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ウクライナで永遠に続く戦争か、それとも一極集中の終焉か?
レッドライン司会のアーニャ・パランピルは、モスクワ在住の国際問題アナリスト、マーク・スレボダと話す。スレボダ氏は、ウクライナ紛争の初期におけるロシアの軍事作戦を評価し、同国でシリア型の汚い戦争が勃発する可能性を評価している。また、この戦争がいかにロシアと西側諸国の間に "偉大なるデカップリング "をもたらしたか、なぜそれが "一極集中の終わり "を意味すると考えるかについて解説しています。
※(Twitter投稿から日本語翻訳書き起こしがあったので転載します)
参考サイト
Twitter投稿から日本語翻訳書き起こし
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The Sun Snorer Press@taiyonoibiki私たちの現在点:ウクライナ「これまで」と「これから」~一局集中時代の終末 /マイク・スレボダ(モスクワ国際関係アナリスト) &アーニャ・パーレムピル(ザ・レッドライン/ザ・グレイゾーン)/ 前編 Forever War in U… https://t.co/egET0sYXI5
2022年03月12日 20:39
私たちの現在点:ウクライナ「これまで」と「これから」~一局集中時代の終末 /マイク・スレボダ(モスクワ国際関係アナリスト) &アーニャ・パーレムピル(ザ・レッドライン/ザ・グレイゾーン)/ 前編 Forever War in Ukraine or End of Unipolar World? /Mark Sleboda & Anya Parampil 2022/03/05(全訳)
①マーク:モスクワは軍事キャンペーン最初の数日においてたくさんのミステイクを犯しました。それは作戦があまりにもソフト過ぎたという意味です。 キャンペーンの目的の一つはウクライナ人のあるグループを、ウクライナ人の別のグループの暴力から保護することでした。
②マーク:ロシアは初めからウクライナと戦争するつもりなど全くなかったし、今もないのです。ロシアが保護しようとしているのは他でもない東ウクライナ・※ドンバスの人々です。彼らは過去8年間にわたってキエフ政府の砲撃対象になってきました。
③※ドンバス:ウクライナ東部の隣接する2つの共和国(自治州)ドネツスク、ルガニスクを包括する地域を指す。
④マーク:ドンバスの人々が砲撃を受けている理由ですが、8年前の2014年に、アメリカと西欧諸国に支援されたウルトラナショナリストのグループが、ウクライナの民主的に選出された政府をクーデターで倒して政権を強奪しました。
⑤マーク:ドンバスの人々は、自らが選んだ政府を暴力でしかも外国勢力の支援によって倒した現政権を決して認めない。それがクーデター政府から砲撃を受け続けている理由です。
⑥マーク:キャンペーンの二番目の目的は、ロシア自身の安全保障です。この8年間、ウクライナで起きていることはウクライナNATO化でした。具体的に言うと、ウクライナ国内にNATOの軍事基地を建設する。
⑦マーク:10,000人を超えるNATOのトレイナーとアドバイザーが核兵器を含む大量の武器を携えてウクライナになだれ込んで入ってきました。ロシアへの敵対心をあからさまにする外国勢力がモスクワの目と鼻の先でずっとこれをやっているわけです。
⑧マーク:ロシアに限らずどこの国であれ、それを許容できるはずがありません。ロシアにとって、それはキューバ危機に匹敵する生存上の危機なのです。
⑨マーク:三番目の目的は、キエフの7年にわたるミンスク合意不履行に対する回答です。ミンスク合意の内容は、ドンバスに対する武力行使を停止し、ドンバスの政治的・文化的権利を保証することでした。
⑩マーク:モスクワにとってはそれがキエフとの妥協点だったし、なんとか平和的な解決を見出すために結ばれた合意だったのです。また、ミンスク合意は正式な国連決議であり、アメリカ合衆国を含め、国連安保理で満場一致で可決された国際条約です。
⑪マーク:そして7年間、ロシアはキエフにその履行を求め続けてきました。しかし、キエフは決してミンスク合意を履行しないと国民に向かって公言して憚りませんでした。そして、誰もがキエフが履行することはないと知っていました。
⑫マーク:ロシアは戦争をしにウクライナに入ったのではありません。特にドンバスのウクライナ人と戦うつもりは毛頭ありません。 四番目の目的は、2014年にクーデターで政権をとった現政権を排除することです。これをウクライナの非ナチス化(denazification)と言っています。
⑬マーク:しかし、私は非バンデラ化といった方が正確だと思っています。ステパン・バンデラという超国家主義、ファシズムの思想的指導者に導かれ、彼の死後も連綿とその伝統を引き継いでいる過激グループが、マイダンクーデターの首謀者たちであり、現政権を構成しているからです。
※Stepan Bandera
⑭マーク:すると、「ゼレンスキーはユダヤ人なのに、どうしてネオナチなのだ?」と思う人がいるでしょうね。確かにゼレンスキーはユダヤ系です。ゼレンスキーのパトロンがやはりユダヤ系でウクライナのオリガルヒ、イホール・コロモイスキーという人物です。
※Kolomoisky
⑮マーク:コロモイスキーは最初からマイダンのクーデターの武装実行部隊に武器支援していました。しかも彼はそのことを少しも隠さず、ウクライナの新聞でそれを公に吹聴しているくらいです。
⑯マーク:アゾフ・ザ・ライトセクター(Azof the Rifght Sector)、C14は議論の余地なしにネオナチのデス・スクワッドです。武装したネオナチ・デススクワッドを国家が有し、政府に従わない自国民を殺すためにそれを使う。そのとき、私たちはそれを民主国家の大統領と呼ぶことはできないのです。
⑰マーク:ユダヤ系であろうとなかろうと関係ありません。
⑱マーク:オバマ政権でペンタゴン高官だったエバリン・ファーカスが一ヶ月半ほど前にディリー・ビーストの記事で「たぶん、キエフの政権は極右かもしれない。しかし、この際、イデオロギーはどうでもいい。ウクライナはアメリカにとって生存上の闘いなのだ」と書いています。
※Evelyn Farkas
⑲マーク:ファシストであっても構わないとはっきり認めているのです。私は数日前、ウクライナ議会の2022年-2023年著名人リストのコピーをホームページにポストしました。
⑳マーク:そこにずらっと並んだ顔ぶれは、ウクライナの歴史でナチス占領時代にホロコーストに積極的に関わった人々の中でもとりわけ凶暴な殺人鬼たちでした。キエフの政権はその一人一人をウクライナの国家的英雄として褒め称えているのです。これは冗談ではありません。
㉑マーク:あなたは私のページに行って、彼らが一体どういうことをやったのか、その残虐行為のリンクを確かめることができます。ウクライナ政府はリストの人物をネオナチではないと言っています。確かにネオナチではありません。ナチスのオールド・スクール、オリジナルそのものです。
㉒マーク:バンデラ主義ファシスト・ナチスです。 アーニャ:彼らはそれを隠そうともしませんよね。 マーク:隠そうともしていない(笑)。ペトロ・ポロシェンコのヨーロピアン・ソリダリティ党のナンバー2人物アンドレ・ペルビについては、私も知っているし、あなたもマックスも知っているでしょう。
㉓マーク:マックスはアメリカの官僚や政治家を取材しましたから。それからウクライナ系カナダ人の情報からも。あの日、マイダンでアンドレ・ペルビがプロの狙撃手を雇って、デモ隊と警官隊の双方に向かって発砲させ、大混乱を起こした責任者であることもわかっています。
㉔マーク:そうです。キャンペーンの目的は、❶ファシスト政権の排除、非ナチス化、❷ウクライナに建設されたNATOの軍事施設の破壊、❸東ウクライナの人々の保護です。
㉕マーク:まずキャンペーンの初日に軍事施設を空爆しました。全てがNATOが使用する目的で、NATOが資金をつぎ込んで磨きをかけた軍事施設ばかりでした。昨年11月からの事の成り行きに精通している欧米最高の軍事アナリストたちが実は私と同じ見方をしているのです。
㉖マーク:私の言うことは信じなくてもいいです。私はモスクワの人間ですから。しかし、欧米の軍事アナリストたちが言っているのなら、信じてもいいのではないですか?
㉗マーク:CNASのマイケル・コフマンやForeign Policy Research Institute’s Eurasia Programのロブ・リーなどは「ロシアが犯したミステイクの一つは、作戦開始の最初の数日において作戦がソフト過ぎたことだ」と言いました。
※Michael Kofman ※Rob Lee
㉘マーク:「最初の4、5日において、ロシア軍は戦力のほんの僅かな部分しか使っていない。ロシアが最も得意とし、また高い評価を得ている重火器に至っては全くと言っていいほど使っていない。彼らは片手の指で足りるほどの限定的な空爆を軍事施設に対して行っただけだ。」
㉙マーク:「彼らは戦闘爆撃機を使っていないし、電子戦さえしなかった。」 ウクライナのインターネットも電話も電報も全く平常通りに動いていたことにあなたも気づいていたと思います。キエフはやりたいようにプロパガンダをしました。しかもそれだけではありません。
㉚マーク:あなたは私を信じなくてもいいです。私はモスクワの人間ですから。欧米のアナリストの言ったことを信じてください。彼らは言いました。
㉛マーク:「ロシア軍はウクライナ市民の犠牲を最小限に抑えようと努力しているだけでなく、ウクライナ軍の犠牲も最小限に抑えようと努力しているのだ。武器を捨てて、降伏させることを望んでいるのだ。ロシア軍はウクライナ軍と戦うためにここにいるのではない。」
㉜マーク:「ウクライナをクーデターで乗っ取った憲法違反の現政権を排除するためにここにいるのだ。」 これを信じるに足る十分な理由があります。なぜなら、2014年のクーデターの後、ウクライナ軍は事実上、蒸発して消えていたからです。彼らはクーデター政権の命令に従いませんでした。
㉝マーク:ドンバス制圧に赴いた戦車部隊に対し、ドンバスの市民たちは勇敢にも路上に出て戦車を止めたのです。それで戦車隊もそのまま引き返して解散した。そしてみんな家に帰りました。その後、マイダンの極右武装隊がやってきてドンバスを遠距離から砲撃し始めたのです。
㉞マーク:あの時、ほとんどのウクライナ軍兵士が単純に脱走したか、軍務を放棄しました。もう一度、言いますが、あなたが私を信じなくて良いです。私はモスクワの人間ですから。ヨーロッパのラジオ、ラジオ・リバティの言っていることを信じてください。彼らはそれについてレポートしました。
㉟マーク:それによると、あの時75%のウクライナ海軍の兵士が脱走、もしくは軍務放棄していた。75%です。 アーニャ:わお! マーク:脱走した兵士のほとんどがクリミアを経由してロシアに行きました。クリミアにはウクライナ海軍の基地があります。
㊱マーク:ロシア軍は今回も再びあの時のように戦闘を交える前にウクライナ軍が武器を捨てることを期待していました。武器を捨てて降伏さえすれば尊厳をもって対処し、安全と身柄を保証する。ウクライナ軍は徴兵制です。少なくとも低階級の兵士はそうです。
㊲マーク:そして、東ウクライナの若い兵士たちはそもそもそこにいたくはない。ロシアと戦争もしたくない。しかし、今回はロシア軍が期待したようにはいきませんでした。この7年間でキエフ政権は軍隊の中で大規模な粛清を、しかもたいへん効果的に行いました。
㊳マーク:そして全ての指導部にキエフ政権のイデオロギーに沿った人材を配置しました。つまり、西ウクライナ人で、かつロシア人を狂犬病のように憎んでいる人材です。そして、彼らは東ウクライナ人については少しも配慮していない、そういう人材を配置したのです。
㊴マーク:私はすでにライトセクターのAZOFについて言及しましたが、彼らはウクライナ軍、警察、情報局、メディアを完全に掌握し、徴兵された兵士に対する情報の流れを完全にコントロールしていました。そして政府の命令に従わない者、疑問を持つものに対しては極めて残虐な報復をもって応じました。
㊵マーク:メディアの掌握が功を奏したのか、8年間でウクライナ人全体を、マイダンのクーデターを支持しない東ウクライナ人を含めて、ロシア人は侵略者なのだと洗脳することにかなり成功するようになりました。さて、これから数日の間に私たちはその結果を見ることになるでしょう。
㊶マーク:作戦初期においてソフト過ぎたというミステイクをロシア軍は緊急修正し、徐々に兵力を増強しつつあります。と言っても、まだまだソフトな戦略ですが。ロシア軍は既に全てのウクライナ西南海岸部を制圧し、そこにある都市を解放しました。ウクライナの最後の砦がマリー・オーパルです。
㊷マーク:現在、そこで熾烈な戦闘が繰り広げられているところです。おそらく、そこで多くの血が流されるでしょう。マリー・オーパルこそがAZOFのヘッドクォーターだからです。
㊸マーク:マリー・オーパルにAZOFのヘッドクォーターが置かれた理由は、そこからマイダン・クーデターに反対していたドネツスク共和国(自治州)を直接攻撃できるからでした。ですから、ことの成り行きとしてマリー・オーパルは流血の地になるはずです。
㊹マーク:しかし、いったんマリー・オーパルが陥落すれば、西南部のドネツスクからドニエプル川までのルートが一気に繋がります。
㊺マーク:それから今、ロシア軍は東北部の都市でウクライナ第二の都市ハーコフを完全に包囲しています。住民のほとんどが親ロシアですが、それが結果にどういうふうに影響するでしょうか。キエフ政権はそこに多くの軍を送り込み、住民を包囲しています。
㊻マーク:できるだけ流血を避けたいロシア軍に対して、できるだけ多くの血を流すことで泥沼化させたいウクライナ軍がハーコフで対峙しているわけです。 また、ロシア軍のキエフ包囲も効果的に完了しました。そしてそこにあるウクライナ情報局のヘッドクォーターを占拠しました。
㊼マーク:2014年にキエフの街角で市民を無差別に拘束してはそこに連れて行って拷問していたとアムネステイ・インターナショナルとヒューマン・ワッチさえ報告していた所です。キエフを含む東ウクライナでは、ほとんどの人がマイダンの政府に反対していましたから。
㊽マーク:迅速かつ効果的攻撃で犠牲を最小限に抑え、蛇の頭だけを潰したいというのがロシア軍の希望です。そしてゼレンスキーを排除して、2014年以来ゼレンスキーが停止していたウクライナ憲法に則った秩序を回復したい。
㊾マーク:しかし、そのためには初期の作戦がソフトすぎたので、今、急いで修正しているところです。しかし、それでもやはりムチではなくアメによる作戦ですね。西側のプロパガンダマシーンは、特にアメリカのそれは世界一強大で、ロシアや中国のものをはるかに凌いでいます。
㊿マーク:それがご存知のように、世界中に盛んに反ロシアのデマをばら撒いている。疑いなく、情報戦においてはキエフの政権が勝っている。たとえば、あなたも「スネーク島の英雄たち」という話を聞いたでしょう。 アーニャ:はい。