ポップ・ミュージックのトリコ -137ページ目

ポップ・ミュージックのトリコ

流行音楽を聴きながら、人生を音楽で豊かにしたいと願う、私的でミーハーなブログです。

2010年代の特選アルバムの2017年までのアップデート版です。

この一年は音楽の主流が20年ぶりに大きくR&B/HIP HOPにの方向に振れて、90年代以来の大流行となりました。

ここには、フィジカルセールスでは弱いこのジャンルが、ストリーミングでは非常に強いという特性が大きく関係しているでしょう。

EDMもどんどんこの流行に向かってシフトチェンジをしてゆき、オセロがひっくり返ったようにシーン全体が黒色にに塗り替えられてゆきました。

思えば80年代にやはり同じようにR&Bが死に絶えかけたときのように、00年代も衰微の一途をたどり、いくら洗練される流れが起きようとも、今度こそメインストリームへの復活はないものと諦めてさえいたのですが、まさに奇跡の復活です。

業界全体が活気づいてきているのと同じタイミングでの流行なのでしばらくはこの傾向は続きそうです。

そんな2017年を終えてのセレクションです。

対象は2011~17の期間に発売されたアルバム。

いつものとおりまずはポピュラリティのあるものから。

①『21』Adele(2011.1.19)

"Rolling in the Deep"


②『Pure Heroine』Lorde(2013.9.27)

"Royals"


③『Beauty Behind the Madness』The Weeknd(2015.8.28)

"The Hills"


④『views』Drake(2016.4.29)

"Hotline Bling"


⑤『Culture』Migos(2017.1.27)

"Bad and Boujee" (featuring Lil Uzi Vert)


Migosを入れました。
ここは今後も入れ替えが激しくなりそう。
Lemon ” 米津玄師
Suchmosの登場を分水嶺にして時代の音の主流が変わろうとする中、もう一人、時代の開拓者が日本のポップ・ミュージックの代表者として歩を進めてきました。
これまではどこかで”ネットから登場した”という接頭語がつき、どこかサブカルチャーやオルタナな世界に身を置き、ポップ・ミュージックの本流という、輝かしくもありふれた世界からは距離を置いていたようにも思えましたが、とうとうドラマ主題歌という王道のステージに足を踏み入れてきました。ものの価値とはその希少性できまるという定義からすれば、ポップ・ミュージックの本流に身を置くということは、多くの人にその存在を知らしめ、全国津々浦々にまで影響を及ぼす機会を得ることになる一方、どんどん希少性が薄れ、価値が棄損してゆく蟻地獄のような世界でもあります。
そこから逃れる唯一の方法は、人々の期待値を超え、共感を呼ぶ曲作りに挑み続けること。
その世界の旗手のバトンを、これまで受け継ぎ、もがきながら自分たち自身の時代の音を発明し続けてきた先人たちから、いよいよそのバトンを受け継ぐ覚悟をしたということでしょう。
称賛と同じかそれ以上に批判にさらされる世界に身を置き、時代がうつろいゆく中で、それでもポップ・ミュージックが人々の生活を彩り豊かにするものであるように更新する。
そんな大きな挑戦を引き受けた彼が出した作品は、渋い曲調ながら、非常に完成度が高く、それなのにまだどこかに甘酸っぱさも感じる不思議な感触。
この酸っぱさを多分に残しながら熟してゆく彼の今後が楽しみでなりません。

米津玄師


1位 "This is America" Childish Gambino
produce:D.Glover, L.Goransson
こんなカオスなPVを作って、”This is America”ですからもうそれは当の米国では異常な反応をもって迎えられています。
年末に予定されている彼のラストアルバムはこれで嫌が応にも相当な注目が集まることになること必至です。
個人的にはちょっとToo Muchな感じで曲そのものとしてはもう少し整理してほしかった気もしますが、そんな所も含めての混沌とした米国を表現しているのでしょう。

2位 "Nice for What" Drake
produce:Murda Beatz, Blaq N Mild

3位 "God's Plan" Drake
produce:Drake

4位 "Psycho" Post Malone feat. Ty Dolla $ign
produce:Post Malone, L.Bell

5位 "Meant to Be" Bebe Rexha & Florida Georgia Line
produce:Wilshire



Childish Gambinoの"This is America"が1位に。


今週のピックアップ

"Dame Tu Cosita" El Chombo
パナマ出身のアーティスト兼プロデューサーのEl ChomboことRodney Sebastian Clark Donalds。
ピコ太郎なんかと同類になるのでしょうけど、古くは"Witch Doctor"のDavid Sevilleなど、この種のヒット曲はチャート史を賑やかに彩ってきた事実は見逃してはいけません。
ポップ・ミュージックは時代の徒花。突然現れて燦然と輝いたと思ったらあっという間に消えてゆくからこそ、桜や花火のようにみんな夢中になって楽しむのでしょう。

"Overdose" YoungBoy Never Broke Again
弱冠18歳のラッパー、YoungBoy Never Broke Again。
一時期はこのテの新人ラッパーが一発ヒットしても、もう2度とチャートに登場しないケースが多かったのですが、ここ最近のヒップホップ復権の波のおかげで、消えずに二の手三の手が打てています。曲もどことなく90年代っぽいダークながらも緊迫感のあるトラックで癖になります。

"Done for Me" Charlie Puth feat. Kehlani
ウヒャー!!!
大好きなワム!~ジョージ・マイケル風のトラックで、もうそれだけで大興奮。
この人は白人版ブルーノ・マーズともいうべき、わざと流行のサイクルとずらしたポップな曲をリリースしてリスナーをトリコにしてしまいます。
一歩間違えばダサくなってしまう奇策なはずなのに、結局やられてしまうんですよね。
ズルいといえズルいんですけど、たとえば流行遅れの服をそう感じさせずに時代の雰囲気とは違う別次元のところで成立させて着こなしてしまうというのは相当なセンス。
ここではKehlaniまでフィーチュアして「これでどう?」とほくそ笑むチャーリーの顔が思い浮かびます。
勿論アルバムは買いました。
彼には脱帽です。

"Gucci Flip Flops" Bhad Bhabie feat. Lil Yachty
当ブログでは度々取り上げているBhad BhabieことDanielle Bregoli。
徹底的に”全米の保護者から最も嫌われているティーンエイジャー”の立場を貫き通す姿勢には気持ちよいまでの潔さを感じます。

"Mercy" Brett Young
昨年にリリースされたファースト・アルバムからこれで4曲目のヒット。
とはいえほとんどは一昨年にリリースされたEpからのヒットだったので、アルバムから、というとこの曲が1作目のヒット。
カントリーといってもほぼシンプルなピアノ伴奏をメインに最後まで聴かせ切るという70年代のヒット曲のような作品。