母親代わりに子猫たちを育ててくれたノノ(♀)への本当の想い | ねこ遊び備忘録

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母親代わりに子猫たちを育ててくれたノノ(♀)への本当の想い



 この文は本来私の心の中に仕舞っておくべきものですが、この想いを忘れてしまわないように書き留めておくことにしました。このブログは備忘録ですから。

 ノノ♀に初めて会ったとき、シッポをピンと立てて目を見開いて初対面の私の方にまっすぐに向かってきました。私のそばにはいつもNo.1のボス猫レオ♂とNo.2のココ♀がいて、この二人がいると怖がって他の子は全く私のそばに近づけない状態でした。ノノはとても小さくて細い子ですが、大きさも体重も2倍以上違うこの2人を全く無視して私に懐いてきました。ノノのお腹を見るとおっぱいはとても膨らんでいて、つい最近まで子供に授乳させていたことをうかがわせる状態でした。「子供だけ取り上げて母親であるノノを捨てる」なんて酷いことをする人がいるんだろうと心底憤慨していました。
  私とノノとの子育ては大変なこともありましたが、とても楽しいものでした。子猫たちの生活圏にはカラスがとても多いので、ご飯を食べる場所とひなたぼっこ場所は防鳥ネットで覆いカラスの侵入を防止しました。子猫たちの遊び場は産廃の残土で粉塵が舞っていたので、少しずつ海砂を入れて手作りの砂場を作りました。面白半分で子猫を追いかけ回す大人猫達にも教育する必要がありました。一番苦労したのは自由を振りかざし子猫を執拗に探し回る人間でしたね。こんな苦労もノノと一緒に林の中を駆け回ったり木登りをしている子猫達を見ていると吹き飛んでしまいました。しかし、ユイ♂の交通事故死を目の当たりにしてから状況は一変しました。
 今度は私自身がノノから子供を取り上げてしまわないといけない状況になりました。ノノから子猫たちを一人ずつ引き離している時は心の中で「ノノごめんね・ごめんね・ごめんね...」ずっと懺悔しながら行っていました。最後の子・ヒナ♀をキャリーに入れた後に車の所まで「わたしの子供を返して!」と必死で訴えて付いてくるノノの姿はたぶん一生忘れることが出来ません。
 子猫たちをすべて保護施設に託し終えた後、「私のことが大好きで信頼してくれているノノから私自身が子供を取り上げるという酷いことをしてしまった」「一度子供を取り上げられるという悲しい思いをしている子に対して再び子供を取り上げられるという悲しい思いをさせてしまった」という強烈な罪悪感にずっと苛まれていました。私の罪はノノと子猫たちを引き離したことです。
 そんな私のこと知ってか知らずか、今日もノノは私を見つけるといつものようにシッポをピンと立てて私を見つめてまっすぐに駆け寄ってきます。私はノノに「嫌われてしまっても仕方ないようなことをしちゃったよ、とっても酷い人だよ」、そう話しかけてもお構いなしにスリスリしてきてくれます。
 ノノの受けた仕打ちを考えると2回も子供を取り上げられた可哀想な子だねと憐れみの情を抱かれるかと思います。私もこの思いを抱いたままこれからまともにノノの顔を見て楽しく遊ぶことなんてできそうにありません。だから私は自分自身の心を欺いてノノのことを「自分の子供は取り上げられてしまったけど、子育ての続きを2ヶ月弱も経験できたラッキーキャット」だと無理矢理思い込んでいつものように接する決心をしました。
 
 ノノに私の心の奥底にある深い傷を悟られないために。
 無邪気に駆け寄ってくるこの子の目をちゃんと真っ直ぐに見つめ返すために。

ノノほら、今日も子猫たちと遊んだ思い出の砂場に友達のソラ♂が遊びに来たよ!