元漫画少女の雑記帳 -115ページ目

主婦はアイドル!/有間由美子

主婦はアイドル!(1)   設定がすごいぞ~~~


「主婦はアイドル」です。

ストーリーをそのまま象徴したタイトルであります。
そう。
主婦なんだけどアイドルなんです。
わかったかい?ふっ。


・・とロレンス並みの説明をしてしまいたくなるような

物凄い設定ではあるんだけど、意外とこういうの昼ドラとかに

なったら人気出たりして???


主人公は3才の娘がいるごくフツーの26才の主婦。

そんな彼女がスカウトされるのです。
スカウトした人は彼女が16才位に見えたのだとか。

そもそも夢のマイホームを建てたばかりで、生活費確保の

為にパートに出ようとしていた事、同居の義母の後押し有

という事でこの話に乗り、なんと16才のアイドル志望の女の子

としてオーデションに出て、本格的にアイドルとなっていく・・

という話です。これって作者の願望なんだろうか。


普通の主婦の裏の顔を描いた漫画としては、他にDr.クージョで

おなじみの星崎真紀さんの「ひみつの奥さん」などもあるけど

こっちの方が設定としては断然凄いです。


ちなみに絵柄としてはかなり独特のクセ(手足が異様にデカイ)

はありますが、可愛い部類だと思います。


しかし・・この3才の娘・・実にいっぱいしかもちゃんと喋るなあ・・
うちなんて「んっかーんっかー♪」で喜んでるぜい・・アホやん。




「主婦はアイドル!」全5巻 有間由美子 講談社 


Books Ranking

緘黙(しじま)の底/山岸凉子

  「黒鳥」に収録されています。


この話はもう気持ちがとても重くなったのと共に

色々と考えさせられました。

今の所「漫画~社会問題」に区分けされた作品を

振り返ってみると、どれも児童の虐待に関しての本に

なっているのですが、これもそう。

この話は父親による性的虐待を扱った話です。

父親が小さな娘に性的・・?

漫画の世界だからこその設定でしょ・・?

そう思いたい。

だけど現実にそんな事件が過去報道されたことがあります。
父親だけじゃない。母親が息子に性的虐待をしていた事件も

去年だったかに報道されていました・・。
吐き気がします。

この話の主人公たちもこの悪魔のような親の被害者なんです。

更に山岸凉子さんがそれをテーマにしたわけですから

当然とてもリアルに感じられて、それに対しての嫌悪感で

いっぱいになりました。
山岸作品といえば残念ながらハッピーエンドではない作品も

多数発表されていますが、これはどちらだと思います?


簡単にあらすじを書くと、主人公は代理の女性養護教諭。
彼女の勤務する保健室に、素行不良だと噂のある5年生の

女の子。

彼女は母親がおらず父親に育てられているのですが、

行動が妙に落ち着きなかったり反抗的だったり

大人びていたりと異常なところを見せていました。
これがサインだったんでしょう。

彼女の家庭には大きな問題があったのです・・。


かなり思いテーマですが、「黒鳥」に収録されている

中編の読みきりなので良かったら是非・・。

山岸さんのメッセージも悲しくなる位ひしひしと伝わって

きます。


しかし・・育児ノイローゼの果てに叩いてしまったなどと

また違い、こういう弱い者に対しての自分の性的な

欲望を押し付ける大人って改善出来るものなんでしょうか。
しかもこのケースは我が子です。
どんな心理状態なのだろう・・。

とにかく許せないし反吐が出ました。




山岸凉子作品 計22冊 「舞姫テレプシコーラ」「牧神の午後」「黒鳥」「白眼子」他

↑ 山岸凉子作品 計22冊 「舞姫テレプシコーラ」

「牧神の午後」「黒鳥」「白眼子」他 中古本セット

6450円だそーです。手に入りにくいものもあったんで

一応御紹介でも。。

獣王星/樹なつみ

獣王星 〔A5版〕全5巻 樹なつみ/作   SFをどんどん描いて欲しい・・


樹なつみさんといえば「OZ」でSF漫画家としての才能も

これでもかと見せ付けてくれた感があるんだけど

「OZ」の後に発表されたこの「獣王星(じゅうおうせい)」も

なかなかスケールの大きなSF大作となっています。

舞台は地球から離れ、バルカン星系。
登場人物たちははるか昔に地球からの移民の子孫らしい。

主人公はトールとラーイという白人少年の双子で

トールはしっかり者でやんちゃ坊主。

ラーイは大人しくて女の子みたいな男の子。

この2人の両親が殺害され、2人は処刑星である

獣王星(キマエラ)という僻地状態の星へと送られる。

この星に住む人間は白・黒・黄・茶という輪(群れ)に別れていて

更にそれぞれ男女のグループがあり、ボスが存在する。

そのボスたちのトップに立つのが獣王で、その位置に辿りつかない

限りはこの星から脱出不可能。

また、単独では生活は不可能。

なぜならこの星の気候も生育している植物もとても危険だから。
冬季はまさに「氷の世界~♪」で、それ以外はゴジラのように

巨大な植物が生い茂る。
種類によっては人間を襲って養分にする植物だってある。

人間たちも元々犯罪者が送られる"刑務所"星というのもあり

荒っぽくてギスギスしている。

更に輪(リング)同士のいざこざなどもあり、聞いただけで

うんざりするような世界。


更に彼らの両親が殺されたのも実は陰謀であり

復讐を果たすためには星外に行くしかない。
星外に出るには獣王になるしか道はない・・
果たして少年たちは外に出られるのでしょうか・・。


個人的にはやっぱり「OZ」にほれ込んだ後に読んだせいか

やっぱりどっちが好きかと聞かれると「OZ」を選んでしまいます。
だけどこの「獣王星」もSF作品として出来がいいんじゃ

ないでしょうか。

樹さんの最近の作品(デーモン聖典とか)は残念ながら

まだ未読なのですが、折角こんなにいいSFを描けるんだし

もっともっとSF作品も描いて欲しいな・・なんて思います。



獣王星(1)     獣王星(2)     獣王星(第3巻)

  獣王星(第4巻)     獣王星(第5巻)最終巻


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貴船の道/山岸凉子

  「黒鳥」に収録されています。



山岸凉子さんは怖い話を良く描かれますが、この話の恐さも
かなりきついぞ。なにしろ本当にソレが存在するのか

しないのかさえも曖昧だから余計に怖いのです。


まず物語ののっけから病室で苦しそうにしている女性の顔・・。
そばに泣く子供たちとその祖母と父親の姿。
そうなのです。臨終のシーンから始まるのです。

死に逝くこの女性は旦那さんに

「後添えをもらって」と苦しそうにしながら語りかけます。
一瞬喜悦の表情を見せた旦那さん。

そう。彼は浮気をしていて、それを奥さんは実は知っていたのです。
それでも黙っていて最期にあえてそういう事を言う女性の心理。
怖いです。

だけど「許せない」「苦しい」そう思いながら亡くなるのです。


その1年後、彼らの元に新しい母親と称する女性がやって来ます。
彼女こそがその浮気相手。
2人の子供たちの母親になろうと頑張りはしますがそう上手くは・・。

そんな時彼女は異様な体験をします。しかしそれは夢なのか

現実なのかはあえてはっきりとは描かれておりません。
そう。亡くなった前妻の姿が見えるのです。

彼女はいつも後姿で服装は死に装束・・。

そんな時に今度は旦那さんの異変。

帰りが遅かったり帰らなかったり。
これは彼女は経験あるのでわかってるんです。浮気してるって。
そして亡くなった前妻も実は気づいていたのではないかという事に気づき

ゾーッとする。
そんな時、遂に前妻の顔を見る事になってしまうのですが・・・・


この作品って短編映画にしてもかなりいい作品になるような気がする。
他の人には見えない・・いや現実か夢かもわからない世界で

何度も見える死に装束姿の女性。
しかも自分が苦しめ続けてきた相手。

ダイレクトにおばけが出てくるのも確かに怖いけど

こういうジワリジワリと心の底から迫ってくる恐怖の物語・・
是非どうぞ。但しいきなり夜中に読むのはやめた方が・・・。

黒鳥(ブラック・スワン)  山岸凉子 文庫版 全1巻



海よりも深く/吉村明美

海よりも深く 全10巻 吉村明美/作   ラブストーリー?ヒューマン?



吉村明美さんの作品といえば特殊な家庭が良く出てきます。
「麒麟館グラフィティ」だと妙の家も菊子の家もかなり深刻な

事件があったし、「薔薇のために」は兄弟みんな片親が違うし、
「あなたがいれば」は主人公は元捨て子。
そしてこの「海よりも深く」も主人公は壮絶な家庭に育った。

結局そのせいで男性アレルギーという変わった症状が出る。

ただのアレルギーではない。

男性に触れられると静電気が発生し、放電する。

主人公は眠子(ねむこ)。
友達の代理で行った占いの店で占い師より
「丁度3年後のこの時間に死ぬ」

と、とんでもないことを言われる。
ちなみに占い師はおじいさんで細*和子ではありません。

そしてその時入れ違いになった十三(じゅうぞう)という青年も

同じ事を言われた。時間は眠子の丁度10分前。

そんな2人が岸壁の上で知り合い、そして眠子の血縁の

2人の巫女さんと4人で共同生活することになる。
それから話はどんどん進んでいくんだけど・・・・


この話、作者が割と良く登場すると思う。

大抵はセクシーなシーンにて。

吉村さんはやっぱりそういうシーンは苦手な模様。

それに吉村さんの作品に大人向けのシーンは特にちゃんと

書き込む必要もないと思う。心から読ませるストーリーと

綺麗な絵が魅力なんだから。

なのにさ・・・


小学館が少女コミックあたりでH路線になっちゃったものだから

吉村さんにもそういうシーンを入れろと指示が来るらしい。
それがこの作品にチラチラ書かれているんだけど
なんだか気の毒に思うし小学館のやり方もどうかと思う。
出版社が作家の魅力を消そうとしてどうするんだよ・・

だからかいい作品だとは思うけど、なんだか情熱よりヤケという

気持ちが伝わって仕方ないです。
吉村作品にエロティックなシーンなんて必要ないし、そんなもん

なくてもちゃんと売れると思うし、そういうシーン目的な人は

吉村作品はなじまないと思うんだけどなあ。
この小学館の流れはどうにかして欲しい。もううんざりだ。

さて、話は戻して・・

この作品も強烈なテーマを織り交ぜている。
男女差別についてとか親子・祖母と孫との関係について、
友情とその裏にある利用の気持ちなどなど。

特に男女の性差別については、セリフを読むに吉村さんは

このテーマに関心大なのが良くわかった。

考え込まないとああいうセリフはきっと出ないよね。




海よりも深く 全10巻 吉村明美/作  海よりも深く 全10巻 吉村明美/作
海よりも深く(第1巻)  海よりも深く(文庫版)全6巻


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