猫の病気いろいろブログ -6ページ目

脱臼

・症状と原因


関節がずれたり、はずれたりすることを脱臼と呼びます。高い場所から落ちたりします時の衝撃などで起きる事が多いようですが、交通事故などで大きな力が加わった時などは、周辺部位の靭帯・腱などが切れたり、骨折を伴ったケースより重い症状になります。


症状は脱臼が起きた場所とその程度により症状が違います。肘や膝、股関節、手首や足首などの関節で脱臼が起きた場合は、脚を浮かせたり・少ししか脚を付けないようなこともあります。明らかに脚が不安定にぶらぶらしているような症状が出ることもあります。患部は熱を持って腫れることもあり、このような場合は痛みもひどい状態になります。


症状は外傷が無い場合、見つけにくいので注意が必要です。猫の脱臼は人間と違って 外れたらはめれば治るというものではなく固くて薄い膜を骨が突き破ってしまった状態なので 無理にはめてもすぐに外れてしまいます。



・治療の方法


治療は脱臼の程度や場所によって変わりますが、猫の四肢の脱臼では、ほとんどの場合、整復を行うために全身麻酔をかける必要があります。猫の場合ですと処置後にギブスがかけられないことが多いのでゲージに入れて運動を制限するなどの充分なケアが必要になってきます。


脱臼は偶然に起きることが原因となることが多いため、予防することは困難ですが、普段から周囲の環境に注意してあげて予防しましよう。

骨折

・症状と原因


交通事故や高い場所から落ちたりすることで、強い衝撃が原因になることがほとんどです。原因により四肢にだけ骨折が起きるのではなく、骨盤・背骨・頭の骨を骨折をしてしまい、他の臓器などが損傷を受ける事があり注意が必要です。


症状は猫の状態にもよりますが、四肢が骨折した場合、脚を全く地面に付けられなくなることが多いようです。猫では特に後肢の筋肉が発達しているため、骨盤・大腿骨の骨折の場合では、骨折したままでよろよろ歩いてしまうこともあり、骨折と気づかないまま治ってしまうこともあります。



・治療の方法


程度にもよりますが、通常は外科的手術によって骨を整調し固定します。折れてしまった骨が完治するまでは最低1ヶ月は掛かるのでその間は飼い主の管理が重要になってきます。猫の場合ですと処置後に、ギブスがかけられないことが多いのでゲージに入れて運動を制限・外出の制限などきちんとして充分なケアが必要になってきます。


飼い主さんが普段から注意して事故を防ぐように心がけてください。また食事が偏らないように注意し、とくに若い猫はでは骨が弱くならないように気をつけるようにしてください。

交通事故によるケガ

・症状と原因


猫の目には、犬や人と比べると、視界が狭くて、獲物に集中しやすい性格です。そのため、車の接近に気づくのが遅れがちになります。車を見ていますと恐怖心から立ち止ってしまい、事故に遭遇しやすいです。冬季でしたら車のエンジン付近が暖かくて、猫は好んで車の下や上にいるために事故に遭いやすいです。


交通事故の場合は事故直後にハッキリとした外傷があるときや、頭部を打ったときなどの後から後遺症が残るような場合とがあります。特に後者の場合はハッキリとした症状が無いことが多く、様子がおかしいときはしばらく観察する必要があります。


屋外での経験の少ない若い猫や繁殖期に雌を求めて移動する雄も事故に遭遇する機会が多いので注意しましょう。



・治療の方法


交通事故の場合は緊急を要するケガが多いため外科的手術が多いようです。ただし、消毒・抗生物質・点滴などの内科的治療だけで回復する場合もあります。


火傷

・症状と原因


ストーブの上に飛び降りた・煮え立った鍋に飛び込んだといった事故から、お湯をかけられた・薬品をかけられたといった人為的なものまでいろんな事故があります。


軽いやけどの場合は患部が軽く赤くなるだけなので、このときに処置をしてあげれば2,3日で治癒します。重度のヤケドの場合は患部に水疱ができ、皮膚の表面がはがれてくることがあります。原因は特に冬場のストーブや熱湯などによるヤケドが多いようです。



・治療の方法


猫の火傷は、大変治りにくいことが多くて、包帯や絆創膏などで傷の処置も外用薬も舐めてしまって使えないことからやっかいな病気といえます。ケロイドや無毛の傷跡となって残りやすく、深部に達する激しい火傷は潰瘍となりやすく、皮膚移植や足先のような部分では断脚を行なうことすらあります。


すぐに気づいた場合は患部に水を吸わせたタオルなどを10分程度付けてあげます。重度のヤケドの場合は濡れたタオルにくるんであげて直ちに獣医のもとへ行き治療することが重要です。

熱中症(日射病)

・症状と原因


温かい場所を好む猫でも、長時間さらされていますと熱中病になってしまいます。症状は呼吸が苦しくなり、苦しげにゼーゼーと口を開けあえぎます。高温の季節に、直射日光があたる部屋や車などを密閉した状態にしていた場合や、狭いゲージの中にいれられたストレスなどにより誘発されることが原因としてあげられます。


熱中症は主に3つの分かれております。 熱けいれんは、水分の過剰補給により血液の塩分が薄くなり、塩分が不足して生じてしまう脱水症状による筋肉の痙攣です。 熱疲労では、水 塩分の両方とも不足する状態で嘔吐や痙攣が見られます。意識障害は生じません。


熱射病は、熱中症の中で最も重症な状態です。体温が異常に高温となり体温の調節が出来なくなる状態です。熱けいれんと熱疲労は早期に適切に治療されれば命に別状はありません。熱疲労は放置した場合は熱射病へ移行するため注意が必要です。熱射病は非常に危険な状態で救命率も非常に低くなります。



・治療の方法


まず体温を下げる事が重要です。そのためにネコを涼しい環境に置き、冷やしたタオルで体を包んであげたりします。ほとんどの場合は前記の処置で落ち着くことがおおいです。ただし、体温と血圧に異常があり続ける場合は点滴や他の内科的治療を行うこともあります。

白内障

・症状と原因


白内障は俗に「白そこひ」ともいわれ、水晶体(レンズ)が白くにごってしまう病気で、光が網膜に達しにくくなるため見えにくくなってしまいます。外傷性、糖尿病性老齢性などが原因として挙げられますが、猫ではヒトや犬のような老齢性のものは少なく外傷性のものが多い。


眼の表面が白くなってくると目立つので、これを白内障と言われる方が多くいるが、これは角膜混濁という病気で、白内障とは、瞳孔の奥にある水晶体というカメラのレンズにあたる部分が、白く濁ってくる障害。痛みもなく徐々にくるので、飼い主さんは気がつきにくい。


5歳以下の若年性白内障と、それ以降の老人性白内障に分かれるが、犬の場合のほとんどが、程度の差はあれ、この障害を起こす。少しずつ視力が落ちるので、夜の散歩の時など、物にぶつかりやすくなったら要注意。遺伝的素因による白内障は猫では、稀で外傷・眼内炎・緑内障など眼疾患に続発するものがほとんどです。

理由は、はっきりしないが、代謝異常よりタンパク質が変性を起こすためといわれる。まず、初発の時に進行を抑えるのが大事。



・症状と原因


薬で水晶体の白い濁りを取り除くことはできませんが、進行を抑えることはできます。また、手術によって水晶体を摘出する方法もありますが、完全に見えるようになるわけではありません。また、水晶体が原因となって眼内炎を起こす時があるので、脱臼した水晶体は摘出した方が安全です。

眼瞼内反症

・症状と原因


上あるいは下眼瞼が内側へ内側へ内転した症状です。眼瞼内反はまぶたのふちが眼球の側に折り返されてしまう状態のことを言います。その為に目をこすったり、常に涙が出ていまして、つねに涙が出て、目頭の下の毛がぬれていたり、目やにがついています。


ふつうは結膜炎やまぶたについた傷跡が縮むことによって発症しますが、ペルシャネコに関しては先天的なものが原因になっているようです。後天的には、ケンカなどによる外傷に起因します。



・治療方法


手術によって矯正可能です。軽い症状の場合は点眼液などで処置をしますが、一般的には内反しているまぶたを手術によって外側に出し、角膜への刺激を取り除いてあげます。

緑内障

・症状と原因


眼房内は房水で満たされており、この水は前房内を循環して角膜と虹彩の隙間から眼球外へ排出されます。この水が何らかの理由で排出が阻害され、前房圧が上昇した状況を緑内障といいます。猫は隅角が広いために緑内障にはなりにくいと考えています。猫の緑内障は眼疾患で腫瘍・眼内炎などが続発するものがほとんどです。

軽度の場合に関しては特に目立った症状は見られません。しかし、病状が進行していくとさまざまな症状が現れます。特徴的な症状としましては瞳孔が開きっぱなしになる「散慟」と言う現象が起こります。


本来ネコの瞳孔は明るい所では細く閉じていますが、緑内障になると大きく開いたままになってしまいます。何らかの理由で角膜の後ろにある液体(房水)の分泌と流出とのバランスが崩れて房水が増えてしまうと眼圧が高くなりその結果、緑内障が発症したりするのです。



・治療方法


房水の量の調整をするため、炭酸脱水素酵素阻害薬・縮瞳薬などで眼圧をさげるようにします。時には、眼球摘出などの手術を行う場合もあります。急性緑内障は内服・点眼でコントロールされます。

結膜炎

・症状と原因


結膜は外界と接するため様々な原因により炎症を起こします。猫の多くは、ネコウィルス1型の感染によるものです。この病気は通常両眼性にみられ、子猫から成人した猫まで年齢に関係なく感染します。主にまぶたの裏側が炎症を起こす。


結膜炎には急性と慢性の2種類があって、目ヤニや浮腫みの状態によって振り分けられます。両目に症状がある場合にはウィルス感染が疑われます。ネコの目に対して何らかの不必要な刺激(砂ぼこり・細菌やウィルス)がある場合に発症します。



・治療の方法


クラミジヤや細菌の混合感染を起こすこともあり、完治しにくい病気ですが、結膜の細胞診・培養などで治療の方向を決めて行きます。病気に掛かった猫を洗眼後、点眼液を投与しますが、原因を調べ治療法を選択します。ワクチン接種で予防することが可能です。

角膜炎

・症状と原因


目の表面を覆っている角膜が傷つくと炎症を起こします。症状は、目を痛がり涙が出ます。光が眩しいので目ヤニ・瞬きが増え角膜は白く濁りがちになります。角膜炎を引き起こす原因は外因性と内因性のどちらかで、外因性の場合はほこりや異物、事故やケンカなどが挙げられます。


内因性の場合なら、床材などによる刺激や細菌または真菌の感染が原因で起こってしまいます。角膜炎を起こすと、前肢や床に目を擦ったり、あるいは涙目などを頻繁に目を開けたり閉じたり、または目を閉じたままに過します。また目を擦ることにより、角膜が傷ついたり、眼の周りが腫れる症状を併発することもあります。



・治療の方法


まず洗眼してから、外因性の場合は目に入った異物を取り除くなどの処置をします。内因性の場合は症状や原因に合わせて点眼液や抗生物質などの処置をします。ただし、人間用の目薬は使用してはいけません。


目ヤニや目のまわりの汚れは、気づいたときにすぐに取り除き、つねに目の清潔を心がけることが大切です。