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先日の記事(https://ameblo.jp/cargoofficial/entry-12735038527.html)にコメントをくださったpetetow33さんにお答えします。
「なぜ冷静なプーチンがこのような暴挙に出たのか?」というご質問です。
(*当ブログは公式仕様になっておりコメ欄にて返信できません)

私も2月中旬に米国が「ロシアが侵攻しそうだ」と言った時は「またホラ話か」と相手にしませんでしたが、ロシアがドンバスの2州の独立を認めた時分から「本気でやる気か?」と考え直し、侵攻した時には「やっちまったか…」と思ったものでした。
まさに暴挙と呼べるべき行為だと落胆しました。

しかし、再度調査すると、ゼレンスキーが対ドンバス攻撃を激化させ、米英と軍事的エスカレーションを重ね、また、プーチンが3月7日に「ウクライナにNATOに加盟され、クリミアを攻められたらNATO全体と戦わなければならなくなる」と声明を出したように、ロシアとしては国家の存立危機事態としてギリギリまで追いつめられていたのだと推察するに至りました。
米ケイトー研究所も「ゼレンスキーがクリミアの奪還・ドンバスの鎮圧について好戦的な扇動を行い、無謀な対決に打って出た」と結論づけています。
私はこの侵攻を評価しませんが、ロシア側のこのロジックはまったく理解できないわけではないと判断します。

プーチン個人に関しては、20年以上も権力の座についているので、若干おかしくなっていると疑っています。権力は必ず腐敗します。
シリア派兵は、米国を止めるためにも仕方なかった面はありましたが、あれ以降、国内の独裁制を強めたり過剰反応が多くなったなと感じるところがあります。
今回も、おそらく犠牲を最小限に抑えた電撃作戦により1週間ほどでキエフを落とす予定だったのが、投入戦力の少なさから失敗し泥沼になりました。(私は作戦の失敗だったと見ています)このへんも判断の悪さが現れていると思います。
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今回も作家の古谷経衡氏、東大講師の小泉悠氏、自民党・青山繁晴議員に対する反論の続きとなる。

主に「『ドンバスの虐殺』はあったのか問題」についてとなる。

【目次】
① 慶應細谷教授と日本共産党の視野狭窄
② スネーク島の名誉の戦死者たちは生きていた
③ 産科病院はやっぱりウクライナ軍に接収されていた?
④ 仏人ジャーナリスト・Anne-Laure Bonnelのドキュメンタリー

 

① 慶應細谷教授と共産党の視野狭窄


ロシアの軍事侵攻が始まった直後は、99%の日本人が大本営メディアに騙され、気の狂った独裁者プーチンの領土的野心によりロシアがウクライナに攻め込んだとする「ロシア絶対悪論」を信じていたようだが、近ごろはネットで情報を集める人たちは「たとえウクライナにネオナチがいても先に手を出したロシアが悪い」、「国連憲章を破ったロシアが悪い」という論理に落ち着いてきたようだ。

大本営メディアは「ロシア人の殆どは情報統制された国営メディアのプロパガンダ報道を信じているが、SNSなどで情報を知る若者はそのまま信じているわけではない」等と必死に宣伝しているが、それがそっくりそのまま我が国にも当てはまることを指摘したい。

私の記事を読んでくれている方たちは、米欧日の主流メディアがどれだけ常軌を逸したホラを吹き続けているか知るところだろう。


下記に示すように、共産党や慶應・細谷教授は、ロシアが正当な理由なく侵攻したと思い込んでいるようだが、残念ながらロシアの侵攻理由は国連憲章51条「集団的自衛権」に依拠している。
独立国と認めた友国であるドネツク・ルガンスク共和国がウクライナに攻撃され続けるなか救援を要請されたので、ロシアは国連憲章51条にのっとって集団的自衛権を発動したというロジックだ。

▼「侵略から国民の生命を守るために自衛的措置をとる行動は、合法であり正当な行動」と慶應・細谷教授
https://news.yahoo.co.jp/articles/8e9d28099d14ac54a30b20e3a78ab86d647a3574



細谷氏いわく「情緒的及び感覚的に…『ロシアもウクライナも、戦争をしているのはどちらも悪いのであって、片方を支持するべきではない』というのは、国際的には全く共感されず、単なる国際法の無知とされる」とのこと。
さらには「『武力による威嚇や武力行使』を禁止してきた20世紀の国際社会の歩みについての、あまりにも無感覚で無責任な発言といわざるをえません。そこに危惧を感じます」ともっともらしいことを言っている。

しかし、「米英などNATO加盟国と史上最大の軍事演習(武力による威嚇)をロシアの目と鼻の先で行い、ドンバスへの攻撃を激化(武力行使)させたウクライナ」の事情を知らなさすぎるのではないか。
紛争は2014年から継続していたことも重要な論点だ。
言うまでもなく、ウクライナ側も、細谷氏の言う「20世紀の国際社会の歩み」から逸脱する行為を続けていたのである。

これらの事実を知らなかった、または考慮しなかった細谷氏の一方的な物言いは「無知は自分のほうだった」ことを証明しただけであったと言わざるを得ない。

また、共産党志位氏は「国連決議で大多数が非難を支持した」という文脈をもって論理的正当性を訴えているが、いつも「民主主義は多数決ではない。少数派の意見に耳を傾けるのが民主主義だ」と言っていた姿勢はどこにいってしまったのだろうと疑問に感じる。

細谷氏や志位氏のような、ホラ話に騙される被害者を生み出してしまう大本営メディアの偏向報道は罪深い。
(共産党の場合は、高齢化した幹部による冷戦構造を引きずる「Russophobia」が判断の軸となっていると考えられる)


「嘘」であったことが証明された大本営のプロパガンダについても少し触れておこう。

 

 

 ② スネーク島の名誉の戦死者たちは生きていた

ロシアの侵攻直後に黒海に浮かぶスネーク島がロシア艦隊に攻め込まれたが、ウクライナ国境警備隊は降伏・投降の呼びかけに「くたばれ」と応え、結果、名誉の戦死を遂げたとする逸話があった。
しかし、ロシア側はそれは事実ではないと反論する。

 

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50. マーク・スレボダ(モスクワ在住の国際問題アナリスト):それがご存知のように、世界中に盛んに反ロシアのデマをばら撒いている。疑いなく、情報戦においてはキエフの政権が勝っている。たとえば、あなたも「スネーク島の英雄たち」という話を聞いたでしょう。

51. マーク:「その島の小さな基地に、勇敢なウクライナ海軍歩兵隊がいた。そこにロシアの戦艦が来て降伏を勧告したが、彼らはFu*k, ロシア戦艦!と言って拒否した。ロシア戦艦は熾烈な砲撃を開始し、歩兵隊は最後まで勇敢に戦って全員が戦死した。ウクライナの自由万歳!」というものです。

52. マーク:ゼレンスキーは全員を英雄として表彰し勲章をあげました。メイン・ストリーム・メディアもソーシャル・メディアも一斉にその英雄的行為を讃え、バナーが貼られ、Tシャツが作られ、OUN(ウクライナ民族主義者組織)の新しい象徴となっています。ただし、この話には一つ問題があります。

53. マーク:つまり、全部が事実と異なるという問題です。83名の歩兵がいましたが、ロシア軍が降伏を勧告するや否や、ほとんど同時に全員が降伏したというのが事実です。彼らはみな尊厳をもって大切に扱われ、敵対的な行為をしないという書類に署名させられるとすぐ家族の元へ帰されました。

54. マーク:兵士の家族らは子どもや夫が英雄として既に戦死したと知らされていたので、生きて帰ってきた彼らを見て喜んで泣きました。その様子をインタビューした動画があります。キエフ政府も後でしぶしぶ「スネーク島の英雄たち」が、人々を戦わせ続けるためのプロパガンダであった事を認めました。

出典: ①ビデオ全訳 ウクライナで永遠に続く戦争か、それとも一極集中の終焉か? 3月24日
https://ameblo.jp/imaga114/entry-12733557665.html
https://ameblo.jp/imaga114/entry-12733557912.html
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上記のロシア人の話は本当なのだろうか?
米欧メディアの報道を追ってみよう。
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ロシアの戦艦が、オデッサ南にある黒海のスネーク島に配備されていたウクライナの国境警備隊員を攻撃すると脅し、服従を要求した。警備隊員の返事は「ロシアの戦艦よ、くたばれ」だった。彼らは意志を変えず、13人が殺された。
2022年02月25日 ハフポスト
https://www.huffingtonpost.jp/entry/ukrainian-soldiers-snake-island_jp_62188b6fe4b03d0c8036af77
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ゼレンスキー大統領は「国境警備隊の全員が英雄的に戦死したが、降伏はしなかった。彼らにはウクライナの英雄勲章が授与されることになる」と彼らの英雄的な死を発表していた。

ところが事実はまったく違っていた。
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ロシア軍艦に「くたばれ」。死亡が報じられた島の警備隊員13人、生きていた。ウクライナ海軍が報告。ロシア部隊に拘束されている。
2022年03月01日  ハフポスト
https://www.huffingtonpost.jp/entry/ukrainian-troops-snake-island-alive_jp_621d5e74e4b0d1388f195565
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ハフポストは続報を書くだけマシである。
他の殆どのプロパガンダ・メディアにおいては、いまだに「13人は名誉の戦死を遂げた」ままになっているだろう。

結局、この話の顛末は以下のようになる。

 


戦死したとして栄誉賞を贈られた兵士たちだったが、ロシアに拿捕された後は無事に家に送られ、勇敢に戦ったとしてウクライナ政府により表彰されたとのこと。しかも13人ではなく82人だった。

上記事実はウクライナ側の報道「ホロマドスケ」でも確認されている。
https://milirepo.sabatech.jp/border-guards-on-snake-island-allegedly-annihilated-by-saying-go-fu-k-to-the-russian-navy-were-awarded-a-return-medal/

この事実を報道した日本のメディアはあっただろうか。

新たな事実が浮上した重大な案件がもう一つあるので、それも紹介しておこう。

 

 

 ③ 産科病院はやっぱりウクライナ軍に接収されていた?

3月9日に主流メディアは「ロシアによるマリウポリの第三産科病院への空爆で、後日女性一人と胎児一人が死亡した」と報道し、世界中からさらなるロシア批判が巻き起こった。
下の写真は生き残った妊婦のマリアンナ・ヴィシェミルスカヤ氏だ。



この妊婦がインタビューで奇妙なことを言っている。

産科病院から妊婦が追い出され、ほぼウクライナ軍に接収されていた」
「飛行機の音を誰も聞いていない。夫らも皆、空爆でなく砲撃だったと考えている
「なぜかAP通信のカメラマンが砲撃の直後に病院にいた。つまり彼は最初から病院近くにいたのではないかと疑っている」
「なぜか自分の『空爆ではなかった』とするインタビュー記事はメディアに一切載らなかった
という要旨である。




日本語字幕つきのインタビュー動画
▼マリウポリの産科病院、被害者インタビュー マリアンナ・ヴィシェミルスカヤ 

 

親ロシア派サイトによるこの動画に関わる詳しい状況解説(英語)がある。
https://thegrayzone.com/2022/04/03/testimony-mariupol-hospital-ukrainian-deceptions-media-malpractice/

電気やガスの供給が止まるなか「ウクライナ兵が貴重な食糧を奪っていった」との証言にも注目だが、なにより重要なのは、病院がウクライナ軍に基地化されており、空爆(砲撃)がロシア側の犯行ではないと示唆される点だ。

これはロシア側の説明と多くの点で一致する。

ロシアのラブロフ外相は3月11日、「病院はネオナチ部隊のアゾフ大隊に接収され、基地として使用されていた。その証拠も爆撃の数日前に国連安保理に提示した」と主張している。
https://www.republicworld.com/world-news/russia-ukraine-crisis/russian-fm-lavrov-claims-mariupol-maternity-hospital-was-base-of-azov-ultra-radicals-articleshow.html

実際に、事件前の3月7日の国連安保理でのブリーフィングにおいてロシア代表は「地元住民からの多数の報告によると、アゾフが当該産婦人科病棟を基地化した」と報告している。
https://russiaun.ru/en/news/070322n

◇5/8 追記: この記事を書いている時に失念していた情報を追加する。

 


上記の「噂の妊婦」とは後に「産科病院はアゾフに基地化されていた」と語ったマリアンナ・ヴィシェミルスカヤのことで、このツイ投稿時はまだクライシスアクターではないかと疑われていた。
そして彼女は産気づいていたので急患扱いで病棟を移っただけだったという。だから病院内にいた数少ない患者の一人だったというわけだ。

 

 


上述した噂の妊婦と、院長の証言により、上記「Lenta.Ru」の報道が事実であったことが確実になった。

私の記憶が確かなら、このLenta.Ruが最初にこの疑惑を報じたメディアだったはずだ。
 

(*追記はここまで)



RTやSputnikなどのロシア系メディアは「ウクライナ軍が住民を人間の盾にした」と話すマリウポリ住民のインタビューを多数報じていた。
https://twitter.com/hiro0725/status/1501714357092483072

ギリシャの新聞の報告にもこうある。
Greek City Times「ウクライナを脱出したギリシャ系難民の女性が『マリウポリを出るとき、ウクライナ兵に止められ、脅された』と証言した。この証言は、『ネオナチのアゾフ大隊に殺されそうになり包囲された都市を脱出できなかった』というマリウポリの別のギリシャ系移民の証言と一致している。

 https://greekcitytimes.com/2022/03/18/greek-refugee-from-mariupol/?amp

上記住民インタビューの真偽は不明(ロシア側が雇った可能性もある)だが、似たような証言が多数存在することは注目に値する。

実際にゼレンスキーは、「国民総動員法」により、国際法「ハーグ陸戦条約」違反となる「民間人の戦闘員化・便衣兵化」を強制した。
https://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q13111559083

 


ウクライナ軍は、逃亡しようとする民間人を拿捕・拘束し、虐待を加えるなど多数の人権侵害を行っている証拠がネット上には多く転がっている。

出典:ネットの拾い物

駐日ウクライナ大使は、「人間の盾」を描いた絵を子供からもらったと自慢している。


ロシア側に作成されたとされる「人間の盾」作戦の概要図も存在する。


9日の攻撃直後、ゼレンスキーはNATOにウクライナ上空に飛行禁止区域を設定するよう求めたことに言及し、「子供たちが残骸の下敷きになっている。これは非道な行為だ!世界はいつまでテロを無視して共犯になるんだ?今すぐ空を閉じろ! 殺戮を止めろ! あなた方は権力を持っているが人間性を失っていないか!」とツイートした。
https://www.rferl.org/a/ukraine-mariupol-hosital-bombed-russia/31744934.html

穿った見方をすれば、飛行禁止区域の設定をNATOに要求するために、ウクライナ側が「ロシアの空爆を装い、産科病院を砲撃した自作自演作戦」を決行した可能性すら考えられうる。

上述したロシア派サイトのグレイゾーンは、後日死亡したとされる妊婦と胎児に関しても、その後に何の情報もないと、死亡が事実であったのか疑っている。

APやCNNの記事では、3/9の病院攻撃の件を「ロシアの空爆」と断定している。
ヴィシェミルスカヤ氏は否定しているが、主流メディアはマリウポリ市議の推測に基づく証言の方を採用したのだろう。
CNNは、マリウポリ市議会が「ロシア軍が空中から病院にいくつかの爆弾を投下した」と述べたと伝える。
https://apnews.com/article/russia-ukraine-kyiv-europe-2bed71c00916d44ea951c5809b446db3
https://edition.cnn.com/2022/03/09/europe/gallery/mariupol-hospital-bombed/index.html

USA Todayはファクトチェックとしてべリングキャットの報告をもとに、「ソーシャルメディアの投稿やロシア当局が主張しているように、病院がアゾフ大隊が軍事目的で使用した施設だったという証拠はありません」としているが、事象の断片を切り取ったようにも思える。
べリングキャットは、オレンジ革命を演出したジョージ・ソロスのOSFや米国のNEDに資金提供される「怪しげな調査機関」である。
https://www.usatoday.com/story/news/factcheck/2022/03/15/fact-check-russian-attack-mariupol-hospital-not-staged/7041649001/

さて、ヴィシェミルスカヤ氏はロシア側のクライシスアクターとなったのだろうか?
買収され、ロシアに都合良いよう証言するように要請されたのだろうか?

結論はわからないが、唯一わかるのは、この件が米欧日のプロパガンダ・メディアでは報じられないだろうということだ。

私の知る限り、この手のことはイラク戦争・シリア内戦の頃から頻繁に起こっている。
シリア内戦の頃と違うのは、ビッグテック企業が、RT等の都合の悪いサイトをブロックしたこと。そしてこのような帝国主義的な検閲が白昼堂々、平然と行われていも、どの主流メディアも疑問を呈さないことだ。


さて、本記事からは「ドンバスの虐殺」が事実であったことを示す証拠をひとつひとつ提示していく。
(「どんだけ前フリが長いねん」というツッコミは甘んじて受け入れよう)

まずは全貌を理解するための映像を紹介したい。
日本のネット空間で話題になった仏人ジャーナリストのアンネ-ロウリ・ボネル氏のドキュメンタリーだ。

 

 

 ④ 仏人ジャーナリスト・Anne-Laure Bonnelのドキュメンタリー

2月末(3月頭?)に、フランスの国営テレビの番組で「ドンバスでウクライナ人を殺しているのはウクライナ政府側」と発し大炎上した人物だ。

その時の映像を有志の方が日本語訳してくれている。

▼ ウクライナ危機、フランス人ジャーナリストが証言「ウクライナを爆撃しているのはロシア軍ではない」
CNEWS 2022/03/01

 

インタビュー映像からのスクショを以下に並べる。









本題のドキュメンタリーであるが、現在は日本語字幕版ができているので、時間のある方はぜひ観てほしい。
この映像作品はこの手の映像の中でもっとも残虐な映像が少ない部類となるので、残虐な描写が苦手な人も吐き気を感じずに観ることができるはずだ。

▼ "ドンバス 2016"ドキュメンタリー映画【日本語字幕付き】
("Donbass 2016" Documentary by Anne Laure Bonnel subtitles JAPANESE)

 

英語字幕版(検閲により閲覧不可能) → https://www.youtube.com/watch?v=b8j0tJsKltg
(*Youtubeもさすがに西側・仏人ジャーナリストの動画は消さないだろうと思っていたが、最近確認したら、英語版のほうがブロックされていたことがわかった。ロシア系のチャンネルのみならず仏人ジャーナリストの動画までブロックするとは、Youtubeには言論の自由がなく、完全に帝国主義者側についたと判断せざるを得ない。)

また、先日、IWJがこのボネル氏のドキュメンタリー映像を扱っていたので、そのスクショも利用し、以下に内容を貼り付けていく。(日本語表記のある画像がIWJからの流用だ)
https://www.youtube.com/watch?v=9GGqOHTvowg




当時のポロシェンコ大統領が、「ドンバス住民には年金を出さない」「子供や老人にさえ虐待を行う」という主旨の懲罰的攻撃を公言している。



ボネル氏は、ポロシェンコのこの非道な発言をもって2015年1月15日にドンバス入りしたという。
この作品は2015年の映像が中心だ。
14年5月から砲撃や空爆が始まり、14年中が最も死者が多かったが、15年も数千人が死んでいる。



撮影中にもウクライナ側からの砲撃で死傷者が出ている。
バス停(?)が砲撃されたようだ。


ドネツクの病院にて。子供が殺された母親が半狂乱で訴える。


7カ月間も地下に住む老人と子供たち 




「この子供たちがテロリストなのかい?」と憤るバブーシュカ。


「ウクライナ軍の爆撃で家々は焼かれ、子どもたちは殺された」と訴えるバブーシュカ。


「何千人も殺されたのに、西側は何もしないんです!」

水も電気もなく1か月以上過ごしたという証言もあった。
アムネスティの報告でも、ドニプロやアイダル大隊が食料供給を遮断したことが記録されている。

(*この件は「ジェノサイド条約」におけるジェノサイドに相当するはずだ)




「若い男性の耳をそぎ落とす拷問を見た、井戸から妊婦を含む多数の遺体が見つかった、処刑された遺体は耳がそぎ落とされていた」との証言も。



炭鉱跡からも拷問された痕跡のある数人の男女を発見した。




50人以上が惨殺された「オデッサの悲劇」について証言する元ウクライナ兵 
ドネツクで生まれた彼は同じ地域の人々に銃を向けたくなかったので退役したと言う。
「右派セクター」と思われる犯行集団が、女性や子供も焼き殺し、熱さに耐えかねてビルから飛び出てきた者を殴打して殺した。警察は見ているだけだったと証言する。
この事件は国連などにも「政府・検察は捜査・調査する気がない」と報告されている。
https://www.ohchr.org/Documents/Countries/UA/UkraineReport28August2014.pdf


病院が爆撃されたと話す医師





18歳の息子を亡くした母親は「ロシア軍がドンバスに来てるというけどそれは間違いです。もしロシア軍がいたなら1週間で平和になりますよ」と断言する。夫は「ポロシェンコはオバマのケツでも舐めてればいいさ」と吐き捨てる。

IWJの映像で岩上安身氏は「この動画を観ても『虐殺がなかった』なんて言う人はどうかしている」と言う。

「ドンバスの虐殺」を示す証拠は、まだまだ存在する。
たとえ西側が検閲し、証拠を隠滅しようと走り回っても、市民の誰かが証拠を保全し、ネットに再アップする。


現在起こっている事件と、過去の事象の両方を追いかけなければならないため、記事に掲載する情報量が膨大になり、一つの記事に収まりきらなくなってしまう。どうしても結論までの話が長引きダラダラと進行し続けることをお許し願いたい。

次回こそ「ドンバスの虐殺」における一つ一つの事件を扱う。
次回の目次はこんな感じになる。
① 右派セクターによるロシア系住民の殺戮「オデッサの悲劇」
② アゾフ大隊によるロシア系住民の殺戮「マリウポリの殺戮」
③ アゾフが極右運動で支配的な地位を占めた現在
④ ドイツの「ドンバスの虐殺」ドキュメンタリー
 
今回は以上となる。
また次回。