US Capitol west side - アメリカ合衆国議会議事堂 - Wikipedia


今回の翻訳ブログは、財務省・経産省の役人や野党の国会議員、池上彰氏、土居丈朗氏、金子勝氏ら緊縮・ネオリベ派の皆さんにこそ読んでもらいたいと思います。


ヤ―マス下院予算議長は、民主党のプログレ議連のメンバーで、19年頃からジャヤパル議員らとPayGoルール撤廃法案を議会提出などしてきた反緊縮派です。

そんな彼が、驚くくらいドMMTerな発言を数多く行いましたので、報告したいと思います。

米国の国会議員、しかも議長レベルの人間が、こんなにはっきりと一つの経済学派の理論を強調することは見たことはありません。

例えば2019年1月に「グリーンニューディールの財源としてMMTを議論すべき」という発言で有名になったオカシオ・コルテス議員だって、実はそれ以来「MMT」という言葉さえ発したことはありません。
サンダースとケルトン教授の「財源の捻出方法はあまり主張せず、何にいくら使うかを強調しよう」という方針を守ってのことかもしれませんが。

それにしてもヤ―マス議員は、日本で言うところの衆議院・予算委員会の与党の議長というような立場ですので、今回のようなことは、非常に非常にまれなことだといえます。

ヤ―マス予算議長の一連のMMT発言は、ワシントン・ジャーナルのインタビューの場で出たものですが、その前の週に、議会の審議中にもケルトン教授の「財政赤字の神話」に触れています。
その部分から訳してみようと思います。

*時間がないなか翻訳したものなので、正確さに欠けるかもしれません。
少々のことはご容赦ください。
またC-SPANの文字起こしも間違っている箇所が多くありましたので、その場合はヒアリングでもって捕捉し翻訳しました。

 

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JUNE 9, 2021
Office of Management and Budget Fiscal Year 2022 Budget Request
https://www.c-span.org/video/?512435-1/white-house-budget-director-young-testifies-presidents-fy-2022-reques

【前略】チャイルドケアや貧困対策などのバイデン予算について他の議員たちと、シャランダ・ヤング(ホワイトハウスの予算局長代理)が議論した審議の総括として、ヤ―マス予算議長がスピーチをした。

〇 03:01:43 ヤ―マス予算議長
3年ほど前にロータリークラブで話をしたときのことです。私は、将来を生き延びるためにすぐにでも始めなければならないこと、強調しなければならないことが3つあると話しました。
1つは気候変動で、本予算でもこれに対応しています。
もう1つは幼児教育に力を入れることで、これも本予算で対応しています。
3つ目は、人工知能をどう扱うかということで、本予算ではどのような研究に取り組むかと、これも達成できるのではないかと考えています。
将来に向けての決断という意味では、この予算は大いに評価されるべきだと思います。
ここで簡単なスピーチをしたいのですがいいでしょうか。
人々が政府債務について心配している時に話すスピーチです。どうでしょう?
私たちは237年前から政府債務を管理してきましたが、ところで、皆さんの中で「あなたの分の借金を返済してください」と言われたことがある人はいますか?

〇 03:03:56 シャランダ・ヤング (ホワイトハウスの予算局長代理)
いいえ。

〇 03:03:59 ヤ―マス議長
我々が返済しなければいけなくなる可能性はあるのでしょうか?

〇 03:04:01 ヤング予算局長代理
いいえ、ありませんね。

〇 03:04:02 ヤ―マス議長
ドクター・ステファニーの「財政赤字の神話」という本があります。
彼女が政府債務について語るとき、「債務として考えるのではなく、国の歴史の中で連邦政府が国民に行った投資の総額から税金を引いたものとして考えるべきだ」と言っています。
これは政府債務についての公正な表現だと思いますか?


〇 03:04:30 ヤング予算局長代理
投資の際に負債を気にするのであれば、減税を検討する際にも気にしなければならないと思います。

〇 03:04:40 ヤ―マス議長
間違いないですね。例えばインフレの問題については、他の多くの同僚議員が述べたように、今年は比較的高いインフレ率が見られましたが、その一部は私の記憶では、確か3分の1だったと思いますが、レンタカーの価格の上昇によるものでした。
というのも、昨年はビジネスが行えなかったのでレンタカー会社はすべての車を売らなければならず、今度は買い直さなければなりませんでした。このような事態は今後は起こらないでしょう。

〇 03:05:16 ヤング予算局長代理
その通りですね。100年に一度のパンデミックで見られたこの興味深い事象には驚きましたが、しかしパンデミックで起こった現象をいくつか見て、その多くがパンデミックが原因であったと考えば驚くことではありません。

〇 03:05:32 ヤ―マス議長
さらに例を挙げると、需要が急減したため生産を中止したところ、誰もが住宅にもっとお金をかけたいと思うようになり、価格が大幅に上昇したということです。
インフレの上昇率はどの時点と比較しているかが重要です。
今回は販売停止から2ヶ月目でしたので、1年前の活動レベルの落ち込みに基づく価格設定から考えてパンデミック後の上昇率は通常よりも高くなると予想されます。どうでしょうか?

〇 03:06:26 ヤング予算局長代理
私たちは基本的な事実を見なければなりませんね。何と比較しなければならないのかと。まさに昨年のパンデミックがあったために今年の価格が高騰しました。

〇 03:06:34 ヤ―マス議長
もう一度、あなたの回答と知識、この予算でのあなたの仕事に感謝したいと思います。アメリカ国民のためにあなたと一緒に働くことを楽しみにしています。これにて審理を打ち切ります。

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どうやらヤ―マスさんはケルトン教授のファンみたいですね。
次のワシントン・ジャーナルのインタビューはさらに踏み込んで語っていますが、彼はしっかりとMMTの要点を理解していることがうかがえます。

このインタビューでは、ヤ―マス議員が、民主党員や共和党員からの電話での質問に答える形式になっていました。

 

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JUNE 17, 2021 | PART OF WASHINGTON JOURNAL 06/17/2021
Washington Journal
https://www.c-span.org/video/?512625-5/washington-journal-rep-john-yarmuth-d-ky-discusses-president-bidens-fy-2022-budget-request


〇 00:00:27 共和党議員 ケビン・ハーン 
私たちは、自助努力ができない人たちのために、年間1兆ドルを費やしています。アメリカ人の多くはその助けを必要としていましたし、そうした人々が仕事に就けるように支援すべきです。
しかしバイデン大統領の「アメリカン・ジョブズ・プラン」、また「アメリカン・ファミリー・プラン」は4兆ドル以上の計画、支出を要し、実際は、「反アメリカの家族計画」です。
「アメリカン・ジョブズ・プラン」は1.5兆ドル以上になりますけど。我々は総額で6兆ドルもの予算を話しているのです。
民主党員でさえ、下院と上院の幹部に手紙を送り、「財政を立て直さなければならない」と言っているんですよ。


〇 00:01:16 アナウンサー
ヤ―マス議長、この6兆ドルをはじめ、バイデン大統領が使いたがっているお金をどうやって捻出するんですか?
どこにそんな余裕があるのでしょうか?


〇 00:01:31 ヤ―マス議長
私たちは財源を捻出できますよ。なぜなら、経済システムにどれだけのお金があるかを決めるのは私たちだからです。
連邦政府は、他の通貨の使用者、つまり家計や、どの州や地方政府とも違います。
連邦政府は独自の通貨を発行しており、米国民のニーズを満たすのに十分な額を使うことができます。
唯一の制約は、その支出によるインフレーションを心配しなければならないことです。
私たちにはたくさんの借金があり、その借金は孫の世代のツケとして続くことになると言われますが、それは間違った理解です。
国民は金融システムがどのように機能しているかについて教育を受ける必要がありますね。
ポール・ライアンが予算委員会の議長を務めていたときのことを覚えていますが、それ以前にも、借金が増えたら金利が上昇し、他の支出が抑えられるクラウディング・アウトが起こるなどという悲観的な予測がなされていました。
しかし、2009年の景気後退からパンデミック前の昨年まで、国の借金は基本的に2倍になりましたが、人々が予測していたようなことは、どれも起こりませんでした。インフレにもなりませんでした。
インフレが起こらなかったばかりか、記録的な低金利が続きましたし、それでもドルは他の通貨に対して通常の水準で取引されていました。
多くのエコノミストが、私たちはこれまでまったく間違った解釈で負債について考えていたのではないかと言い始めています。
FRBのジェイ・パウエル議長も、基本的には、私たちには「財政的余地」があると言っています。(*訳者注: Fiscal Space = MMTの考え方では、需要が供給に達していないインフレでない状態であれば支出できる余地があると考えます)
私たちが望む未来のための経済を構築するために、必要な投資を行うために、今すぐ必要なことを行うためのスペースがあるのです。

 (*訳者注: 私にはパウエルが「Fiscal Space」と言ったという記憶はないし、検索しても見つからない。似たような発言があったことは確かだけど、Fiscal Spaceという語句を使用して積極財政を訴えたのは、ひょっとしたらイエレンのことではないだろうか。参考→ https://twitter.com/cargojp/status/1401395409965129736 )


〇 00:03:18 アナウンサー
なぜ人々はその点について間違ってきたのでしょうか?
政府債務と赤字についてどう考えればいいのですか?


〇 00:03:26 ヤ―マス議長
経済学者ステファニー・ケルトン教授の「財政赤字の神話」というベストセラーになった著書を紹介させてください。
彼女は、現在20兆ドルある国の借金を見て、それを借金と考えないでほしいと言っています。
政府が今までの歴史の中で、国に投資したお金から税金を引いたものが政府債務だと考えてくださいと。それが事実なのです。
この20兆ドルの累積債務は、連邦政府が発行する前には存在しませんでした。
連邦政府には資金を作り出す能力があり、それをこれからも続けていくことになります。
私がバイデン政権に感銘を受けたのは、何十年にもわたって私たちが間違った順序で問いを立ててきたことを覆していることです。
歴史を通して、私たちは「財源を捻出できるのか?」という問いを続けてきましたが、これは正しい質問ではありませんでした。
正しい問いとは、「アメリカ国民が私たち政府に何を求めているか?」であるべきで、それが最初の問いとなるべきです。
その答えが出れば、そのニーズにリソースをどう充てるかということに続きます。
それにはお金だけではなく、(生産)キャパシティも必要です。
例えば、「アメリカン・ファミリー・プラン」では、育児に2,250億ドルの投資が行われますが、十分なキャパシティがないので2250億ドルを保育料に充てないとは言えないでしょう。
そこで、(今までの政権は)偽りの約束をして、価格を差し引き、既存の保育の価格をさらに高くするのです。
保育を必要とする人々に十分な保育を提供するためには、その資金の一部を(生産)キャパシティの構築にも使わなければなりません。
繰り返しになりますが、お金についての考え方はさまざまです。
でも多くの人がこの概念を理解していない理由がわかります。
それは「返せないほどのお金を借りてはいけない」という家計の枠組みで考えているからです。しかし、政府はそのような立場にはなりえません。



〇 00:05:39 アナウンサー
あなたは、お金をたくさん刷っても何の影響もないと言いたいのですか?


〇 00:05:46 ヤ―マス議長
インフレになりすぎれば、影響が出るかもしれません。
例えば、アメリカの全家庭に20万ドルの住宅購入券を提供するとします。その結果、どうなるでしょうか。
住宅が足りなくなり、価格が高騰してしまいます。
これでは偽りの約束をしているようなものですし、住宅市場を維持できないレベルまで加熱させてしまいます。
経済に投入できるお金の量には限界があります。
それとレスキュー・プランについてですが、先ほどのケビン・ハーンは間違っています。
彼は「アメリカン・ファミリー・プラン」と「アメリカン・ジョブズ・プラン」に6兆ドル使うと言っています。
これは8年から10年の間の支出計画ことで、それほど大きな額ではありません。
大統領が提案した合計6兆ドルの予算は、「アメリカン・ジョブズ・プラン」やレスキュー・プランがなければ、実際には5.7兆ドルだったでしょうし、2022年度の予算はたったの3,000億ドルしかありません。
これらの数字は非常に大きいものですが、何年にもわたって支出するものです。
だからこそ、FRB議長や他の人たちは、一定期間にこの資金を注入しても危険なほどのインフレは起こらないので、これを行うための財政的余地(Fiscal Space)こそが必要だと言っているのだと思います。

【中略】

〇 00:07:41 アナウンサー
あなたの予算は、すべての面でバイデン大統領の予算と同じですか?


〇 00:07:49 ヤ―マス議長
すべての面でというわけではありません。私たちは、すべての委員長や各会派と会合を持ち、予算決議をどうするか意見を聞いています。
それとは別に、予算決議の一部である調整指示書に何を盛り込むかを決めようとしています。
調整のための指示とは、上院で単純に多数決で何かを可決するためのプロセスです。
その決定はまだなされていませんが、私は、大統領の予算の多くが予算決議案に盛り込まれると思います。
明確な変化があるでしょう。
そして私たちのメンバーは独立した考えを持っています。

【中略】

〇 00:12:00  アナウンサー
ジョージア州の共和党員、スコットからの質問です。


〇 00:12:03  スコット
おはようございます。あなたは、ほとんどの人は家計の視点で物事を見ており、政府には家計と同じような限界はないというコメントをされました。
家計と政府の間に違いがあることには同意します。しかし、政府にも限界がありますよ。
なぜなら、政府は国民が持っている以上のお金を持っていないからです。
そしてリソースには限界があります。
インフレが起きていることも確かです。私が行ったホテルでは、去年1泊300ドルだったのが、今では800ドルになっています。
それと、南ジョージアでは、雇用できる人に制限があります。人々は働きたくないのです。
政府はもっとお金を払わなければいけなくなりますが、でももうお金の供給が多すぎるんです。
私は、インフラ計画も必要だと思います。しかし、人為的に景気を上げて仕事を確保しようとする限りでですが、もう民間部門には十分な仕事があります。雇用を創出する必要はありません。
何かを作るために何かを作るのではなく、ただ何かを作ってください。


〇 00:13:23  ヤ―マス議長
最後のコメントに同意します。連邦レベルでお金を投資をするのであれば、意味のある重要な投資でなければなりません。
実際に経済力を高めるものでなければなりません。「アメリカン・レスキュー・プラン」や「アメリカン・ファミリー・プラン」は、それを実現するものだと思います。
無駄なプロジェクトにお金を投じることはできません。
あなたのコメントですが、「政府は国民が持っている以上のお金を持っていない」ということですね? いいえ、あります。
私たちは印刷機を持っています。お金を印刷するという表現は使いたくありませんが、とにかく政府は持っています。
アメリカの歴史の中で、私たちはずっと大きな負債を抱えてきました。なぜそんなことができるのでしょうか?
それは、政府が大量のお金を発行し、誰も借金の返済を求められなかったため、借金を賄うことができたのです。
制約となっているのは、過度なインフレーションです。
あなたが言うように客室単価が300ドルから800ドルになるかどうかはわかりませんが、現在多くのインフレーションが見られます。
しかしこれはパンデミックに関連したもので、需要に関連したものではありません。4月と5月に見られた数字は、すべてが閉鎖された昨年の4月と5月と比較しているため、数字が少し歪んでいるのです。
パンデミック中は、人々はどこにも行かなくなり、ガソリンを買わなくなりました。現在、ガソリン価格は上昇しています。
人々は飛行機に乗りませんでしたが、今は乗るようになり、航空券の価格も上がっています。
これらのインフレの多くは、昨年の春と今を比較していることが原因です。これはしばらく続くでしょう。そのことに疑問の余地はありません。このショーのオープニングでは、FRBのチェアマンであるジェイ・パウエルがボトルネックについて語りましたね。
いつも聞いていることですが、港に入るために船が並んでいます。しかし実際に出荷するためのコンテナが不足しているのです。
企業は、製品を作るために必要な物資を手に入れることができません。
私の選挙区にはゼネラル・エレクトリック社がありますが、部品が手に入らないため、サプライチェーンによってビジネスが混乱していると聞きました。
半導体についても、私の選挙区にはフォードの工場が2つありますが、車を製造するための半導体が手に入らないため、工場を閉鎖せざるを得ませんでした。
つまり、連邦政府の支出とは関係なく、世界的な複雑な状況と関係があるのだと思います。
願わくば、多くのエコノミストがこの問題を解決し、来年にはインフレ率が通常に戻ることを期待しています。


〇 00:16:46  アナウンサー
ニューメキシコの独立系メディアのチャールズの質問です。


〇 00:16:53 チャールズ
私は、左派の人たちの政治に対する考え方が、次のように二分されていることに気づきました。
一つ目は、環境保護のために人々の行動を制限すること。つまり、化石燃料を燃やしたり、エネルギーの使用を減らしたりすることです。
二つ目は、左派の人たちは、個人に対しては、何でも好きなことをしても、政府が必ず面倒を見てくれるという保証された生活を与えようと言います。
例えば、私生児の出産です。これは我が国の大きな問題である家族形成の問題に繋がります。
若い女性が一人で妊娠して子供を産んでも、お金はありませんし、子供は教育も受けられませんよ。
そこで左翼は何を言っているのか? 「我々は君たちの面倒を見て、教育を与えよう」です。
しかしそれには限界があります。
私は心から人類は人口過剰の時代に入りつつあると信じていますが、我々は無限のリソースを持っているわけではないのです。


〇 00:18:03 ヤ―マス議長
多くの人口統計学者が、米国の人口増加率が低い事実に危機感を抱いています。
同様に他の国でも、人口が足りないことを心配しています。
我が国ではこの1年で、出生率の伸びは50~60年ぶりの低さでした。
あなたの説は事実に裏付けられているとは思えません。
社会保障費について、2つのことを言いたいと思います。
結婚せずに子供を産みたいと思っている女性が、結婚している女性と同じサポートを受けられないのはなぜでしょうか?
私たちが子供たちを教育するのは、彼らが将来の人口であり、将来の税源であり、それが道徳的なことだからです。
どのような家庭で育ったかということに基づいて教育をするのではありません。
民主党員とそれ以外の人とでは考え方が違うのではないでしょうか。
私は、子供たちを大切にし、結婚していてもしていなくても、すべての国民を同じレベルのサポートで扱いたいと考える側にいるのが心地よいです。


〇 00:19:34 アナウンサー
メリーランドの民主党支持者のタイラーからです。


〇 00:19:36 タイラー
私は、さっきの質問に対するあなたの答えは素晴らしいものだったと思います。
あなたたちは議会で明らかな過半数を獲得しました。
私は民主党が超党派体制から離れつつあることを誇りに思います。
共和党から2重のインフラ法案もあると思いますか?
またジョー・マンチン上院議員のような人にはTax Race(法人増税・富裕税課税)に同意してもらえると思いますか?
そして、気候対策関連の法を憲法の修正条項に入れるよう共和党に働きかけることはできますか?


〇 00:20:17 ヤ―マス議長
人的インフラは含まれないでしょうが、道路、橋、空港、港などの共和党バージョンのインフラ法案がもしあって、超党派の合意が得られれば、私たちは大満足でそれを通過させるでしょう。そうしてくれることを願っています。
私たちがインフラと呼んでいるものの残りの部分、つまり人的インフラの部分には、2年間の幼児教育などが含まれています。
そして気候変動への対応、高齢者介護なども調和をもって進めなければなりません。
超党派の合意が得られれば、私たちはそれで満足します。残りの部分でもし取引が成立しなかった場合は調停によって行います。


〇 00:21:18 アナウンサー
私達は資力にあった生活をすべきだし、バブルの再来も危惧すべきではないでしょうか。
それに中国が私たちの国債を所有することにも抵抗があります。支払い期限はいつでしょうか?


〇 00:21:33 ヤ―マス議長
中国は私たちの負債のうち、およそ1兆ドルを所有しています。ただそれだけです。
もし彼らが国債の代わりに1兆ドルが欲しいと言えば、私たちはそれを彼らの口座に入れて、あとは彼らにまかせるだけですね。どの国とでも同じことをします。
中国が私たちの負債を所有していることを強調するのは過剰な表現です。それは負債全体の5%にも満たないものです。


〇 00:22:01 アナウンサー
次はサンディエゴの共和党員から質問です。


〇 00:22:32  共和党員
あなたの銀行口座にはどれくらいのお金がありますか? あの6兆ドルがいったい何なのかわかっていますか?


〇 00:22:43  ヤ―マス議長
はい、大体のことはわかっています。私の銀行口座にある額よりもはるかに多いですね。
今回の出演で私が言ってきたことは、政府と家計は異なるということです。
私たち政府は230年もの間、国のため、国民のためにお金を借りてきました。
国民のニーズは大きいので、これからももっと続けます。

そして私たちは国民に課税することを選択しました。
でももし、政府の資金調達を税金だけに頼っていたら、アメリカ国民が望むサービスをほとんど提供できないため、多くの人々が深刻な問題を抱えることになるでしょう。


〇 00:23:32  アナウンサー
フロリダの民主党支持者、トムからです。


〇 00:23:35  民主党支持者
思うんですが、より健康な国になるためには、どんどん成長しなければならないのでしょうか?
私たちは限りある資源を使い切っていますし、この狂った成長策を止めなければなりませんよ。
中国人に追いつくためには、必要なのでしょうか?
中国人が一人っ子政策をやっていなかったら、私たちは今頃世界大戦を経験し、全員死んでいたと思います。
それが今では3人家族になるでしょう。中国の人口は既に10億人を超えているんですよ。
私たちは彼らと人口で競争しようとしているのでしょうか?
だとするなら、より多くの資源と汚染が必要となるだけではありませんか。


〇 00:24:23 ヤ―マス議長
実際には国内では少子化が進んでいます。
そして私たちは実際には経済成長していないので、成長させる必要があるのです。
私たちは今のままではいけません。
私のように65歳になる人の中には、社会保障に頼り、医療を受ける資格のある人がたくさんいますが、このような社会保障プログラムの費用をまかなえるだけの労働力が十分ではありません。
以前は社会保障受給者を支えるために13人が働いていましたが、今では労働人口の増加が必要です。


〇 00:25:07 アナウンサー
さっきあなたが言っていた経済学の先生の本は何ていう本でした?


〇 00:25:13  ヤ―マス議長
ステファニー・ケルトンの「財政赤字の神話」です。
学術書ではなく一般市民向けに書かれていて、とても読みやすいですよ。
お金のことを考える気持ちが変わらなければ、考えさせられる本です。
私は、彼女が書いている現代貨幣理論(MMT)と呼ばれる理論について、多くの人と話をしてきました。
この本を読んだことがあり、貨幣について考えたことのある人たちはみんな、彼女は理論の基礎については基本的に正しいと言っています。
MMTに懐疑的な人々でさえ、彼女は何も間違ったことを言っていないと言っています。

まあ、いくつかの理論には同意できないかもしれませんが、彼女の基礎理論や他の理論は間違いないということですね。


〇 00:26:09  アナウンサー
彼女はC-Spanにも何度か出演したことがありますね。
C-span.orgに行けば、彼女の本についてのディスカッションを見ることができます。

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以上です。

なかなかのボリュームでしたが、ヤ―マス予算議長のとても興味深い発言でした。
彼は、MMTの要点をしっかり押さえているし、他の同僚議員ともMMTについて議論し、知識を深めているだろうことがうかがえますね。

我が国日本でも、このような経済学的レベルの高い議員が財政政策をリードすることを望みますし、マスコミや学者の皆さんにも、世界の常識が既に変わっていることをもっと意識してほしいと思います。

参考:
▼ IMF、FRB、ECB、米財務省のトップが「金利が成長率以下なら赤字支出できる」と言ってる事実
https://ameblo.jp/cargoofficial/entry-12671038773.html

▼ 【更新版】コロナ対策費、米国は637兆円、日本は59兆円!!【衰退国家ニッポン】
https://ameblo.jp/cargoofficial/entry-12670848967.html

▼ 世界中の識者が次々に唱える「前世代のパラダイムは終わった」の声 Vol.1
https://ameblo.jp/cargoofficial/entry-12634523521.html
 


本日はここまで。

長文におつきあいいただきありがとうございました。

ではまた次回。

cargo