虎と鷹 | 時代の片隅で...

時代の片隅で...

70年代や80年代のレトロなものが好きです。
日々思うことを書いていきたいと思います。

みなさまごきげんよう

遂に話も終盤となりました
前回の続きになります


  登場人物


李氏派形意拳の達人


ゴユンシェン

(郭雲深)



八卦掌の達人で親友

チアンティンファ

(程延華)


劉一家総統で

鷹爪(ようそう)拳の使い手

リウレイ

(劉雷)



  動かぬ形意拳


ポタリ


ポタリ


引き裂かれた皮膚から

血がしたり落ちる



サムネイル
 

グゥ...フゥ...


リウの鷹爪拳は鋭い...



ポンツェン(崩拳)破れたり

終わりだゴユンシェン

お前をズタズタに

刻んでやるわぁ~!

 
サムネイル



後方に宙返りすると

リウは距離を縮めようと

走り出し


星空を背中に

上から飛びかかった




カシャン...








カシャン...







カシャン!











ゴユンシェンの体が
地を這うようにすべり
リウの背後を取った



サムネイル

なんだあの動きは!




?!消え?


グゥはあ!

 
サムネイル





ひとつの影が宙に踊った






サムネイル
 

フープウショウ

(虎撲手)



...という





サムネイル

リウの拳を

寸前でかわして後ろに?


超接近状態から半歩で

形意拳十二形拳の

虎形(こけい)のような技を...



一体?今までの

形意拳にそんな技が

あったのか?



あふれる血を吐きながら

リウレイは言った




崩拳でもない


虎形でも...ない


形...意拳、侮ったぁ...グファ



一体

ど...どこでそんな技ァ



 
サムネイル





サムネイル
 

事上磨錬

(じじょうまれん)


武術とて同じ事

獄の中でも運命を呪わず一途に

磨錬したまで


さらば...


※事上磨錬とは

明代の哲学者、王陽明氏の言葉で

日常一切これ修行

ふさわしくない環境の上でこそ

磨錬すべし


という言葉である




こうしてリウ一家の総統が倒れたことで
その後はホン達や手下達は
方々へ散っていった



  その後



ゴユンシェン(郭雲深)

その後1901年に

天寿を全うする81歳まで多数の門弟に

形意拳を教えたという

その門弟には



形意拳や八卦掌の流れを汲む太極拳


孫式太極拳



創始者

スンルオタン

(孫禄堂)






『半歩崩拳あまねく天下を打つ』

と郭雲深の崩拳を代名詞ごと

受け継いだ


シャオユンシアン

(尚雲祥)


がいたそうで


武術界のその後に名を残す

とてつもない英雄が
彼の弟子となったんですね



  半歩崩拳(はんぽぽんけん)


半歩崩拳とは

このような技だと伝わっています







郭雲深は貧しさから

非行に走った時代を経て

李洛能氏の教える

形意拳の門を叩くも断られました


その後三年

一筋に半歩崩拳を練習し

李先生に見せると


郭雲深は入門を許されました


それからはどんな技も

究極まで達したといいます


彼の数ある形意拳の技の中でも

特に優れたのが半歩崩拳で

対戦相手がみんな

郭雲深が半歩進むと

倒れたと言われています



郭雲深は民衆から

『半歩崩拳あまねく天下を打つ』

と称され人柄もよく

人気がありました



現代ではマンガのキャラクターとして

描かれるなど親しまれています











一人のおっさん


その筋では現代にも

あまねく天下に知られた達人でした

おしまいでございます



最後まで

ご覧くださって

ありがとう

ございました

( ˊᵕˋ🙏🏻 )




※写真などすべてお借りして

史実と実在した人物を元に

創作しました