sherry


素朴疑問に簡潔回答
Q&A


①シェリーのグラス

様々な会社がシェリー・グラスなるものを出していますが、
それに惑わされる必要はありません。

シェリーと一言に言っても辛口から極甘口、
軽いものから重いものいま
で様々あるので、
それを同じグラスで、というのはやや乱暴です。

なので可能なら二種類
A:レモンぐらいの大きさ/形状のものと、
B:オレンジぐらいの大きさ/形状のものがあるといいですね。

A:マンサニージャ、フィノ、ミディアム、クリーム、ME、PX
B:フィノ、アモンティリャード、パロ・コルタド、オロロソ


最近、何故かシャンパン・グラスでサーブする店が
多いですが、キツくなる上に香りを楽しめないので
これはシェリーのプロとしてはお勧めしません

②注ぎ方

よくベネンシア(柄杓)で注ぐことがあるせいか、
勘違いされている方が多いですが、
ベネンシアはあくまでも儀式的なものなので、
通常愉しむには必要ありません。


つまり注ぎ方に特に決まりはなく、
基本、ワインの一種ですから
普通に注いで頂ければ結構です。

但し、一部の熟成タイプ(茶色)は
香りを際立たせる為にやや高めに注いだり、
瓶にポワラ―をつけて入れるというのは悪くありません。

なお、プロの世界ではトルネードと言う
独特の香り出しテクニックもあります。

③注ぐ量

日本の古い風習が残っているせいか、
リキュール・グラスで30mlなんてお店もまだあり、
感心できませんが、

基本はワインの一種なので、少なくとも45ml
普通は60ml-75mlぐらいが
適当かと思います。


④飲み方

選択できる場合は、
辛いものから甘いものへ、
軽いものから重いものへが基本
です。

また、先のグラスの選択も大事ですが、
温度に気を使うとより美味しく召し上がれます。

マンサニージャ、中甘口・甘口は冷やし目で、
繊細香り系や高額なものはセラーの温度で、
辛口熟成タイプ、極甘口は室温がお勧めです。

冷菜にはフィノ系を
温菜にはアモンティリャード系を
食後や歓談には甘口系を。
あとはお好みでw


⑤保存方法

冷蔵/製氷というのが一般化したのは19世紀後半

それ以前にあったアモンティリャードやオロロソは、
常温保存で問題ありません。


それ以後に出てきたマンサニージャやフィノは、
冷蔵庫がいいでしょう。


賞味期限はありませんが、経験からすると
未開封で通常は3年が寿命。

開封後はフィノ系(透明系)は長くて3カ月
熟成系は長くて1年ぐらいですが、
早い消費にはこしたことはありません。

一番重要なのは
1日と1年の温度変化がない環境下に置く
という事です。

⑥ルール

シェリーはスペインでのみ生産されていますが、
7割以上が輸出されますので、

またスペイン国内でも主に飲まれるのは南部
さらに消費が伸びるのは御祭の時です。

世界で最大消費国はイギリスで、以後は
オランダ、ドイツ、アメリカ、ベルギーと続きます。

故にスペイン料理に
合わせなくてはならない理由はありません。


日本へも1611年に伝わっており、
19世紀中頃の横浜開港以後に輸入がなされていますから、

洋食でも和食でも、
様々な料理に合わせられるのが
シェリー最大の長所です。


スペイン・スタイルで
楽しくワイワイ飲むのもよし、

イギリス・スタイルで
知的会話を楽しみながら飲むのもよし。


唯一ルールがあるとすれば、
自分のペースで飲むということでしょうかw


では楽しく美味しいシェリー・ライフを!!

シェリー・カタログiPhone Appも是非!

五反田バー「シェリー・ミュージアム
Bar Sherry Musem in Gotanda, Tokyo, JAPAN