック教会なんて売るほどカネを持っているはずなので、
そもそも寄付なんているんだろうか・・・?
と、まごついている間に、
我らがLVMH(Louis VuittonやDiorを擁するコングロマリット)が、
多額の寄付をしてしまいました。
困窮している人々にはなにもしないのに、
石コロにはカネを出すのか!?
なんて避難されてましたが、
ユーザーとしては、
石コロ向け寄付に賛成です(笑)
それに、LVMHは、SDGs関連にも、
結構投資しています。



つまり、LVMHの商品を買えば、
ノートルダムの再建に手助けできるし、
世界の発展にも協力できる、
ということになるのです!!たぶん。







つまり・・・








 こういうことです(笑)


ところで、尖塔の再建には、
費用というより、材料が足らないようです。
特に、長期間自然乾燥された木材が・・・





ギタヲタの皆さん、
タンスで眠らせているハカランダを
是非。


おわり。
こんにちは、nobuです。

それなりに早く更新することができました(笑)



前回のブログどおり、
ようやくLouis Vuittonにギターケースをオーダーすることを決心した私。
と言っても、まだ見積りはない(笑)

勝手な予想では、
(たぶん)既成トランクの相場:50万
オーダーメイドによる割り増し:50%アップ
つまり75万!
ディスカウント入って70万!

どう考えても高いですが、
世の中にはお金では買えないモノがある…
買えるものはクレジットカードで。

一見無駄に見えても、
人生においては、お金をかけるべきモノがあると思うのです。
それが70万なら安いもの。

それに…















中身(ギター)がすでに無駄のカタマリだから、全然大丈夫。気になりません!


フッ、Louis Vuitton何するものぞ!!
今更どんな見積りだって怖くはない!








という気持ちではありましたが、
こっそりエージェントに目安を聞いてしまいました(笑)
ええ、小心者ですが、なにか?
(ちなみに金額は秘密です)

ただ、実際にはかなり予想より早く見積がフランスから届いたので、
あえて目安を聞く必要はなかったかもしれません。













目安より30%も高かったし(笑)




でも、もう心は決まっていたので、
とりあえず金策に走り(今更)、
正式にオーダーを致しました!

そういえば、デパーゴのときは、
オーダーしてからが長かったのですが、
Louis Vuittonも一年くらいかかる、とのこと。
実は、以前キーケースとか財布とかはオーダーしたことがあるのですが、
だいたい3ヶ月と言われながら一年くらいかかっていたので、
最初に一年って言われたら、
一体どれだけ待てば完成するのか?
カラハムの3年記録を塗り替えるかも・・・

とは言え、この待ち遠しいのもオーダーメイドの醍醐味ですよね。
個人的には、この待っている間の期待感こそ、
人生における活力の源だと思っています(笑)
それに、ギターの完成が待ち遠しいのは、何度も経験してきましたが、
ギターケースの完成が待ち遠しいのは初体験です(笑)
このワクワク感が続くだけでも、
オーダーして良かった・・・











・・・なんて、妄想してたら・・・










ぷるるるるるるるるるる(携帯のバイブ)



私「はい」

エージェント「nobu様ですか? 例のブツがフランスを発ちました!」

私「な、なに?
予想よりもかなり早くないか!?」

エージェント「はい。既にクーリエ便に載せられ、現在はインド洋上空とのこと(適当)」

私「わかった、すぐにそちらへ向かう」







・・・というわけで、
あっさり半年で完成しました(笑)




思ったよりかなり早い!
そして、結局内装色やワニ革キーケースはどうなったのか?(笑)



不安と期待を胸に、店舗へ・・・

ちなみに、私は店舗での受け取りを希望しましたが、
自宅へスタッフが手持ちで納品、
これが基本スタイルのようです。
たしかに、ワードローブのような大きいサイズになれば、
その方が現実的なのかもしれません。
ただ、私の場合はそこまで大きくない(はず)のと、
なんか配達されるとAm○zonで買ったみたいなので(笑)


まあ、とにかく、
いつもの店舗へ・・・





いつもどおり、ムスメ同伴(笑)
(写真はイメージです)




そして、遂に、
新しいケースがお披露目されるときが・・・








つづく























・・・うそですごめんなさい。









今度こそお披露目・・・












Louis Vuitton製、ストラトキャスター用トランクケースです。
完成を祝してくれる、
スタッフの演出が心憎い!





斜めから。
写真では内装が朱赤くらいにしか見えませんが、
実際はオレンジ!
予想どおり、モノグラムともあっています。
頼み込んでよかった・・・


ちなみに、テディベアは別売です(笑)







実際にギターを入れて。
予想以上に雰囲気いい!
もはや神々しい!
埼玉の山奥で作っているとは、とても思えない(笑)

もともとケースを作ろうと思ったきっかけの、
ケースを開けたときのプレゼンテーションに関しては、
かなり魅力的になったのではないかと個人的に思っていますが、
いかがでしょうか?


ちなみに、あれほどスタッフが丁寧に採寸してくれたギターですが、
当日は別のギター、しかも4ミリほど大きいものを持ち込んだため、
本来の位置には入っていません。











ギターが入らなくて、エージェントの顔が青ざめたのは、言うまでもありません。









まあ、正確には入るんですが、
なんかこう、ちょっと浮くんですよね。
ちなみに手持ちのギターだと、
ほぼすべてのフェンダーとPGM、ディティンプルは入りますが、
この当日持ち込んだPGMと、
デパーゴは少し浮きます。
もう1ケース作る理由ができました。



細かいところでは・・・






シリアルナンバーの刻印された錠部分。
これが大きいため、フェンダーのケースより厚みが増しています。
でも結構迫力があります。
これを開けるときの重厚感がハンパないので、
中身は相当なモノが入っているに違いない・・・
と期待させられます(笑)



この写真ではなんのことやらわかりませんが(苦笑)、
天辺のハンドルです。
これは本当に便利!
提案してくれたスタッフに感謝しています。






そして!!
私の勝手な思いつきに答えてくれました、
ワニ革のキーケース!!!
ケース本体につけてちゃなんの意味もないのですが(笑)、
モノグラムに映えて、可愛らしいです。
作ってくれたパリの工房にも、
交渉してくれたスタッフにも感謝しないといけませんね。




ちなみにこのケース、
お気づきの方もいらっしゃいますが、
#16のギターの紹介の際に、
実は既に登場しています(笑)







この画像ね。






ケース単体。
実物は、Louis Vuittonの言う、
『最適なバランス』で作られている為かどうかわかりませんが、
なんとも言えないしっくり感があるというか、
むしろ少し小さめに見えるように感じるから不思議です。
縦横はほぼフェンダーと同サイズなんですが。
調和がとれたデザイン、ということなんでしょうか?










ただ、持ったら腕が引きちぎれそうなくらい重いですけどね。








オマケに、友人P氏のレスポールと。
似合うけど、残念ながら入りません。
レスポーラーの方、是非ご検討ください(笑)



でも、似合う(笑)
黒のエピとかもいいかも・・・


なお、作ってみての感想なんですが、
これは本当に個人的な気持ちだと思いますが、
まるで、失われていた心のカケラが、
思いがけず戻ってきたかのような、
えもいわれない充足感があります。
ああ、自分は心からこのケースが欲しかったんだな、
と完成してから改めて感じています。
正直ちょっと高いんですが、
(ギターで例えると、マルキオーネの箱モノくらいのお値段です)
こういう心持ちって、なかなか得られないのではないでしょうか?
総論として、オーダーして本当によかったと思います。



ギタオタの皆さん、是非(笑)


おわり
こんにちは、nobuです。
ちょっと間があきましたが、
ギターケースの話を続けます。

といっても、今回はギターケースというよりも、
Louis Vuittonのクリエイションオーダー体験記といった内容なので、
うっかりギターマニアでもないのに当ブログを見てしまった、
でもLouis Vuittonのオーダーメイドには興味があるぞ、という方にも、
おすすめです。
(そんな人がこのブログにたどり着くかは微妙ですが)

さて、前回の内容の通り、
ギターケースをLouis Vuittonにオーダーすることにした私。
ちなみにLouis Vuittonでは、
お客様のご要望に合わせて、
専用のトランクの製作を受け付けており、
そのサービスのことを、
「クリエイションオーダー」
と呼んでいます。
既製のトランクも扱っているようですが、
やはりLouis Vuittonのトランクの花形は、このクリエイションオーダー品だと思います。

オフィシャルの参考資料?もあります。



こちら、『Legendary TRUNKS』。
書籍ですが、人を殺めるのに充分な重さがあります。



ともあれ、この本によると、
たとえば、こんなのとか…





カジノトランクとは、シャレてますよね。







こんなのとか。

市川海老蔵さんの化粧道具箱。
赤が映えて美しいですね。




それから、ギターケースと言えば、この方。







キースリチャーズ!


ちなみにこれは…



『traveler's tales』より。
こちらも鈍器として充分な攻撃力を備えております。

でもWebで検索しても、
キース=リチャーズ以外の
Louis Vuitton製ギターケースって、
あまり出てこないんですよね。
特にソリッドは。
アコースティック系はそれなりにヒットするのですが…

意外に、ストラト用のケースを作った人は、
少ないのかもしれません。


さて、気持ちの上ではオーダーしよう!という気になった私ですが、
そもそもどうやってオーダーすればいいのか?
そして何より…











おいくらまんえんするのか?









気になって仕方ありません。

そもそも大半のギタリストにとって、
ギターケースなんてギター買ったらオマケで付いてくるものです(言い過ぎ?)
それをカネまで出して買うなんて、
正気の沙汰ではありませんし、
したがって相場が全然わかりません。

以前、クリエイションオーダーではなく、
既製のバッグの素材替えをお願いした場合の価格を聞いたことがあるのですが、
たしか通常価格の20%だか50%だかアップだったような気がします。
私自身はそのサービスに魅力を感じなかったのものの、
価格の目安にはなるかもしれません。
そもそも既製のトランクの価格もよくわかりませんが、
仮に50万だとして、
50%アップなら、75万ですね。










たけえわ。






普通に高い。
下手したら中身より高くなる。
誰も作らない理由がわかる。
ただ、在庫にならないんだから、店舗的にはありがたいだろうし、
価格交渉とかできるんだろうか?(笑)


ま、うだうだやってても仕方ないんで、
お店に行って相談してみることにしました。
ちなみにムスメ同伴(笑)
パパの生き様を目に焼き付けておくがいい…



私「あのー、すみません」


エージェント「はい?」


私「えーと、トランクを作って欲しいんですが。」


エージェント「おお、よくご決心されましたね! 展示会にご招待した甲斐がありました。
それで、どんなトランクにするか、お決まりですか?」


私「はい、実はギターケースを作って頂きたくて。」


エージェント「ギターケース! いいですね!
えーと、あのひょうたんっぽい形のヤツですよね?」


私「いえ、それではなく、エレキギターってやつでして。」


エージェント「はあ。ちなみに具体的な形のイメージはありますか?」


私「それはもう。天井に届くくらい囲まれてますから…」


エージェント「……?」



こうして、その場で簡単なラフを描いて、
ここがこうなってて、ここはこうで…
という説明を行う。
絵が描けてよかった。

プランとしては、
基本的にはフェンダーのケースをそのままLouis Vuittonで再現、というヒネリのないもので、
ギター以外に何も入らない、
シンプルな仕様。
あとは、Louis Vuittonから何か提案があれば、
それを受け入れるつもりでした。



エージェント「ありがとうございます。大まかな形はつかめました。ただ、具体的な寸法を測らないといけないので、
申し訳ないのですが参考にするギターケースを、
中身も入れた状態でお持ちいただけますか?」


私「わかりました」




…こうして後日、
ギターケースを中身入りで店舗に持参。

いやー、もの凄く店舗の雰囲気にミスマッチ(笑)
オマケに計測はお店のど真ん中でやってたので、
まるで目玉商品のように陳列される。


燦然と光輝くフェンダーカスタムショップロゴ!
でも中身はPGM(笑)
あ~他のお客さんからの視線が痛い。



エージェント「ちなみに、このギターを入れるんですよね?」


私「たぶんそうなると思います。
まあ、実際にはコレじゃないかもしれませんが、
同じ形のしかないので」


ストラトしか持ってなくてよかった


エージェント「では、ギターのほうも採寸しますね」


…こうして、とりあえず中身と現状のケースが計測される。
もし、具体的なケースの形状に要望がない場合は、
中身がどんなものでどんな使い方をするかヒアリングして、
一からデザイン起こして、
提案してくれる、とのこと。
それはそれで、体験してみたかった気もするが…



エージェント「それでは、一旦これで図面を起こしますが、
実際に製作する際には、もう一度お借りして、
パリの工房に送ることになると思います」





えー、そうなの?
つまり、PGMが遂にフランスデビュー?
案外Louis Vuittonの職人に気に入られて、
パリからオーダーが入ったり…?
これはもうムーランルージュで採用される日も近い、ということか…?



※個人的にはテンション上がったPGMのフランスデビューですが、
どうみても代替の利かなさそうなギターであるため、
輸送中の万が一の事故が懸念されることから、
フランス輸送は中止と告げられました(笑)
PGMのムーランルージュモデルは、
まだ先のことになりそうです。



何はともあれ、大まかな形と中身の採寸は終了したので、
次に外装などの仕様を決めていきます。

今回は分かりやすくLouis Vuittonらしさを感じたかったので、
外張りはモノグラムフラワーにすることにしていたのですが、
他にも選べる箇所があるようです。

たとえば、ケースの縁と角をレザー&金具でバインディングするかどうか、
鍵をゴツいのにするかシンプルなものにするかどうか、
ネームプレートをつけるかどうか、等。

とりあえず、なるべくクラシックな仕様にしてもらいました。
(つまり全付け)

それからエージェントからの提案で、
ケースのサイド(天辺側)にも取っ手をつけて貰うことに。
たしかにここに取っ手があると、かなり運びやすくなるので、
この提案は嬉しかったです。



ちなみに、逆にこちらの要望を聞いてもらえない箇所もありました。



私「一点要望があるんですが…」


エージェント「なんでしょう?」


私「正直、ケースがこれ以上重くなるとツラいので、
ケースのサイズはフェンダーのケースと同じかそれより小さくしてもらえませんか?」





偽らざる本音です(笑)
ですが…




エージェント「申し訳ございません、その内容はお受けできません。」


私「え、なんで?」


エージェント「何故なら、ケースには外装のデザインと調和する、
最適な寸法が御座います。
私どもはその寸法に従って製作しますので、
外寸の指定はお受けできないのです。」


私「は、はあ…」


エージェント「例えば、フェンダーのケースと厚さを揃えた場合、
錠前のサイズに比べて、ケース自体が薄すぎます。
また、横寸も、外装に対して最適な寸法とは言えない可能性があります」


私「ふむふむ…」


エージェント「つまり、このサイズでは、
美しくない
のです。」

私「わ、わかりました!」



こういう、全然機能面とは関係ないけど、
ポリシーのある断られ方に、
私は大変弱いのです(笑)
そういうわけで、サイズ面は完全におまかせ。


…ちなみに、フェンダーのケースって、
ギターを入れた状態でバランスとるために、
ハンドルがケース中央についてませんよね?
あの設定も、美しくない…ということで、
一旦却下されました(笑)



それから、ちょっと悩まされたのが、内装の色。
素材はマイクロファイバーのスエード一択なのですが、
カラーバリエーションが豊富。
でもモノグラムに合うとなると、
やっぱり赤系がよさそうで、
そうすると、かなりベタな配色に。
なんかちょっと意外性が欲しい気もする。
店内にあった資料をパラパラ見ていると…



おお!と目を引く鮮やかなオレンジの生地見本が!

(画像なし、すみません)


これなら、定番の赤系から外れずに、
しかもちょっと意外性もある。
なにより、オレンジという色が好きだ(笑)


私「すみません、このオレンジを使って欲しいんですが」


エージェント「あ~…、申し訳ございませんが、
その生地はダミエ(市松模様の外装のこと)用の内装で御座います。
お客様はモノグラムを選ばれておりますので、
こちらの内装はお選びいただけません。」


私「えー、なんで?」


エージェント「何故なら、外装に合った最適な内装の色の組み合わせがあり、
その組み合わせの中でお選び頂いております。
つまりダミエ用のオレンジとモノグラムとの組み合わせは、
美しくない
からダメです。」


私「…」


エージェント「…」


私「………」


エージェント「………………」









私「いや、絶対これも美しい。
だからこれで行こう!!」








エージェント「うう…
わかりました。パリの職人に相談します(泣)」






…というわけで、少しだけ、
個性?を出せたかもしれません。

これで仕様は全部決まり、と思っていたのですが、
最後にエージェントから一つ提案が。



エージェント「実はこのケースのキー用に、専用のキーケースがオマケでつくのですが、
お好きな形を指定していただければ、
それに合わせて職人が革で手作り致します」


私「へー、それは嬉しいね!」


エージェント「せっかくだから、ギターの形にするとか、
いかがでしょうか?」


私「うーん、それはちょっとダサいかも(笑)」


エージェント「…(涙)」


…といっても大してアイディアもなかったので、
釣り鐘的な形にしてもらいました。
一応、ノートルダムの鐘ってことで(笑)


私「ところでこのキーケース、素材は何になるの?」


エージェント「ハンドルと合わせたカラーの、ヌメ革になります」


私「ふーん…」


エージェント「ケースとも調和して、オシャレだと思いますよ♪」


私「………ここに、赤色が欲しいなあ」


エージェント「…へ?」


私「全体的には暗めのブラウンじゃない?
鮮やかな赤のワンポイントが映えると思うんだよなあ」


エージェント「はあ…」


私「そうだよ、やっぱりここは赤色にしよう!」


エージェント「ですが、ヌメ革に赤色の設定は御座いませんので…」


私「誰もヌメ革を使うとは言ってないぞ」


エージェント「は、はあ… じゃあエピか何かでしょうか?」


私「違う、ワニだよ」


エージェント「はい?」









私「イリエワニの革を綺麗な赤に染めたら、間違いなく美しいよ! そうだ、それでいこう!!」


エージェント「ええええええ~~~~!?」






私「いやー、楽しみだなあ」


エージェント「………パリの職人に相談します(泣)」




…こうして、ずいぶん長文になりましたが、
無事仕様が全て決定しました。


…が、肝心なことを忘れています。





私「あー、そういえば、結局見積りってどうなるの?」


エージェント「見積りですね。仕様が決定しましたので、
正確な図面をパリの工房で起こした上で算出します。」


私「え、そこまでするの?」


エージェント「はい。だいたい3~6ヶ月程度で金額が確定すると思います」




…長いな(笑)



なお、実際にはここまでで既に2ヶ月程度かかっております。
今更やっぱりやーめた、というのも少し心苦しいし、
時間を無駄にする気もします。
とは言え、お値段も気になるところ…



私「ちなみに、もし、もしもだよ?
見積りが高くて、よう買わんわ~ってなったらどうなるの?」


エージェント「そうですね………」


私「………」


エージェント「………」


私「………」



エージェント「ぜ、全然気にされなくて大丈夫ですよ(泣)」




私「………」








これ、絶対断れないヤツだ!!!






………ま、そういうわけで、私、
無事にLouis Vuittonへギターケースをオーダーしたのでした(笑)


長くなったので、続く。

はい、いつも通りご無沙汰しております.
nobuです。
半年ほど放置しておりました…






半年の間に、ムスメも大きくなりました。




…ちょっと仕事で文章書くことが多かったので、
ブログまで手が回らなかったんですよね。
(勿論サボってた言い訳です)

半年も経っちゃうと、何を書いてたか忘れてましたが、
読み返すと、ギターケースをオーダーする話だったようで…
しかも前編で途切れてる(笑)

正直どんな内容を考えていたか、全く思い出せませんが、
(おそらく当時も何も考えていなかった)
今の考えで続きを考えて書いてみます。



さて、ギターケースをオーダーする、といっても、
正直既製品と何を変えたらいいのか?という話でして、
アイディアもあまり浮かびません。
というのも、(ストラトに対するフェンダーの)ギターケースって、
実用面ではかなり完成されているんですよね。
(ま、ツアーにでもでなければ、そもそもギターケース自体が実用的かどうか微妙なのは置いておいて)
あの平べったいフォルムも個人的には好きですし、
形を変えてしまう必要性は感じません。
収納力をアップはさせられそうですが、
これ以上重くなったら、
手が引きちぎれることは確実です。

つまり、機能面は変えなくていいから、
デザイン面だけ弄るしか無さそうなのですが、
例えば色替えとかするのも、
あまり価値を感じません。

もっとなにかこう、
自然な形で、
それでいてプレゼンテーション力がアップするような、
そんなギターケースにするには、どうすれば…?


…そんな、本来悩む必要のない悩みをかかえていたところ、
あるエージェントから電話がかかってきました。






エージェント「私です。
 耳よりな情報を得ましたので、報告致します」


nobu「…ほう」


エージェント「実は、近日中にオーダーメイドのケースの展示会が開催されるとのことです」




…な、なんと…!?
タイミング良すぎやしないか?




nobu「ふ、ふーん…
まあ、興味無くはないけど。
ちなみに場所はどこだ?」


エージェント「紀尾井町でございます」


nobu「えー、遠いな」


エージェント「(アンタんちから電車で一本やん…)
勿論、タクシーでお迎えに上がります」


nobu「ふーん…
でもどうせ混んでて入るのも大変、とかなんでしょ?」


エージェント「実はそのとおりなんですが、そこはそれ、裏口からの侵入口を用意しております」


nobu「ほう? それなら行ってやってもいいかな」








…正直話がうますぎると思ったのですが、
わたりに船とはこのこと。
ホイホイとエージェントに付き添われ、
件の展示会に行ってしまったのです。






そして、わたしはそこで…















心、洗われました。







…何にそんなに感動したのか?





その前に、撮影OKだったので、
少し写真を掲載してみます。








こんなのとか…





こんなのとか…





こんなのとか…





こんなのが展示されておりました。









…え?

なにも感動するところがない?

古いケースが並んでるだけ…?











全くそのとおりです。






…そのとおりなんですが、
私はうっかり感動してしまったのです。
それは、この古びた(あまり実用性も感じない)ケースのそれぞれが、
既に故人となって久しい持ち主のアイデンティティを、
未だに、強烈に、発しているように感じてしまったからです。

端的に言って、私は圧倒されていました。

だいたい、ケースなんてあくまでガワなわけで、
中身を護ったり、運搬するためのもの、
つまり脇役だと思っていたのですが、
それが、こんなにでしゃばっている世界があるなんて!






…いいの?


本当に……いいの?






…ええ……、来て…








という気持ちなわけです。






ケースの話ですよ?





ひとしきり感動している私に、
付き添ってくれているエージェントから、
悪魔の囁きが。


あ、もうめんどくさいので伏せないですが、
エージェントはLouis Vuittonの店員です(笑)


エージェント「Louis Vuittonでは、創業当時から、
全てのケースのキーの情報を、顧客台帳に記載しております。
そのため、お一人、もしくはご家族で複数個のケースを持たれる場合、
キーを統一することも可能です」



なんと…


つまり、もし私がLouis Vuittonのケースを所有した場合、
パリの本店に、nobu家の鍵はコレですよ、なんていう資料が発生する、ということです。
(できたら紙媒体がいいなあ)





これは…



なんというか………












ちょっと、笑えませんか?(笑)










それに、私はヨーロッパの歴史が大好きなのに、
反対にヨーロッパの歴史に何か影響を及ぼせているかというと、
当然全く皆無でして、
それなら、その歴史的な台帳に名を残すことが、
とるに足らない小さなシミのようなものでも、
ヨーロッパの歴史に名を残したことになるかもしれない、
そう思えたわけです。
(まあ、丸善に檸檬爆弾を仕掛けるようなものです)


こうして私は、
エージェントの思惑通り、
Louis Vuittonにギターケースをオーダーすることに決めたのでした。


…というわけで、後編でしたが、
長くなったので次回に続きます。


つづく

こんばんは、nobuです。


最近、珍しく新幹線に長時間乗っていたのですが、
あれはいけませんね。




手持ちぶさたで、
いつの間にか手帳に意味不明な落書きを
描いてしまうはめになります。
まったく、恐ろしい・・・

さて、話は変わりますが、
久しくアメブロ更新をサボっていたおかげで、
ここで報告したつもりになっていて、
実際にはスルーしていたネタがいくつかあります。
(というか、そのことに気づきました)

今回は、そんなネタのひとつ、

ギターケース(ハード)をオーダーメイドしてみよう

というネタを紹介してみようかと思います。


恐らく、ギターはオーダーしても、
ギターケース(ハード)をオーダーで作ってもらうことは、
あまりないと思いますから、
何かの参考になれば幸いです。
ちなみに、長くなりそうなので、
前後編の2回にわけてお届けします。


ところで、ギターケースをオーダーで作ってもらうことは、
あまりないといっておきながらなんですが、
実は私、高校生の頃にも、
オーダーでギターケースを作って貰ったことがあります。
もちろん、そのときもハードケースでした。

なぜか?

それは、当時ギターもオーダーしていたのですが、
発注先がディバイザーだったので、
当然ながらケースもディバイザーのロゴ入りになるところ、
あのロゴのデザインが、どうしても気に入らなかったんですよね・・・

で、その問題を解決するために、









ロゴをディバイザーからフェンダーに替えて作る、というオーダーをすることにしました。世界にひとつだけ、自分だけのオリジナルギターケースの完成です。




・・・こ、高校生の発想ですからね。
ちなみに、アンプのパネルに使う、
あの立体的なプレートを使ってくれたので、
大変見映えもようございました。。。



それから20年近く。

ギターの本数も随分増え、
それにともなってギターケースも増えました。
もちろん全てハードケース!
初めは何だか高級感があって嬉しかったハードケースも、
段々嫌がらせか?というくらい場所をとるようになり、
ギターの部屋だけでなく、
ギターケースの部屋が必要になりつつある、
というところまで追い詰められました。



こ・・・

こんなに・・・


こんなにギター(ケース)が増えて、
苦しいのなら・・・
















ケースなどいらぬ!!







・・・というわけで、
PGMにオーダーするときは
ギターケースは付けないでもらうことにしたのですが、
ケースがないっていうことは、
つまり普段は・・・








こんなだったり、




こんなだったりする保管状況になってしまうわけです。
これは、あまり褒められた状況にはないですよね。

それに、よくよく考えると、
外観の素晴らしいギターって、
ギターケースも美しいんですよね。
どのブランドも手を抜いていない。
自分達のギターの価値を高めることにおいて、
抜かりはないわけです。

そもそも、しまってあるギターとの出会いって、
①ギターケースを見る
②ギターケースを開ける
③ギターケースに入ったギターを見る
という一連の流れだと思うのですが、
これって意外に重要だと思うんですよね。


なぜなら人間は第一印象で物事を測る動物であり、
そしてギターは、
プラシーボのカタマリ
なわけで、
目ための第一印象が良ければ、
その音に対するイメージも、
それに引きずられるように、
良くなっている可能性が高い、というわけです。
前述の外観においても優れたギター(PRSのような)は、
このことをよくわかった上でデザインしたケースを
採用しているように感じます。

まあ、実際に演奏者の気分で音も変わっちゃうわけですから、
これは侮れないと思うんですよね。


つまり、ケースを開けて中のギターを取り出すという一連の流れにおいて、

どういうプレゼンテーションが出来るのか?

ということは、
非常に重要(かもしれない)なわけです。


そして、優れたプレゼンテーションをするのであれば、
中身であるギターと、外身であるケースに
連続性や共通性が必要であり、
それでいて、ケースを開けたときの驚きや興奮を引き起こす意外性を隠し持ちつつ、
かつ、両者を高めあう統一美がないといけません。


つまり、


中身はディバイザー、外身はフェンダー、しかもパチもん

なんていうのは、
論外なわけであります。


このことに思い当たり、
一時はケースなどいらぬ!と荒廃していた私の魂は、
洗い浄められることになりました。

こうして、私はギターケースをオーダーすることを、
心に誓ったのでした。




後編につづく。