猫の病気いろいろブログ -7ページ目

流涙症(涙目)

・症状と原因


一般的に涙目とも呼ばれている病気。涙が涙管からうまく排出されないために、涙があふれ出る状態をいいます。特に極端に鼻が低いペルシャやヒマラヤンなどは他の猫より多くみられております。


原因は、涙の過剰分泌や涙管のつまり、先天的な奇形などがあります。感染症・眼瞼炎・眼瞼欠損・瞬膜の露出・角膜炎・急性緑内障など、様々な病気が原因になっている他、煙や異物の混入などでも起こってしまいます。

症状として、目や角膜に異物がある場合には、強い痛みを感じることになります。涙の量により結膜が赤く腫れあがることが多く、まばたきの回数が増えて・光をまぶしがったりします。 涙の成分により放置しておくとだんだんと目下の毛が茶褐色に変色していきます


目や角膜に異物が刺さっていたりした場合は強い痛みを感じることになります。流涙症の原因は涙道の通過障害と、色々な刺激に対して反射的に涙が分泌過剰になる場合の2つに分けられます。



・治療の方法


刺激の原因を取り除く処置を行い、眼球内の炎症を抑える治療をします。 軽い症状では、薬で改善されることもありますが、ひどくなると手術が必要になります。 早期に治療することが大切になってきます。

進行性網膜萎縮

・症状と原因


網膜が萎縮することによる視力低下や症状が進行すると視力障害を起こし、動体視力が衰えていったりします。眼底にある光を感じる光受容層に、異常が生じる病気で初期状況でしたら視力障害は起こりません。


症状が進行すると、夜間の視力障害が現れ動いているものを追いにくくなり、 さらに進行すると、昼間の視力にも障害が現れ、光に対する反応が遅くなります。 末期になると、瞳孔は開きっぱなしになり視力が失われていきます。


原因として、網膜萎縮には「先天性」と「後天性」がありますが、ネコでは「先天性」のものはまれです。 「後天性」網膜萎縮の原因は、主に栄養性欠乏やタウリン欠乏があげられます。 タウリンの欠乏は、猫にドッグフードを与えることで栄養不足が起こります。



・治療の方法


不完全な食事から来る病気なので、栄養不足を補う為の食事改善が必要です。普段からバランスの良い食事を与えるように心がけましょう。


問題は栄養によるケースで、特に必須アミノ酸の欠乏による事が多いので、飼い主さんがきちんと管理してください。

胃捻転

・症状と原因


緊急の治療が必要となります。胃がねじれてしまい食べ物や水分が動かなくなり、腹部にガスが溜まっていき、ネコは激しい腹痛に襲われます。また、胃捻転の症状の一つには脱水症状も上げられます。急にお腹が膨れて元気が無くなった時には要注意です。


胃の捻転の程度にもよりますが、胃の入り口である噴門と出口である幽門が閉塞するため、一般に食後1~4時間以内で胃内にガスと胃液が充満して腹部が異常に膨満してきます。 猫が吐こうとしても吐物が出ない状態が続いて、呼吸音が荒くなります。


血色を示す口腔粘膜の色調は白く退色してしまい、脈圧が低下するなどショック症状を起こします。放置してしまいますと数時間で死亡してしまう状態になってしまいます。



・治療と原因


胃捻転と診断されたら直ちに緊急の開腹手術を行い、ねじれていた胃を正常な状態に戻してあげます。併行して脱水症状などの内科治療も行います。


診断後は速やかな処置が必要になります。応急的な胃内の減圧処置やショック症状への対処ができ次第、外科手術によって胃のねじれを解消して元の場所に整復・固定を行います。ねじれによる胃のダメージは時間経過と共に取り返しのつかない程の深刻なものとなります。


手術時に捻転の正副とともに胃壁の固定を行い、再発を防ぎます。 再発もよく起こる為、食餌内容や給餌回数など食習慣の工夫が必要になります。給餌回数を日に一度にしないことと、慌てて食べてしまうワンちゃんに関しては少量の食餌を頻回に分けて与えることをお勧めします。

慢性胃腸炎

・症状と原因


慢性胃腸炎とは、胃粘膜への刺激が繰り返されたり持続することにより、慢性的に胃が炎症を起こしている状態をいいます。原因としましては、胃粘膜が食物抗原・化学物質・薬物・病原体などに繰り返しさらされることや、アレルギー的な要因が原因となります。


症状としまして嘔吐がみられています。嘔吐は食事とは関係なく起こり、併せて粘膜のびらんや潰瘍が起こってくる場合には、血を吐いてしまったり、黒っぽい便がみられることがあります。食欲不振・体重減少・腰痛などを起こします。また、毛艶が悪くなったりもします。原因としては毛球病という毛長のネコに見られる病気が誘発する場合があります。



・治療と原因


対処療法として下痢・嘔吐を緩和させ、病気の根本にあたる原因を治療します。薬によって腸や胃などの毛玉を吐き出させたり、腸内の寄生虫を駆除したりします。食事療法としまして、刺激が少なく炭水化物を多く含む食物を少量ずつ頻回に与えるようにします。


また、制酸薬や制嘔薬、粘膜保護薬を投与したり、抗菌薬や免疫抑制薬を投与する必要が生じる事もあります。

腸重積

・症状と原因


猫は草を食べて嘔吐したりするので、嘔吐はたいしたことはないと放置しがちです。ただ嘔吐や食欲不振を起こす重大な疾患の一つとして腸重積があります。腸管腔の中にそれに連なっている腸管の一部が反転してはまり込み、外と中に重曹した腸の状態でこれによって腸管内の内容物が通過できなくなってしまう現象が腸重積となります。大腸炎などの重い下痢が続いた時や腸が寄生虫に感染したときなどが発症の原因と考えられます。


多くは腸管が肛門側い向かってはまり込むが逆のことも起こります。この腸重積はどこの部位の腸でもおきまして空腸・回腸の辺りに起こります。腸重積によって腸管内の内容物がその部位を通過できなくなった状態や別のなんらかの原因で腸の通過障害がおきてしまいます。


激しい腹痛にみまわれ、ネコはお腹をかばうような格好をします。その後は水分補給をしなくなり脱水症状に陥ります。何度も排便の仕草を見せますがほとんど便は出ないか、水様性の便しか出てきません。



・治療の方法


腸閉塞は緊急疾患です。まず、ネコの脱水状態を軽くするための輸液を行います。その後に腸の外科的整復手術を行います。腸の状態に異常が無ければ腸管を元に戻しただけで終わることもあります。

急性胃腸炎と胃潰瘍

・症状と原因


胃から腸へかけての粘膜の炎症をいいます。ネコ伝染性腸炎ウィルス・コロナウィルスの感染・細菌感染によるケース・原虫性あるいは寄生虫感染・化学薬品の誤飲なども原因の一つです。肥満細胞腫や肥満細胞血症などの腫瘍の二次病変としても起こり得ます。胃において、粘膜がびらんとしたり、部分欠損の場合を胃潰瘍と呼びます。


症状では、下痢が主体ですが、主に胃や小腸の炎症がある時には嘔吐を伴うことが多いです。急性の病気であるネコ伝染性腸炎では、ショック状態に陥ることがあるので早期の血液検査が必要です。



・治療の方法


症状が比較的軽い場合は、内服薬で様子を見る事もあります。ただ、下痢や嘔吐が続いている場合は脱水症状を治療するために水分を点滴や皮下補液で補います。同時に下痢・嘔吐を止めるために内科治療を施します。

最近、子猫の下痢では原虫疾患であるジアルジアの感染が増えているので、子猫が家に来たら健康診断と新鮮便による検便が有効で、予防できるウィルス性の病気もあるのでワクチンの接種が必要になります。

便秘

・症状と原因


老齢の猫は、運動力も低下する為に、腸の運動力も低下し便秘をする事があります。老齢の猫ではなく、まだ元気な猫が排便時に苦しそうに力んでいたら、重症の便秘か大腸炎による下痢があげられ、硬くて黒い便が出る時は病気が原因の便秘で、柔らかい粘液状の便に血液が混じっている(血便)があれば大腸炎が疑われています。又猫は毛づくろいをするので、その時に口から毛が入り、詰まって便秘を起こすこともあります。


便が堅いケースでしたら、便を軟らかくするような薬を使うことがあります。力んで出にくい場合は、少量の浣腸を行うこともありますが、出ないのに無理に使うと腸に損傷を起こすこともありますので気をつけてください。


骨折など狭窄がある、神経的な問題、巨大結腸症などの場合は、薬を使っても出にくい場合が多い重症である場合が多いです。このばあいは、鎮静、あるいは麻酔をして、直腸から指を入れて糞塊を少しずつ砕きながら除去していきます。


巨大結腸症、骨盤骨の狭窄などの場合には、外科的な処置によって、広がった腸を切除したり、狭くなった骨盤を広くする処置を行い場合もあります。事故や先天的な問題によって、便意が起こらない猫さんがおりますが、そのような猫さんでは、飼い主さんの手によって、定期的に排便させてあげるようにすると良いと思います。



・治療の方法


初期の便秘の場合は、繊維質の多い食事を取って、腸を刺激すると改善することもあります。乾燥した食事が多ければ、水分を十分取らせるようにします。便秘が起こるとネコは脱水症状を起こします。その為、点滴や皮下注射によって失われた水分を補給します。また、便をやわらかくする薬などを与えたりします。


普段から便の状態をよく把握している事が病気の早期発見にもつながり大切なことです。

腸閉塞

・症状と原因


腸管内容物が通過障害を起こすことを腸閉塞と呼びます。原因によりまして機械性イレウスと機能性イレウスとに分けられます。機械性イレウスは、骨折・毛糸・ラップなどを飲み込むことによって起こります。機能性イレウスは、細菌性腸炎・ウイルス性腸炎に続発して起こる腸管事態の神経麻痺によると考えられます。


症状は、腸の動きが妨げられて、嘔吐が起こります。閉塞の程度が激しければ、元気消失・食欲低下になります。腹痛・排便の途絶が起こり衰弱が激しくなります。



・治療の方法


外科的手術によって腸内から異物を除去します。また、閉塞している部分が特定できないときは内科治療を優先する場合がありますが、ほとんどの場合は緊急を要するので開腹手術で体内の状態を確認することが多いです。

巨大結腸症

・症状と原因


猫の便秘は、比較的多いです。老齢の猫や衰弱した状態、換毛期の長毛種に見られます。食事や環境の変化によるストレス、誤飲した異物や神経障害も要因となってきます。何度も排便をしようとしますが便は出ない状態が続き、重い便秘の症状が現れます。


先天的な障害が多いと考えられています。巨大結腸症は、長期にわたり便秘の状態が継続してしまい、結腸の弾力性が失われて異常に太くなった状態をいいます。


事故による骨盤狭窄や上皮小体機能亢進症による骨盤発育不全による通過障害からも起こります。続発的巨大結腸症という慢性便秘を起こしてしまいます。


排便姿勢をとっても粘膜・軟便が少しだけ出るだけだったり、下痢と間違えるケースもあります。尿の出ない尿閉との選別が必要となってきます。力んだ時に、嘔吐する時もあります。猫を横に寝かせ腹部を触ると糞塊が触れる事ができます。また、母親のいない子猫では、便が出づらい状態になることがあります。



・治療の方法


便の太さが骨盤の広さを超える多く、その場合多量のかん腸液を肛門から結腸内に入れて便を柔らかくした後、おなかの皮膚の上から大きな便の塊を、指を使って少しずつ崩し同時に肛門から指を入れて少しずつ便をかき出します。 母親のいない子猫の便秘は、肛門を刺激してあげれば排便することがあります。


食事管理が大切になってきます。特に食物繊維の多い食事は、便のボリュームを増し、大腸の働きを活発にしてくれます。毛球から起こる便秘には、専用の薬剤が市販されております。子猫にグリセリン系の浣腸は、脱水症状になって危険ですので注意を要します。

耳ダニ症(耳疥癬)

・考えられる原因


ネコが耳を必要以上にかゆがったり、後ろ足で引っかいたりしていたら注意が必要です。耳垢に微細なダニが寄生して耳孔内の炎症やびらん・あるいは耳の周囲に爪による引っかき傷を作ります。モロモロとしたチョコレート色の耳垢が沢山付いていますし、耳垢や耳の中の壁を良く観察すると1mm位の白く透けるようなダニが多数動いているのが観察されます。


ダニが寄生しているネコとの接触によって感染することが多く、特に幼ネコの感染率が高いです。



・治療の方法


耳アカをきれいに清掃する必要があり、かゆみが強い場合は消炎剤などでかゆみを抑えます。耳孔内を掃除して殺ダニ剤を塗布します。ミミダニが寄生していても無症状のことがあります。他にも猫・犬を飼っている時には、検査を必ずしてあげてください。