高校を卒業し、仲間はそれぞれの道を歩む。
ある友人は大学へ、ある友人は専門学校へ、
そして仲間のほとんどは社会の荒波へと旅立ちました。
当たり前のことだけど、これはとてつもない挑戦が始まりであるわけです。
松本はというと…。
そのどれにも当てはまらない、存在。
いわゆるフリーターになるわけです。
「俺はサラリーマンにはならねぇ!!」
とはいえ、ロックスターにむけてうかうかしていてはいけません。
ロックンローラーたるもの親の世話になっていては、話になりませんので、
とにかく家を出ることを決意します。
とにもかくにも右も左もなく家を飛び出すこと、これ即ち当時の僕の『ROCK』だったわけです。
尾崎豊がそう歌ってたから!!
とはいえ、金がない。
金がなきゃ生活はできない。
仕事と住処、金と飯が手に入るところにいかないと。
そこで一番初めについた仕事が、自動車工場の期間従業員の仕事でした。
寮もあるし食堂もある、給料もいいし、なんだかロックっぽい。
一年近く汗と油と怒号の中で、必死に働いてました。
すっかりロックを忘れて。。。
「まずいぞ。これはもはやROCKじゃなくてただの工場の作業員ですよ!!」って
気づいたその日に行動!!
辞職し、一週間後に大阪に向かうのです。(東京は怖かったんです、いやまじで)
一年足らずしか働いていないのに、当時は退職金もいただき失業保険も支給されたので
大阪についてしばらくは余裕をもって生活していました。
というよりも、ほぼギャンブラーな生活でしたね。
朝起きて、パチンコ屋に並ぶ、週末は競馬、夜は麻雀。
来る日も来る日も
すっかりロックを忘れて。。。
っで。。。気づけば…金がない…。
金がないんです。働かないと!!!
っで、たまたま住処の横にあった喫茶店。
「とにかく今すぐでも働けます!!」ってすぐ採用。
それが僕の料理人人生のスタートになるわけです。
その店がとにかく刺激的なお店で、
いわゆるゲーム喫茶ってやつなんです。今の若い人は知らないかなぁ。
インベーダーゲームっていうのが昔はあって、それが大流行したんです。
そのゲーム機がテーブル代わりのお店。
僕らの時でもすでに時代錯誤なお店だったんですが、とにかくよく流行ってた。
飯が旨いって有名だったんです。
ピラフ、カレー、焼きそばにもちろんサンドイッチ。
ハンバーグ、エビフライ、スパゲッティ。
もうちゃんとした洋食屋さんのクオリティ。
そのうえゲーム喫茶。
で、なんとなんと24時間営業!!
場所は生野と東成の間。内環状線沿い。
まぁ治安が悪い悪い。
怖~いお兄さんやら、キンキラのお姉さんやら。
暴走族やら、堅気じゃない人やら。
タバコで真っ白い店内、爆音のBGM。
笑い声と叫び声、混沌の極み。
で飯が旨い。
ビビりながら毎日働いてたけど、
今思えばすげぇ楽しい空間だったし、スタッフの原さんが作る
「焼肉ピラフ」は、衝撃的に旨かった。
給料は恐ろしく安かったけど。
一生懸命働いた。
すっかりロックを忘れて。
一体、いつになったらロックするのか???
松本!!!
またそれは次のお話。
アディオス