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賃貸アパート・マンションの生活で、損をしないために知っておいた方がよい知識

宅地建物取引主任者として、バブルの時代から不動産業界に関わってきた経験から、お部屋探しから引越しまでの、知らないと損をしてしまうの知識などをわかりやすくご紹介していきます。また、日常のことや他愛もないことも交えて、堅苦しくないブログにしたいと思っています。

オフィスの移転の際に、必ず伴うのが原状回復義務です。


オフィスの原状回復のほとんどの場合は、壁及び天井クロスの張替え、床がタイルカーペットの場合にはその張替えが最低でも必要になります。


また、独自で間仕切り壁やパーテーションを備え付けた場合には、その撤去及び産廃の処分、設置跡の修繕などの必要があり、一般的な原状回復費用の総額は安くても100万円以上となり、テナント側の負担は60~80%、多い場合には100%となるケースも多くあります。



賃貸アパート・マンションの生活で、損をしないために知っておいた方がよい知識
オフィスの場合には、予め部屋を壁で間仕切ってあり目的が居住のみとなる住居と違い、その会社ごとに配置や区分けが異なるためにどうしても原状回復費用の負担が大きくなることは仕方がありません。


しかし、原状回復費用はほとんどの場合大きく削減することが可能で、ケースによっては負担額の50%ほどに削減することも充分に可能となります。


当キャリープロで最近関わったオフィスの原状回復を例に上げれば、床面積30坪弱のオフィスで管理会社から出された原状回復費用は、総額120万円ほどでテナントの負担額は約60%の70万円弱でした。


キャリープロで管理会社との話し合いの上、解体作業及び原状回復作業の一部を行なった結果、テナント負担分は約40万円に削減でき、約40%強の負担減となりました。


管理会社、または貸し主から提示される原状回復費用は、多くの場合はかなり割高の見積りとなっています。


クロスやタイルカーペットなどの品番を確認し、ご自分で業者を探して見積りを取るだけで、かなりの費用が削減できることがお分かりになるはずです。


あとはその負担割合を管理会社または貸し主と交渉することで、多くの場合は最低でも2~3割、場合によっては4~5割以上の費用を削減することが可能です。


移転を行なう予定のある会社の社長様、ご担当者様は管理会社から提示される原状回復費用を鵜呑みにせず、削減できる部分は削減をして浮いた費用を会社にとって有意義な費用に回すことを考えてみましょう。


キャリープロでは、オフィス移転の物件探しから原状回復費用の削減までをサポートするサービスも行なっております。(ただし、現在は首都圏のみに対応しています)


毎月の賃料の削減、原状回復費用の削減をお考えの会社様はぜひ1度キャリープロにご相談下さい。

今回の記事も、このブログの趣旨とはかけ離れているかもしれません。

しかし、「損をしない」「理不尽な請求には強い気持ちで対抗する」「先のことをシミュレーションしながら手を打っていく」ということからは、このブログの趣旨にも通じるところもあると思いますのでご紹介をしていきたいと思います。

この経験は今から15年くらい前のことです。

インターネットも徐々に一般家庭にも広まってきて、多くの家でもパソコンを持ち始めた頃でした。

仕事上で知り合い、色々と仕事上の情報交換をしていたFさんから、ある日相談を持ちかけられました。

インターネットで募集されていた某ビジネスの代理店に登録し、登録料として30万円を支払ったのだが、その後ほとんど何もしてくれずに約3ヶ月が過ぎたということでした。

支払った30万円が完全に無駄になるので、できれば解約をして30万円を返してもらいたいということでした。

その会社はほとんど個人でやっているようなところで、社長個人が「ビジネス指導」的なことをやっている内容でした。

登録をすると様々なビジネスを紹介したり、そのビジネスの展開方法などを指導していくというような内容でしたが、登録後はほとんど何もせず、確かに30万円を支払う価値が無いようなものでしたが、別に強制的に登録をさせられたわけでもなく、本人の意思で登録したのですが、とりあえずは相手の社長に解約と返金の交渉をしようと思い、コンタクトを取ろうとしました。

しかし、会社の電話番号にかけてもいつも誰も出ず、会社も都内にあったため訪問したのですが常に不在という状況でした。

仕方が無いので、会社の社長の自宅宛に内容証明を送ることにしました。

送り主はもちろんFさんの名前で、私の方で書く内容をアドバイスをしました。

内容証明に書いた文章の内容は、「システムが広告とまったく違い、登録者に対して何のフォローもビジネスの紹介もせず、内容がまったくないので解約をし、支払った登録料の30万円を返金してもらいたい」と書いて送りました。

その後、すぐに相手方から反論の内容証明が届き、登録時の規定に登録料の返金を一切しないと記載してあることや、そのようなことを言うなら、反対給付として30万円を請求すると、意味不明の内容が書かれていました。

この社長のように、内容証明を送ったりすると逆上してしまう人が意外と多くいます。

その相手方の社長もおそらくそういうタイプだったのでしょう。

プライドが高く、ディベートやトラブルに負けることを異常に嫌い、反論してきた相手には徹底的に反撃をして相手を負かそうとするタイプの人でした。

この時点で下手をすれば訴訟まで見据えて相手に交渉していかなければいけないという考えを伝えたら、Fさんも同意をしてくれたので、その後再度こちらからも内容証明を送りました。

内容については、相手方から送られた内容証明に対しての反論と、改めて30万円の返金を求め、期日までに返金されない場合には司法手続きを行なうと書きました。

その後再度相手方からも内容証明が届き、負けずにこちらからも内容証明を送り、内容証明合戦のような形になりました。

3回目にこちらで内容証明を送る時に「最終通告書」として送り、これ以上の向こうの反論は一切聞かず、期日までに返金がなければ刑事・民事両面で手続きを行なう旨をFさんから相手方に送りました。

ここまで来ると、おそらく相手方も絶対に引くことはないと思い、Fさんは訴訟の準備をしていたのですが、意外なことに相手方からFさんが指定した期日に30万円の返金があったのです。

今までの相手方の内容証明の文面から、絶対にこのまま返金してくることはなく、訴訟をすることを覚悟していたのですが、意外な展開にFさんも喜んでいました。

おそらく、相手方は後ろめたい部分があり、Fさんの本気さが伝わり、脅かしではなく返金しなければ訴訟を本当に行なうと感じたのかもしれません。

脅かしだけなら反論していればそのうちFさんが諦めると思ったのでしょうが、Fさんは本気で訴訟を行なうと思ったので、実際に訴訟をされるとまずい事情があったのかもしれません。

このケースはある意味特殊なケースでしたが、敷金の返還のトラブルの際にも、その後の展開をシミュレーションし、本当に訴訟を行なうことも考えて相手方に接していかなければ、相手の出方によって行き詰ってしまいかねません。

敷金返還のトラブル、原状回復費用のトラブルになってしまった場合は、司法手続きまで発展した場合の事も想定しながら相手方に主張していくことで、本気さが伝わりこちらが望むとおりの結果が出る可能性が高くなると思います。
今回ご紹介をする判例については、いくつかのポイントがあります。

1、消費者契約法施行以前に契約し、施行以後に更新された賃貸借契約は消費者契約法の適用となるか?

2、自然損耗分を含む原状回復義務を借り主に負わせる特約について

3、貸し主が一方的に判断して借り主に指示する契約に、借り主が従わなければいけないか?

以上の3点が主なポイントですが、これらのことはブログや【敷金最大返還マニュアル】で何度もご紹介をしてきましたが、万一借り主と貸し主との間でトラブルになり、司法手続きまで発展した場合には、裁判所の判断は「客観性」「公平性」「明確性」が基準となるものが多いようです。

■事案の概要

借り主Xは、貸し主Yとの間で、下記の条件で賃貸借契約を締結しました。

・期間2年

・月額賃料6万5000円

・敷金20万円

この賃貸借契約には、明け渡し時の原状回復義務に関する特約として、

「検査の結果、貸し主(Y)が畳、襖、クロスとの他内装設備の修理・交換・清掃の必要があると認めて借り主(X)に通知した場合、貸し主の指示に従い、本物件を自然損耗も含めて賃貸借契約開始時の原状に回復しなければならない」

旨定められていました。

本契約は平成13年11月に当初の契約と同一条件で更新された後、平成15年3月に契約終了により借り主は部屋を明け渡しました。

借り主は、原状回復義務に関する特約が公序良俗違反または消費者契約法第10条違反による無効を主張して、敷金の返還を貸し主に請求する訴えを起こしました。

■消費者契約法施行後に更新された契約は、同法が適用される

裁判所の判断は、次のように述べて借り主の請求を認めました。

1、更新後の賃貸借契約への消費者契約法の適用

期間の定めのある建物賃貸借契約は期間満了により終了するから、更新後の賃貸借契約は、更新前の賃貸借契約とは別個の契約と理解すべきである。

よって、本件賃貸借契約の更新は消費者契約法の施行日(平成13年4月1日)以降であり、更新後の契約には消費者契約法が適用される。

2、原状回復義務に関する特約と消費者契約法第10条

自然損耗分も含む原状回復義務を賃借人に課す内容の特約は、民法の任意規定による賃借人の目的物返還義務を加重するものである。

また、本件特約は、原状回復義務の要否の判断を専ら賃貸人に委ねており、また、賃貸人が賃借人に代わって原状回復を実施した場合に、賃借人が負担すべき費用の額を予想することが著しく困難となっている。

よって、本件特約は、原状回復義務の発生要件及びその具体的内容について客観性、公平性及び明確性を欠く点において、信義則に反する程度に消費者の利益を一方的に害するものと認められる。

よって、本件特約は、消費者契約法第10条により無効と解すべきである。

■貸し主の一方的な判断で費用を負担させられる特約は、裁判で認められないケースが多い

この事例にあるような特約事項は特殊な内容ではなく、このような特約事項が定められている契約書となっているケースは多いと思います。

ほぼ貸し主の一方的な判断で原状回復の負担範囲が決められ、借り主はモヤモヤした気持ちを持ちながらも、貸し主からの「契約書に規定されていますから」という説明で反論もできずに、貸し主の言われるがままに原状回復費用を負担させられる借り主も多いと思います。

しかし、裁判所の判断の多くは、このような“事業者”が一方的に決められて“消費者”に負担を強いる契約は、“消費者の利益を一方的に害する”として、消費者契約法第10条により無効としています。

消費者契約法施行以前に最初の契約を行ない、施行後に契約更新を行なった場合には、消費者契約法が適用されるということは、以前の記事でもご紹介をしましたが、このように一方的に貸し主が判断をして借り主はそれに従わなければいけないような契約内容になっている場合には、この事例を参考にして貸し主に主張をしていきましょう。