ビルボード・チェック(2・21) | ポップ・ミュージックのトリコ

ポップ・ミュージックのトリコ

流行音楽を聴きながら、人生を音楽で豊かにしたいと願う、私的でミーハーなブログです。

1位 "DTMF" Bad Bunny

produce: MAG, T.Spry, SCOTT, JULiA LEWIS, La Paciencia

 

2位 "Baile Inolvidable" Bad Bunny

produce: MAG, La Paciencia, Big Jay, Julito, Elikai

 

3位 "Man I Need" Olivia Dean
produce: Z.Nahome

 

4位 "Choosin' Texas" Ella Langley

produce: E.Langley, B.West, M.Lambert

 

5位 "Nuevayol" Bad Bunny

produce: MAG, La Paciencia, J.Barreto

 

グラミー賞受賞で一大旋風を巻き起こしたバッド・バニーがNFLのハーフタイムショーにヘッドライナーで出演しての押上効果で1位に。

最近の彼はレゲトンというジャンルでは縛れないラティーナの血肉に根差した音楽を創作しています。

こういう役回りはかつて数年前までは米国のヒップホップ勢が展開していたはずですが、この曲を聴くと、いかに今のヒップホップがまだ失地回復の途上であるかを痛感します。

米国においてのNFLの凄さとバッド・バニーの凄さの両方を見せつける出来事です。

 

今週のピックアップ

 

"Voy a Llevarte Pa PR" Bad Bunny

バッド・バニー、もう一曲いきましょう。さすがグラミーの最優秀アルバム賞を獲得しただけあって、『Debi Tirar Mas Fotos』はいい曲がそろっています。

 

"Two Six" J. Cole

ニュー・アルバム『The Fall-Off』のリリースに伴いランクイン。

彼は本作をもって引退を宣言していますがその覚悟もうなづける素晴らしい作品。

バッド・バニー旋風が吹き荒れる中で、ちょっと地味な感じのリリースとはなっていますが、私はこのアルバムを聴いてすぐに気に入ってすでにヘビーローテーション中です。

 

"Poor Thang" J. Cole

Jコールは作品によってムラがあって、大好きなアーティストであるにも関わらず好きじゃないものも結構あるのですが、このアルバムはホント好きな感じのが多いです。この曲も彼らしいサンプリング曲のセンスが最高です。

 

"Dracula" Tame Impala

先日テーム・インパラのこの曲がラジオから流れてビックリ!

嬉しいですね。キチンとポップなテイストに仕上がってるので日本でもしっかり流れてほしい曲です。

 

"Old Dog" J. Cole & Petey Pablo

我慢しきれずもう一曲紹介。いやいやホント彼もベテランの域に達してきて、これはとても丁寧に作られた作品。外連味なくシンプルながら研ぎ澄まされたトラックを使って往年の名曲であるかのように仕上がっています。

 

"Til' You Can't" Kid Rock

バッド・バニーがヘッドライナーを務めたNFLのスーパーボウルのハーフタイムショーについて、ラティーノをヘッドライナーにしたことに不満を持つ人々がいて、その受け皿として、そのハーフタイムショーの裏番組として開催された”オール・アメリカン・ハーフタイム・ショー”。日本では紅白歌合戦の裏番組としてバラエティー番組やら演歌を中心とした歌番組やらが放送されますが、マーケティング的には似た発想なのでしょう。ただ、こういう”ヘイト・エコノミー”を狙ったビジネス”は人の心のネガティブな部分に訴えかけるビジネスでああるのでやっぱり難しいでしょうね。

かつては国民的番組に出ないのは若い世代のロッカーとか、フォークシンガーでしたが、この企画では逆にベテランのアーティストを中心に結集していました。いまや本流に反旗を翻すのはベテラン側。日本での最近の選挙しかり、世の中では主流と反主流の構成がずいぶん変わってきたものです。というか、かつての反主流を掲げていた人たちが今も反主流を訴えているのかもしれません。

さてこのおっちゃんたちの反乱のライブで人々の関心をさらったのはKid Rock。

何でもラッパー(ミクスチャー・ロック扱いだったかな)だった時の往年のヒット曲"Bawitdaba"のパフォーマンスでリップシンクがうまくいかず歌声と唇の動きが完全にズレているという様子が拡散してしまうという事態に。

まあ、私は生音ライブ至上主義ではないので、できればいい音で聴きたいから、ヘボい感じのパフォーマンスになるくらいならいいんとちゃうかな?って思うんですけどね。だってもう54歳の彼にこうした歌を生で歌わせてもアカンでしょう。そもそも元の音源自体かなりのオーバーダブなのでライブでの再現自体そもそも不可能な類い。

それよりもコーディ・ジョンソンの曲のカバーである"'Til You Can't"は現在の彼のちょっとしゃがれた感じのヴォーカルがいい感じで、このライブのトリに歌われたのも納得です。まあ、この騒動はヘイト・エコノミーに対して違和感を覚えた人々の矛先が彼に集中したという事件ということでしょう。

個人的には、民族の多様性に対抗する思想の多様性は”認められない危険な”多様性として封じ込めていいものかとか、閉鎖的な世界での吊るし上げに対する閉鎖的な世界での吊るし上げとか、正しいこととは何か?を人間が分かり合えないことの根幹を象徴している珍事に思えます。

いや、こんなことを言っていてはアナーキストか竹林の七賢に なるぐらいしかないから、それは駄目だよな。

 

さてこのKid Rock、一世を風靡したときからなんともトキシックなアーティストとしてあっという間に表舞台から消えてしまいましたが、私は"Picture"というシェリル・クロウとのデュエット曲が大好きです。

うまくいかない二人が別離の道を選ぶ歌かと思ったら最後はヨリを戻すために電話をする決意を双方がするという歌詞。

キッド・ロックとシェリルが最後に声をあわせて曰く

I swear I'll change my ways
I just called to say I want you to come back home
I just called to say, I love you come back home

私が今聴きたいのはこの歌かな。

 

今週はこのあたりで。