夕べは深夜まで横尾忠則さんの新作誕生の
現場に潜入するBS番組に釘付けでした。
横尾さん87歳。コロナ禍の1年間をアト
リエに籠もり、100点余りの新作を完成さ
せたとか。題材は「寒山拾得」。
寒山と拾得の2人は、中国唐代の脱俗僧。
寒山寺に伝わる風狂の詩人僧としての伝承を
持ち、古来水墨画の画題として禅宗寺院の画
僧によって多く描かれました。
髪はボサボサ、寒山は手に経巻を持ち拾得
は箒を持ち、そのそれぞれの表情はさまざま。
とりわけ狩野山雪が描いた寒山と拾得は顔
が何とも横尾さんによく似ている。(笑)
さすが横尾さんも脱俗? いや風狂ですな
あと思いきや、横尾さんが描き出す寒山と拾
得は色彩が実に若々しく瑞々しい。モノクロ
水墨画が突如カラー映像に変わる醍醐味あり。
それでも現場の横尾さんは筆を執りカンバ
スに向かうも「フウフウ」と息荒く。体力の
限界に挑みつつ、命を振り絞るかの制作。
その精神力を画面越しに頂戴しましたよ。
筆の究極、まさに精神と情熱ですなあ。
作品タイトル: 「 もうすぐ芽が出そうよ 」