ただひとつ完璧なこと。
先週のおはなし。
あっという間に1週間前の出来事になってしまいましたが、People in the Boxのライブに行ってきました。
せっかく東京にきたのだから見に行きたいなと思いながらもなかなか機会がなく東京で初めての参加になりました。
10数年前、天神ビブレホールでゆいくんのバンドの対バンだったことでPeopleを知りました。
すごいバンドだなぁと思っていたらあっという間に上京して残響からデビューして、それから10年間次々に素晴らしい作品を出し続け輝き続けてきたPeople。
間違いなくこの10年で一番聞いてきた日本のバンドで、ずっとずっと大好きでした。
同じステージに立っていたなんて考えられないくらいにね、ただのファンだよね。
何をどう語ったら伝わるのかわからないくらい、誰にも似てない唯一無二の音楽で、本当に大好きな曲ばかりなんです。
いつも聞くたびに心をえぐられるんです。
曲構成やアレンジが秀逸とか、演奏技術がすごいとか、歌詞が独特とか、それはもちろんそうなんだけど、そんな言葉じゃこのバンドを的確に伝えられなくてね。
ただこの音が流れるたびに、たとえば孤独を感じたり、自分の浅ましさを恥じ入りたい気持ちになったり、生きている悲しさのようなものを突き付けられたり、気づかずに蓋をしていた感情があふれ出てどうしようもなく泣きたくなるんです。
ひさしぶりに見たライブはホントに素晴らしくて楽しかったです。
大好きな曲が聞けて、CDとは違う生演奏に感じることもたくさんあって、ただその姿にかっこいいなと思ったりもして。
懐かしい曲も新曲も、いろんな色があるのに全部Peopleで、聞き惚れて口ずさんで、ホントにステキな時間でした。
でも一番突き刺さったのは終盤でのボーカル波多野くんのMCでした。
この10年どんな風に音楽してきたかというお話でね。
「音楽しかないから」という言葉は時に嘘くさく聞こえてしまうこともあるんです。
そう、ありふれたといえばありふれた言葉かもしれない。
わたしがひねくれているだけかもしれないけれど、誰かの言葉を聞いてはかっこつけているだけだろ、嘘だろと思ってしまうんです。
この日の波多野くんの言葉ほど真実味を持って自分に刺さったことはなかったです。
「この10年間、嫌なことはひとつもしてこなかったから、僕たちは傷一つないつるつるだから」、その言葉を聞いてとても苦しくなりました。
それが本当のことだってすごくよくわかるんです。
10年間ずっと聞いてきたから、デビュー前から変わらない真摯な気持ちでただひたすらに音楽に向かってきていたことがものすごくよくわかるんです。
だからずっと大好きだった。
だからいつも感動したし、心を揺さぶられたんです。
次はどんな音楽なんだろうっていつも楽しみだったし、いつも期待通りだったし、期待以上だったし、期待を裏切られたし、完璧だったんです。
そして自分はどう生きてきたのかと苦しくなりました。
わたしも同じ年月だけ音楽をやってきたのだから。
でもわたしはそうやって真っ直ぐに言うことなんてできないです。
それを認めるのはとても辛いことだし、みじめになんてなりたくないから取り繕ってしまいたくなるけれど、この波多野くんの言葉に認めざるを得なかったです。
そしてたぶん今認めなければならないと思いました。
わたしはそんな風に生きてくることはできなかったんです。
だからわたしはいまここにいるんです。
一緒に行ったゆいくんも同じように感じていたようで、なんとも言葉にならない気持ちと夢みたいに美しかったライブでの音の余韻をかみしめて東京の長い帰り道を辿りました。
思春期のような自己否定を抱えたままでは大人になれないから、いつしかそういう感情は消え、自分への言い訳が上手になっていくものかもしれません。
あのひとは天才だったから。
たまたまチャンスに恵まれたから。
そうじゃない、自分は楽しくやれればいいということに気付いたから。
仲間と過ごすちいさな世界が好きだから。
それもひとつ真実だろう。
でも、目を逸らしたくなる現実をわたしはいま認めたいんです。
あんな光あふれるステージに立ちたかった。
たくさんのひとの心を揺さぶるミュージシャンになりたかった。
それは才能やチャンスのせいじゃなくて、わたし自身のせいなんだ。
きらきらした感情も、この息苦しさも、ものすごい衝撃を心に残してくれました。
まだこの衝撃をきちんと受け止めきれてなくていまだ悶々としたままだけれどね。
どうであれPeopleの音楽が大好きであることは確かな事実なので、ライブに行けて素晴らしい時間を過ごすことができてよかったです。
そんなすべてを含めてやっぱりホントに大好きだよ。