ここ数か月で「日本は先進国で最下位」、「OECDで最低だ」「韓国や台湾にも負けた」というような報道記事を特に多く目にするようになりました。
何年ものあいだ私達が糾弾し続けてきたからなのか、コロナ禍の失政で経済のヤバさがより浮彫りとなり、マスコミも無視し続けることができなくなったからなのかはわかりませんが、我が国が腐りきってることに気づく人が増えるのは良いことです。

断言しますが、日本が凋落した理由は、この数十年間続いてきた「ネオリベ政治の失敗」と、ネオリベ・グローバリストの走狗である「マスコミのプロパガンダ」、そして「日本人自身の勘違い」にあります。

最近ネット上でこのような画像を見かけた方も多いのではないでしょうか。



 

上記の表に赤字でネオリベとかって加筆したのは私です。
だいぶ厳しめの評価だと感じるかもしれまんが、私は「有名人はほとんどがネオリベ」だと判断しています。
まともなのは山本太郎くらいしかいません。


こんなにも多くネオリベが増殖したのも、日本人自身がトチ狂ってしまったからに他なりません。
世界ではネオリベはただただ嫌われる対象なのに、日本人はネオリベが大好きです。

例えば、アメリカの有名なネオリベのイーロン・マスクさんは、TIMESの表紙になるや否や速攻でコラ画像を作られバカにされています。




コラ画像では「TIME」ではなく「TAXME(税をかけろ)」とされ、「マスクは2018年の所得税を1ドルも払っていない」「コロナ禍で2400億ドル(27.6兆円)も金持ちになった」と書かれています。

世間からのそんな批判をかわすために、マスクさんは後日「僕は110億ドル(1兆2500億円)を納税する予定!」と言い訳しました。
米国ではヤバいと思ったら多少は態度を改める程度には社会が回復しているようですが、日本でこのようなことは起こりえません。


新自由主義(ネオリベラリズム)は、ナチズムやスターリニズムに匹敵する危険思想です。
でもそのことを学校教育でも教えてくれないし、むしろマスコミは賞賛さえしています。一般国民もそのネオリベの非情さを消費対象とみなしています。

そういうマスコミや国民の声に押されてDaigo氏は「生活保護の人たちにお金を払うために税金を納めてるんじゃない。ホームレスの命などはどうでもいい。猫の命より軽い」と発する最終地点まで逝ってしまわれました。

Daigo氏の思想は、ナチの「T4作戦」と言われる身体障碍者や精神障碍者を強制安楽死させる政策を彷彿とさせます。
これはDaigo氏だけではなく、ネオリベに共通の認識といえます。維新の長谷川豊氏は「自業自得の透析患者は殺せ」と、同じく維新の馬場幹事長は「安楽死議論の旗振り役になるべきれいわ新選組の船後議員が議論を封じるようなコメントを出している」と、また古市憲寿氏と落合陽一氏は「社会保障費軽減のために終末期医療をやめるべき」等と発して炎上した経緯があります。

ネオリベの価値観では、成功した人間や、合理的で生産性が高く競争に勝てる人間こそが称賛されるに値し、一方で競争に敗れた生産性の低い人間や病人は、支えるのも税金の無駄であり、社会に不必要なお荷物だと考えられます。


また、新自由主義は、自分でも気づかない間に人を蝕んでいきます。
日本の新自由主義の旗振り役である竹中平蔵はとうとう最近「私は新自由主義者ではない」と発するに至りましたが(笑)、多くのネオリベが新自由主義者のレッテルを嫌います。

もちろん、竹中の場合は、いくら処女作の論文が盗用であったといっても一応英語は理解できるでしょうから、海外でネオリベが嫌悪対象であることも知っているはずですが、日本人にはわからないだろうと高をくくって適当ほざいているだけだと考えられます。

軽度のネオリベは腹の中では新自由主義がいかに罪深いことかわかっているため、他人から批判されるのを嫌い、なるべくひた隠しにします。
やってることは守銭奴ネオリベそのものなのに、認めたくない。認めないからこそ知らず知らずのうちにネオリベ思想に深く毒されていくのでしょう。

しかし日本では、ネオリベであるほど金儲けができ、ネオリベであるほどマスコミに多く扱われ持ち上げられることも事実です。
関東地方に住む人なら自民党政権や小池・都民ファーストを、また関西の人なら橋下徹や維新をマスコミがゴリ押ししている事実を知っているはずですし、その傾向はまさしく冒頭に掲示した画像の通りです。

報道機関が堂々と為政者と癒着する、発展途上国の独裁政権下の出来事でしょうか。

これは日本社会自体が病んでいる証拠です。
自分達の住む社会の経済を破壊するために、マスコミがネオリベ論者を賞賛しているといっても過言ではありません。

ネットでも自民・維新関係者が、まとめサイトやツイッター、ヤフコメ等の工作アカウントやBotを駆使し世論誘導を行っている事実もあります。
自民党ネットサポーターズクラブ(J-NSC)をはじめとして、日本青年会議所(宇予くん) 、政治知新 、クラウドワークス 、Dappi 、アノニマスポスト 、電通フジ・関西テレビ 、元デジタル担当相の平井卓也 、 元法相の河井克行 、ネットギークなどが大活躍しています。

ネット工作が事実なのか疑わしいと思った方は上記のリンク群を確認するとともに、安倍や橋下、吉村などの自民・維新関係者のツイッターの発信に対して「イイネ」している人物のアカウントを少し覗いてご自分の目で確認してみてください。
その半数以上が、フォロワー数が極端に少なく、自ら殆ど呟かず、懸賞サイトや野球の球団の公式ツイをリツイート/イイネしているだけのアカウントだと気づきます。
それは「人物」ではなく、「Bot」です。

日本のツイッターにおける政権側の工作は、2014年からドイツのエアランゲン=ニュルンベルク大学の研究で「全体主義」や「弱者排斥」、「アベノミクス礼賛」を刷り込むボットが大量に発生(政治的投稿の数割)していたことがわかっています。

このような狂った環境(私は「新・明るい北朝鮮」と呼んでいます)のもとでは、正しい経済の知識を身につけないと容易に騙され、自らもネオリベ思想にハマっていってしまいます。


そういうわけで、ここでネオリベに騙されないために、新自由主義とは何なのかおさらいしておきましょう。
新自由主義は以下の三点セットを伴い実行されます。
 

緊縮財政 = お金をケチりたいので利益にならない不採算分野を整理し、生産性の低い従業員をリストラ、人件費や設備投資を削減する。

規制緩和 = お金をケチりたいので不採算公共事業などを外資企業などに売り飛ばし、私有化(民営化=Privatization)させる供給サイドのカイカクを進める。自由競争や解雇規制緩和の弊害となる労働組合を破壊し、株主至上主義を進める。

グローバル化 = お金をケチりたいので儲からない国内投資から手を引き、需要を求め外国に打って出る。または外国の大企業に市場参入してもらったり、低賃金外国人労働者を呼び込む。


まとめると、新自由主義というのは、「お金がないと偽り、国民や国家の財産を収奪し、資本家のもとに集約しようとする思想」となります。

加えて新自由主義の深層を読み解く3つのキーワードとして①「弱者排斥と自己責任」、②「経営者目線と合成の誤謬」、③「生産性と自己実現的予言」を設定したく思います。

 

次回からはこの3つのキーワードを軸にネオリベのホラ話を論駁していきます。


ネオリベは常にウソをついています。

現在の資本主義市場においては優れた成果物だけが金銭的報酬をもって評価されるため、ネオリベが跋扈するにしたがって獲得した成果を過剰に演出し評価をゆがめようとするウソが横行します。
ですから日本は「コミュ力」、つまりいかにうまくホラを吹けるかが重視される社会になってしまいました。

この辺のことは、安倍・自民党や橋下・維新、小池百合子などを見ていてもわかるでしょうし、政治経済に詳しくなくても社会にいれば強く感じるところかと思います。
ホラを吹けば吹くほど、また、売国すればするほど成功できるのだから、ホラ吹きチャンピオンであるネオリベが蔓延るのも当然です。

彼らの手から日本を取り戻すために、ネオリベのウソを暴いていかなくてはなりません。
 



ジョアン・ロビンソンは、新自由主義と闘ったポストケインズ主義の経済学者
彼女は14年間にわたって何度もノーベル経済学賞の受賞候補に挙がったが、受賞することなく1983年にこの世を去った。
ロビンソンは政治色が強過ぎるため、受賞を辞退する恐れがあったことから、経済学賞受賞を逃したと一部で憶測された。
選考委員会の委員長を務めたアサール・リンドベックは「賞を辞退する恐れもあったし、脚光を浴びる機会に乗じて主流派経済学を批判する可能性も考えられたからである」と述べている。

彼女の下で学んだ2人の学生がノーベル経済学賞を受賞している。アマルティア・センとジョセフ・スティグリッツである。

 


本日は以上です。
では、また来年。

 

 

 

cargo


【追記】
私も近い立場にありなんとなく彼らの習性を観測してきた身ですので、追記します。
芸能人がネオリベ化する理由を正確に判断するすべはありませんが、弱肉強食の芸能界サバンナを勝ち上がるなか自己啓発本ばかり読んで生存性バイアスを高めたからではないかと予測します。
サバンナでは生存のために、競争に勝ち続ける強者の論理を実践し取り込まれ続けるほかありません。彼らは民主主義社会ではなくサバンナに生きています。
芸能人がよく「信じて努力し続ければ必ず成功する」というような発言を行うのは、このような背景があるためだと思われます。

自分達が信じるその自由競争社会というものの正体が、実際は殿様がグローバル企業に取って代っただけの封建主義制度だということに気づくことはありません。
いや、実感としてこういう構造になんとなく気づいているからこそ、殿様に歯向かうことにはならない、黒川検事長の定年を脱法的に延長しようとした検察庁法改正案事件にだけは反対の意を示したのかもしれません。
彼ら芸能人が #検察庁法改正案に抗議します とだけ呟いてドヤったあと再びダンマリを決め込んだのは、この件が自身の評価を上げるプロモーションツールとして有効だと考えたからでしょう。

参考:「鮫島伝次郎効果」とは何か?
 ▼アベが特定機密保護法を成立させたとき、芸術家は声をあげなかった
 https://ameblo.jp/cargoofficial/entry-12596579623.html

とにかく、成功者ってのは生存性バイアスを伴いながらサイコパス化しやすいですから、自然にネオリベになってしまうのだろうと考えられます。