再会のとき
酒場の2階は🏮に彩られ
さほど繁盛してはいなかったが
二人にとっては
落ち着きを取り戻せる
場所になった
ゴユンシェン先生
私はあなたがどんな人間か
知っているつもりです
幼い頃あまりの貧しさに
あなたは非行に走りました
そしてその後、形意拳の達人
リイノンラン(李能然)先生の所へ
何度も弟子入りを志願しましたが
断られました
3年後
塀の外から見て何度も練習した
ポンツェン(崩拳)を
リイノンラン先生見せて
弟子入りを許されたとか
チアンは椅子から降りて
膝をついて詫びた
形意拳
けいいけん
清朝末期
リイノウラン(李洛能)により
生まれた簡素ながら
実戦的で且つ
致命的な威力を兼ね備えた武術
形意拳とは五つの拳と
十二の動物を模した拳からなる
五行拳十二形拳が代表的である
一人のおっさん
いや
ゴユンシェン
実は形意拳の達人で
対戦相手をいつも半歩だけ進んで
倒してしまう
有名な武術家だったのです
久方ぶりの再会むなしく
酒場の階段をせわしく
上がってくる足音に
二人は視線を共にした
ゴユンシェンだな?
表へ出なよ
酒場の外へ出ると
空には北斗七星が輝き
夜風がサーッと流れていった
ゴとリウはお互いの体が全て
視界に入るほどの距離で対峙した
ジリ
ジリジリ
タッタッタッタッ
走りだし一気に距離を詰めると
ヒュウウウウ
と、跳び上がった!
恐るべし跳躍力
手を鉤(かぎ)のようにして
リウは襲いかかった
そのあまりの速さ
空を切り裂く
鷹爪拳
ようそうけん
相手に掴み掛かったら最後
その鉤のような指先に
力を集中し
肉を引き裂く鷹爪のような武術だ
ザキィ~!
と嫌な音が夜陰にこだまする
致命傷をかわしたが
服がまるで刃物で斬られたように
千切れ肌からは血が流れ落ちた
危機!
さらにリウは襲いかかる
右、左、右、両方から
そして下から上
鉤のような手で空気を切り裂く
ビシュッ
空を切る音が響き
なんとかかわしたものの
追い詰められた後ろの木の戸に
4本の線が付いていた
さあここまで形意拳の技は
ひとつも出していない?
なぜだなぜだ
なぜなんだ~っ!
この男の運命やいかに!
といった所で
残念ながら
お時間でございます!
次回、続きをお楽しみに!
※写真などすべてお借りして
史実と実在した人物を元に
創作しました