書家 清水恵エッセイ『 ときどき書心 』 vol.19 | インテリア書道の専門店 & ギャラリー キャレモジ

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明治神宮前のギャラリーでは、インテリア書道・墨アートの作品販売のほか、額装(表装)も承っております。

お教室にいらしているエイコさん。

身延山、久遠寺さんの坊の奥さまで、その坊

のご住職でいらしたご主人を昨年の暮れに亡

くされました。

昨年の初めごろからご主人のお加減が悪いと

お聞きしていたのですが、とても残念です。

エイコさんは一昨年から京都芸術大学の通信

講座で書を専門的に学ばれ、この3月に晴れ

て大学卒業となられるのですが、その卒業制

作に「miracle」という英文字の大作を手がけ

られました。

一発勝負の仕上がりがとても躍動的で新鮮な

作品。ですが、その制作のお心をうかがって

涙してしまいました。

「miracle」つまりご主人に「奇跡」が起きる

ことを願っての作であったと。

奇跡が起きて病を克服し、元気になってほし

い一心の制作だったそうなのです。

額装マットもエイコさんご自身が墨染めで作

られてのオリジナリティに富んだ一作の完成。

ご主人さまのご冥福をお祈り申しあげ、エイ

コさんの今後のお幸せを願うばかりです。

 

 

miracle