みなさまごきげんよう
お待たせ致しました
いえ
お待たせ
し過ぎたのかも知れません
さあ、前回の続きと参りましょう
ピンチの男!
二人のやくざに絡まれた
おっさんは
すーっと呼吸を整えると
腰を低くしてサッと
片手を前に出した
シーンと空気が張り詰め
緊張が走った
と、そこへ
カンカン、カンカン
ホンさんまさか
もめ事ではな....い?
ん?
これはこれは
誰かと思ったら
ゴユンシェン(郭雲深)先生
じゃないですか?
奇遇のついでに
久しぶりに
あれ見してくださいよ
ホンさん
今からこの人
面白いことやりますから
それで許してあげてくださいね
知り合いなんですよ~?
中華鍋!
おっさんはスーッと
改めて構えと呼吸を整えると
トン
拳が当たったと思ったら
乾いた音が鈍く短く鳴った
中華鍋の底に空いた
穴をのぞきながら
チアンは野次馬に問いかけるが
シーーーン
あまりのできごとに野次馬も
不気味がった
瞬く間に
リウ一家のホンと舎弟の二人は
後ずさりしながら
首をすくめて走っていった
達人現る
この二人は
しばらく疎遠ではありましたが
実は親友だったんですね
チアンさん本名は
チアンティンファ(程廷華)
と申しまして
程氏八卦掌
ていしはっけしょう
を後に創始する
八卦掌という武術の達人でした
優雅な舞いのような型とは裏腹に
非常に狡猾で
相手の動きに毒蛇のように
スルスル絡み付いて
投げ飛ばしたり急所を狙う
そして相手からの攻撃も
とらえようの無い千変万化する
動きで無効にしてしまう
龍の化身のような武術なんです
いったいこのおっさん...
中華鍋に穴を開ける
形意拳のゴ(郭)とは
何者なのでしょうか?
そして逃げ帰ったホン達は
このままで済ます訳がありません
そして物語は
大きく動いていきますが
残念ですがお時間です!
次回続きをお楽しみに!
※写真などすべてお借りして
史実と実在した人物を元に
創作しました