書家 清水恵エッセイ 『 ときどき書心 』vol.7 | インテリア書道の専門店 & ギャラリー キャレモジ

インテリア書道の専門店 & ギャラリー キャレモジ

明治神宮前のギャラリーでは、インテリア書道・墨アートの作品販売のほか、額装(表装)も承っております。

中東戦争でパレスチナからエジプトに退避し

た日本人女性のインタビュー映像をテレビで

ご覧になりましたか? 

国境なき医師団メンバー、白根麻衣子さん。

テレビに映る顔を()の当たりにしながら、

「私、この人知ってる。どこで会ったんだろ

う? 名前も聞き覚えがある」

何度も顔を見るたびにそう思っていて、ふと

母校の中高で教鞭を執っていたときの教え子

ではないかしら? と思ったのです。

急いで、母校の学校関係者に連絡して尋ねた

ところ、やっぱりそうでした。

人懐っこい子でした。いつも私に、

「清水先生の黒板の字に癒やされるんだよね」

と、言ってくれていた中学生の白根さん。

きっとそれでよく覚えていたのです。みんな

のいいところを何か見つけては、誰とでも自

然に接することができる、そんな子でした。

だから、こうした世界を股にかけるような大

仕事に着いたのね、と「人」の天性の資質、

そしてそこから展開されるべき「人生」とい

うものを強く知らされる思いがしました。

 

 

作品タイトル: 「 遠く淡くなって行く 」