カッサフォルテ犬猫コラム -14ページ目

新しい糖尿病の薬8

前回からの続きです。

最初はこちら)

 

糖尿病になると、体全体で見ると高血糖なので栄養があり余っているように見えますが、
細胞レベルでは目の前に糖があるのに取り込むことができず栄養不足になってしまいます。
周りに糖があるのに糖が足りないというおかしな事態になってしまうのです。
ここでセンベルゴを使うと余分な糖が尿の中に捨てられて血糖値は下がります。
検査の数値だけを見ると糖尿病が改善したように見えますが、
細胞が陥っている栄養不足の状態は何も改善されていません。

これが1型糖尿病にセンベルゴが使えない理由です。
使えないというか状態をさらに悪化させてしまいます。
細胞が栄養不足に陥っている状態が続くとケトアシドーシスという大変な事態になります。
これは直ちに積極的に治療をしないと生命にかかわる事態です。

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新しい糖尿病の薬7

前回からの続きです。

(最初はこちら)


糖尿病というと高血糖があって尿に糖が出る病気というのが一般的な認識でしょう。
血糖値を下げるホルモンがインスリンなのですが、
これが足りない、あるいは効かないせいで起きてくる病気です。

インスリンは血糖値を下げるというのは皆さんもご存じだと思いますが、
どうやって下げるのかまで知っている方は少ないのではないでしょうか。
細かいところは省きますが、インスリンは血液中にある糖を細胞の中に取り込ませる働きをします。
こうして血液中の糖が細胞内に移動することによって血液中の糖が減る、
つまり血糖値が下がるわけです。
血糖値はものを食べたりすると簡単に上がります。
健康な状態ならば血糖値が上がるとインスリンが出て上記のような働きをして血糖値が下がります。
糖尿病になるとインスリンが出せなかったりうまく作用しなかったりで血糖値を下げられません。
血液中の糖を細胞の中に取り込ませることができないからです。

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新しい糖尿病の薬6

前回からの続きです。

最初はこちら)

 

このように画期的なお薬ではありますが残念ながらワンちゃんには使えません。
全てのネコちゃんで有効というわけではなく使えないネコちゃんもいます。
その理由は糖尿病の種類にあります。
聞いたことがある方も多いでしょうが、糖尿病には1型と2型があります。
1型は膵臓の一部が壊れてインスリンを分泌できなくなるタイプで
2型はインスリンは分泌できるけど量が足りなかったり
うまく効果が出なかったりするために起こるタイプです。
ワンちゃんの糖尿病のほとんどが1型でネコちゃんは2型が多いのです。
センベルゴは2型糖尿病に使えますが、1型には使えないのです。
ですから1型がほとんどのワンちゃんと1型のネコちゃんには使えません。
これはセンベルゴが効かないからというわけではありません。
1型糖尿病のネコちゃんに投与しても血糖値は下がります。
ワンちゃんでの使用は想定されていないので恐らく研究はされていないと思いますが、
恐らくワンちゃんに使っても血糖値は下がるでしょう。
ただ1型糖尿病の子の血糖値だけを下げても問題は解決しないのです。
ん???糖尿病の治療の目的は血糖値を下げることでは?
とお思いでしょう。
この疑問を解決するには糖尿病がどんな病気かというところから説明しなければなりません。

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