活性酸素は
酸素から発生するのですが
その仕組みを考えるには
目では見ることのできない
分子、原子、そして電子のレベルで
見なければなりません。
学生時代の科学の授業のようになってしまうのですが
これらがどのように結びつくのかによって
活性酸素が
どれだけ酸化させる力が強いかが
決まってくるのです。
活性酸素の種類は多くありますが
その中でも特に代表的なものは
◆ヒドロキシルラジカル(フリーラジカル)HO•
活性酸素の中で最も反応性が強く、酸化力も強いので
体内への影響力が最も強い活性酸素。
スーパーオキサイドラジカル、過酸化水素から変化すると考えられます。
脂質、糖質、タンパク質と、周りにあるものを手当たり次第に酸化させるため
ガンや生活習慣病を引き起こし、老化を早める大きな要因とされています。
◆一重項酸素(非ラジカル)1O2
電子そのものは一応ペアになっているのですが、片側に電子が全く無い状態のため
常にその部分に電子を求めて安定しようとします。
つまり、電子を奪う力 = 酸化力が非常に強くなります。
紫外線や放射線(X線)によって皮下組織で大量に発生すると考えられています。
◆過酸化水素(非ラジカル)HOOH
スーパーオキサイドラジカルドが水の分子と反応して作られる活性酸素。
電子的には全てペアになっているので酸化力は大きい方ではありませんが、
わずかなきっかけですぐに酸化力の強いヒドロキシルラジカルに変化してしまいます。
オキシドールとも呼ばれ、殺菌、消毒、漂白剤として使用されています。
体内では抗酸化酵素のカタラーゼやペルオキシダーゼで水と酸素に分解されます。
◆スーパーオキシド(フリーラジカル)O2•-
体内で酸素分子から最初にできる活性酸素。
細胞内でミトコンドリアが酸素からエネルギーを作るときにできるものなので
私たちが生きていく上で必ず発生します。
そのため、大量に発生されますが、体への影響は他の活性酸素よりは少ないと
考えられています。
ただし、抗酸化酵素であるSODによって処理されると、過酸化水素になりますし
鉄イオンによってヒドロキシルラジカルになります。
※ 不対電子を持つ不安定な原子や分子をフリーラジカルという。
安定するために他の原子や分子から電子を奪って安定しようとする。
原子や分子の電子が1つ奪われると、その物質は 「酸化」 された という。
4つの活性酸素構造
質と血栓の医学 より
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