CAR STYLING公式ブログ -19ページ目
シトロエン・メトロポリスの続きです。

メトロポリスのデザインは、PSA(プジョー/シトロエン)上海デザインセンター所属のデザイナーによるもの。しかし中国市場向けではあるものの、決して中国人だけを対象にしたデザインではない、という意気込みが車名に表現されています。目指したのは中国発の、世界に通用するデザイン。だから上海でも北京でも、香港でもなく「メトロポリス」なわけですね。

だからというわけではないのでしょうが、フルサイズのクレイモデルや走行可能なプロトタイプは日本のデザイン開発/モデル制作会社、神奈川県の某社で作り上げられています。フランスのメーカーが中国で構想して日本で具現化された、それがメトロポリスです。

なおモノトーンだったり部分的に色が残っていたり、というのは元の画像のまま。

まずは発泡モデルの作成。
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ここからはクレイモデルの作業。
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クレイモデルを削り終えた後、ダイノック・フィルムを貼る。
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上海からデザイナーたちも来日し、造形を煮詰める作業。
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デザインの最終チェック、そしてデザイナーの記念撮影。
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ここからはプロトタイプ制作の様子。
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完成したメトロポリスと、スタッフの記念撮影。
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次回からはドイツメーカーの紹介です。
(文:古庄速人、写真:シトロエン)
シトロエンから新規コンセプトカーは公開されなかったのですが、2010年の上海万博・フランス館に展示されていた大型サルーンのメトロポリスをひっそりと展示していました。

●Citroen METROPOLIS
PSAが2008年に開設した上海デザインセンターのスタッフによる、中国市場に向けた提案。「ラグジュアリーの究極」を目指してデザインされ、全長5.3m、全幅2mという堂々たるサイズを持っています。全高は1.4mですが、全長全幅が大きいために非常に低く感じられますね。
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プレスリリースでの表現も、中国を意識したものになっています。いわく「力強く壮観なボディは西安の巫女のように、繊細なパールシルクの長い服で緩やかに覆われている」 

凛として緊張感のある直線と、柔らかで官能的な曲線、曲面の巧みなバランスが気高さと美しさを表現している、とでも言いましょうか。セクシーさやグラマラスさとは異なる、繊細な美しさ。西洋人が東洋に求める美意識の反映といえるかもしれません。

エクステリアのカラーはしっとりとしていて、光の角度によって微妙に色合いを変える……らしいのですが、残念ながらショー会場の照明では、それを実感することはできませんでした。

スケッチ段階ではややマッシブさが誇張されていたようですが、CGレンダリングでは中国美人のスレンダーなイメージが表出しています。
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インテリアは具現化されませんでしたが、デザイナーは古琴(中国の弦楽器。グーチン)をモチーフにしたデザインを構想していました。
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完成したプロトタイプのポートレート。わずかにインバースした凹面リアガラスはCXやC6、つまりシトロエンのフラッグシップ・サルーン特有の個性です。
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シトロエンのアバンギャルドさはメカニズムで表現した、とのこと。2リッターV6エンジンとモーターのハイブリッドで、低速時や都市走行時はモーターのみで走行する想定。サスペンションは伝統のハイドラクティブ。このボディサイズならば無理なく実現できそうです。

ランプやモール等、艤装品の入念な作りこみ。
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クォーターピラーにある鋭角に折れるモールドはクォーターウィンドウを仮想させ、ウィンドウグラフィックスのワイド感を強調しつつ、後席空間の広さと快適さを予感させます。この直線的で鋭角の意匠は折り紙に着想を得たのだとか。またこの部分にLEDランプを埋め込んで装飾的に点灯させるのは、クォーターピラーにウィンカーがあったDSの独創性に敬意を表し、シトロエン流の個性を表現するため。
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ところでこのメトロポリス、フルサイズ・モックアップとプロトタイプの製作風景画像が大量にありましたので、次回に紹介します。

(文:古庄速人、写真:古庄速人/シトロエン)

昨日に続いてルノーのコンセプトです。

●Renault R-SPACE
ファミリー向けのスポーティMPVというキャラクターを持つRスペース。エクステリアの造形は次期セニックの予告なのかな? なんて深読みしたくなってしまいますが、いまのところルノーからコメントは出されていません。

ミニバンとしての車内空間を確保しつつ、クーペ風のスタイリッシュさを成立させようとするエクステリア。
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「これまで長い間、相容れない関係だと思われていた品質を統合した。つまり家族への愛情とスポーティネス、機能性と官能性を同時に備えるのがRスペースだ」とはコンセプトカー&ショーカー担当デザインディレクターのアクセル・ブレウン。
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MPVのコンセプトでありながら、いわゆる後部座席が存在しないという斬新な演出に注目。「前席は運転する楽しみのための空間、後席は子供専用の空間」というのがルノーの説明ですが……次期量産ミニバンの手の内は隠しておきたいということでしょうか?

ブロック玩具を思わせる形状が「子供のための空間」の主張なのですが、実はこれが各ブロックごとに上下することで窪みを作り出し、座席として機能する仕掛けになっています。一人なら一人分の窪み、ふたりなら二人分の窪みを作り出せることで「専用スペース」を生み出せるわけですね。

ここからはスケッチを紹介します。
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デザイン確定後のCGレンダリング。
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完成したプロトタイプ。ルーフの模様は室内床面や後席部分のブロックパターンを踏襲。内外装のイメージ統一を図る手法のひとつ。
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前席は官能的。インパネからドアへ連続するグラフィックはドライバーとパッセンジャーを同時に柔らかく包み込み、座席背面はドライバーがパッセンジャーの腰に手を回し、優しく抱きかかえるグラフィックス。ファミリーカーとしての機能性と「ふたりのためのデートカー」という官能性を表現するインテリアです。
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次回はシトロエンです。
(文:古庄速人、写真:古庄速人/ルノー)
昨日は東北東日本大震災復興プロジェクト『カーデザイナーにできること』の活動で第1回工作教室を紹介しましたが、5月25日~6月7日には三越日本橋本店で開催された「SOON@三越日本橋Part2」にあわせて活動紹介展示イベントも行なわれました。

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SOON@三越日本橋Part2は「つなぐデザイン」の日原佐知夫さんがプロデュースされている「SOON JAPAN DESIGN PROJECT」の家具の展示イベント。この展示会に『カーデザイナーにできること』の発起人である根津孝太さんが参加され、同時にオリジナルミニ四駆の展示も行なったのです。

期間中は作品を順次入れ替えていたそうなので、すべてが展示されていたわけではありません。私が行った日はこれらの作品が展示されていました。

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ミニ四駆たちが家具に囲まれながら、インテリアの一部として溶け込んでいます。部屋に数台のミニ四駆を飾って眺めるのもいいかもしれませんね。走らせてなんぼのミニ四駆ですが個人的にはこういうのもありかな、なんて思っています。

展示物のアクリルケースの端に飾られている鳥のオブジェは根津さんがデザインした"kotori"。これはSOON@三越日本橋の展示作品のひとつです。

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今回展示されていたオリジナルミニ四駆は前回のタミヤファクトリー新橋店にも登場したものでした。できれば前回にはなかった新作も見たかったですが、別の日に行っていれば見れたかもしれませんでしたね。

ブログにも次々と新作のオリジナルミニ四駆が投稿されているようなので、次回の展示イベントのときにはぜひ新作も見たいところです。



イベントレポートや投稿された新作のオリジナルミニ四駆をチェックされたい方は『カーデザイナーにできること』公式ブログを、また活動報告や今後の予定については公式HPをご覧ください。カースタイリングでも次回の展示イベントについて、詳細が入り次第お伝えします。

公式HP:http://www.mobilabo.net/cdd/
ブログ:http://mobilabo-cdd.blogspot.com/

(文/写真:高田仁志)
それでは、完成車メーカーのコンセプトカーにいきましょう。
ジュネーブはフランス語圏ということで、まずはフランスのメーカーから。

ルノーは2台のコンセプトを公開。2010年のデジールで最初に具現化されたエモーショナルなスタイルテーマを、SUVとミニバンに適用するとどんなスタイリングになるか、というスタディですね。

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どちらもルノーが掲げる新しいデザイン戦略"THE ACCENT ON EMOTION"に従ってデザインされています。


●Renault CAPTUR
2台のうち、よりアドバンス色が強いのはこちらのカプテュール。若いカップルを想定ユーザーにした2+2のクーペ風SUVです。

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エクステリア担当デザイナーのジュリオ・ロザーノによれば、陸上競技やエクストリーム・スポーツの選手から着想を得たとか。スタート直前の緊張感みなぎる筋肉の力強さや、号砲と同時に解き放たれるエネルギーを表現している、とのこと。

またエクストリーム・スポーツで着用されるヘルメットやプロテクターなども参考にした、とのことで、これはディテール表現に反映されていることが窺えます。

それではスケッチをご覧ください。残念ながら最終的に選ばれた提案だけですが、前後タイヤを繋ぐ骨格筋のような曲面を持つボディ側面のアイデアがわかります。
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こちらはデザイン確定後の最終CGレンダリング。
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カプテュールは走行可能なプロトタイプで実際に走行している画像もありますが、どうやら完成したプロトタイプの画像に背景を合成・加工して走行シーンに仕立てたもののようです。フェンダーのスリット内にはLEDがあり、内部にみなぎり、溢れ出しそうなエネルギーを光で表現。
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エクステリア以上にインテリアはユニークな提案。LEDを用いて間接照明を造形に組み入れるアプローチは、多くのメーカーが挑戦しています。
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テーマカラーはオレンジで、樹脂性チューブのラインが特徴。センタートンネルやダッシュボード、ドアには半透明の樹脂パネルが被され、その内側にチューブが張り巡らされている様は筋肉か、はたまた血管かと思わせるもの。エクステリアは人体の外見、インテリアはその内部を想起させるデザインになっているわけですね。

「チューブを光らせることで、明るさとともにクルマが持つダイナミックスさをキャビン内にも伝える」とインテリア担当デザイナーのマガリ・グローボージャース。座席もハンモック状で、後席座面兼荷室は三層それぞれの張る方向を変えることで床面としての強度を高め荷物を保護。厚みを感じさせて安心感を与える視覚的機能も高そうでした。

前席は床に脚を伸ばすのではなく、センタートンネルから伸びたアームの上にレイアウト。視覚的に浮遊したような感覚をもたらすデザインです。
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上の画像はレンダリングの可能性もありますが、ここからは実際のプロトタイプの画像。
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ちなみにカプテュールのプロトタイプ製作は、ルノーとは昵懇の仲でもあるイタリアのデザイン開発/モデル制作会社、Gストゥディオが担当しています。

カプテュールの主要諸元は以下の通り
Dimensions
Length: 4223 mm
Width: 1950 mm
Height: 1586 mm
Wheelbase: 2624 mm
Front track: 1684 mm
Rear track: 1684 mm
Kerb weight: 1300 kg
Tyres: 250/40 R22
Cd: 0.31
Engine
Engine: Energy dCi 160 Twin-Turbo
Power: 118 kW (160 hp)
Capacity: 1598 cc
Peak torque: 380 Nm
CO2 emissions: 99 g/km (NEDC combined cycle)
Transmission: EDC (Efficient Dual Clutch)
Top speed: 210 km/h

次回はもう一台のルノーのコンセプト、Rスペースです。
(文:古庄速人、写真:古庄速人/ルノー)
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5月21日(土)に第1回目のミニ四駆工作教室が、JICA(独立行政法人国際協力機構)二本松青年海外協力隊訓練所で開催されました。

私自身、今回のイベントには立ち会っていませんので、詳細は「カーデザイナーにできること」の公式ブログをご覧ください。
http://mobilabo-cdd.blogspot.com/2011/05/jica.html
http://mobilabo-cdd.blogspot.com/2011/05/jica_27.html

訓練所に避難している子供たちを対象に工作教室が開かれましたが、ミニ四駆は初めてという子供たちがほとんどだったそうです。そんなミニ四駆初心者の子供たちが、デザイナー/クリエイターのオリジナル作品を楽しそうに眺めたり、真剣な表情でミニ四駆を作成したり、そして完成したミニ四駆を持って笑顔でカメラに応えたりしています。

また笑顔が増えただけでなく、ミニ四駆を通じて"ものづくり"の楽しさも感じてもらえたのではないでしょうか。写真で見る子供たちの表情がとても印象的です。

今回が第1回ということで、これからも工作教室は続いていきます。次回は7月10日(日)に東京都杉並区の高井戸第二小学校で開催される予定です。工作教室の先生として参加できるクリエイターもしくはボランティアの方を募集されています。

7月17日(日)にも群馬県吾妻群のコニファーいわびつという施設にて開催予定ですが、こちらはまだ詳細未定だそうです。詳しくはブログをご参照ください。

公式HP:http://www.mobilabo.net/cdd/
ブログ:http://mobilabo-cdd.blogspot.com/

イベントに立ち会えかったときでも、プロジェクトの活動報告は紹介していきますので、よろしくお願いします。

(文:高田仁志)
イタルデザインの次はベルトーネにいきましょう。何枚かのスケッチを入手できたので、それも紹介します。

●Bertone JAGUAR B99
ジャガーのブランドが冠されてはいますが、これはベルトーネの自主制作コンセプトカー。次世代ジャガー車のデザインを示唆するものではなく、マイク・ロビンソン率いるデザインチームによる高級コンパクトサルーンのスタディです。車名はベルトーネが2012年に100周年を迎えることを示すもの。

ただしジャガーの次期量産車プロジェクトにベルトーネが関与していて、それを匂わせるために公開された可能性はあるでしょう。

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プロジェクトをスタートするにあたり、デザイナーたちはスケッチを描く前に“From Cats to Cars”と呼ばれるリサーチ・プログラムを実施してジャガーの生物的特徴を確認し、それをスケッチで表現するプロセスを経ているのだとか。

なるほど、たしかにたくましい前後脚は力強い前後フェンダーに、スマートな胴は小ぶりなグリーンハウスに表現されていると納得できます。ただしこれらの要素は、歴代ジャガー車が少なからず備えていたもの。結果的にB99も、これまでのジャガー車を尊重したスタイルとなっているわけです。

ちなみにB99の全長x全幅x全高は4.5x1.95x1.35m、ホイールベースは2.8mというDセグメントサイズ。写真で見るともっと大きなサイズに感じられますが、これはボディ前後が大胆に丸められ、ワイド感が強調されているため。またウェッジシェイプを否定して水平のキャラクターラインを与えたことや、前後ランプを同じ高さにし、やはり水平の形状にしたことも大きなボディに見える要因でしょう。

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迫力あるエクステリアとは対照的に、インテリアのテーマはミニマリズムをいっそう洗練させる方向。いかに少ない要素でラグジュアリー感を演出するかが焦点。クラシカルなシリンダー状のメーターやセンターアームレストをアルミ製にしたことも高品質感に貢献しています。

それではデザインスケッチをご覧ください。インテリアのスケッチはコンセプトボード風にレイアウトが汲まれています。
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ここからはデザインが確定した後のCGレンダリング。やや下品な色になってしまっているのは、編集部で画像の明るさを調整したためです。もともとはシックで深みのあるパープルだったのですが、画像が暗すぎて形状がよくわからなかったため、あえてかなり明るくしています。
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ところでブースにはもう一台、B99をベースにしたGT2マシン、B99GTのモックアップが置かれていました。
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B99の想定メカニズムは1.4リッターエンジンとモーターを搭載するハイブリッドですが、ハイブリッドを維持しながらGTレースマシンを作り出すアイデアです。B99をジキル氏に見立て、このGTマシンは「ミスター・ハイド」なのだそうです。

スケッチからは、なんとなくアニメっぽい雰囲気が。フィンやスリット、突起などで迫力を出すのは、日本に限らず世界中のバーチャル・コンテンツにおけるメカデザインの常套手段。つまりはプロダクトデザインの本質よりも、見た目のかっこよさを優先してブランドの注目度を高めようとするアイデア、ということでしょう。なるほどハイド氏です。
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こちらは走行シーンのCG。グリーンはジャガーの伝統とクリーンさの表現ですが、年配のモータースポーツファン、とくにアメリカ人には、モノトーンに鮮やかなグリーンのアクセントというカラーリングにジャガーらしさを見出す人もいることでしょう。
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IMSA-GTPクラスのグループ44ジャガーを思い出す人はどれだけいるでしょうか?

モックアップに具現化されてはいないのですが、インテリアもデザイン。2010年に公開したパンディオンのテーマを、ロールケージに応用するスタディ。機能部品の性能を保ったままスタイリングし、機能性と審美性を両立させるための模索。
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ここ数年は分裂や再統合でゴタゴタの続いていたベルトーネですが、ふたたび団結してこうした提案を見せられるようになったことは喜ばしいですね。

次回からは開発会社はひとまず置いて、メーカーのコンセプトカーを紹介します。
(文:古庄速人、写真:古庄速人/ベルトーネ)
さてさて、またまただいぶ間が空いてしまいましたが、ジュネーブショーのコンセプトカー紹介を始めたいと思います。

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まずはジュネーブの華、大手カロッツェリアから。以前はイタルデザイン、ベルトーネ、ピニンファリーナ、I・DE・Aなどのイタリア勢がひとかたまりとなったブース配置だったのですが、今年からイタルデザインがフォルクスワーゲン村へ移転。いままでとは雰囲気の異なるレイアウトとなっていました。

そのイタルデザインは、VWのバッジを大きく掲げた2台のコンセプトカーを公開。本来ならば「VWのコンセプトカー」として扱うべきなのでしょうが、ここではメーカーとは別にブースを展開したイタルデザインを尊重し、あえてイタルデザインの作品として紹介したいと思います。

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公開された2台は、同一プラットフォームから小型MPVと古典的ハッチバック・クーペという2つのキャラクターを展開するとどうなるか、という実験的アプローチ。VWの新プラットフォーム、MQBを用いて全長4mのEVとプラグイン・ハイブリッドを具現化しています。

どちらもスタイリングは「ジウジアーロ流」、つまりスタイリングよりもパッケージレイアウトを素直に包み込む機能性を重視。装飾的要素は少なく「イマドキのスタイリッシュさ」を持たないために、いささか退屈なデザインだと思う人もいるかもしれません。

しかしこれは「カッコよさ」をアピールするコンセプトカーではなく、新プラットフォームの展開自由度の高さ、パッケージレイアウトや搭載パワーユニットの多様性をアピールするもの。今回はEVとガソリン・ハイブリッドですが、MQBプラットフォームはこのほかに燃料電池、天然ガスなどさまざまなパワーユニットを搭載することが可能になっています。

この提案を受けたVWのデザイナーが、どのようなスタイリングを具現化し、商品化するのか。それを楽しみにしたいところですね。


●Italdesign GO!
3995mmというポロと同等の全長ながら、パサートと同じ2500mmというホイールベースを持つEV。シティカーとしての提案ですが床下、とくに座席下を中心に電池をレイアウトし、アップライトな着座姿勢とすることで搭載空間を確保。航続距離は240kmとなっています。

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全長にたいして全高が大きいためにドアパネルが上下に厚くなり、鈍重に見えてしまうのを避けるためにサイドウィンドウが大きくされています。

横一文字のピラーはガラスの開閉部分の確保と、乗員に適度な「包まれ感」を与えて不安感を取り除くためのアイデア。

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パッケージレイアウト図では「フルサイズSUVよりも広いキャビン」が理解できます。

GO!は特定の車種の将来形を示唆するものではありませんが「ゴルフやゴルフプラスなどのファミリー・フィーリングを損なうことなく、革新的なソリューションを提供するもの」とイタルデザインでは説明しています。未来のゴルフへの出発点だからGO!という名前なわけですね。

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ダッシュボードの量感を可能な限り減らすことで室内空間の拡大に貢献するインテリア。メーターパネルはフロントガラスのすぐ後ろにある液晶モニター。

センタークラスターのスイッチはすべてタッチパネルで操作できるようにすることで省スペース化する提案。

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●Italdesign TEX

いっぽうTEXは3990mmの全長でハイブリッドを実現する、コンパクトクラスのスペシャリティクーペ。オーバーハングもボンネットも短いGO!と異なり、TEXは比較的長いノーズを持っています。ただしこの下には1.4リッターエンジンと駆動用モーター、それにDSGが収められています。

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ちなみに車名は1948年から刊行されたイタリアの漫画「テックス・ウィラー・シリーズ」から。西部開拓時代のアリゾナを舞台に正義感溢れる主人公テックスが銃を片手に活躍するヒーローもの。

この漫画の設定が、新興国市場の開拓に乗り出し、北米工場を新設してアメリカでのシェアアップをも目論むVWの姿勢と一致するように思えるのは偶然でしょうか?

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インテリアはややタイトな2+2レイアウト。FFですがセンタートンネルがあり、この中にリチウムイオン電池が収納されています。ダッシュボードは2トーンカラーで、操作系をすべて黒い樹脂パネルに集中させてコックピット感覚を演出。

またドアパネルは、通常のようにグリップやアームレストが「壁面から生える」のではなく、壁面を削り込んで室内空間を拡大し、削り残した部分がグリップとアームレストになっているという表現。

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GO!とTEXの主要諸元は以下の通り
GO!
Dimensions

Length:3990mm
Height:1555mm
Width:1745mm
Wheelbase:2700mm
Front Track:1505mm
Rear Track:1505mm
Tyres:205/45 R18
Trunk Volume:220-525liter
Performance
Maximum Speed:130km/h
0-100 km/h:11.3sec.
Powertrain
Type:Electric Motor
Position:front traverse
Type:PSM
Power peak (cont.):85(45)kW
Torque:225Nm
Gearbox:single gear
Batteries
Capacity:33.1kWh
Type:Li-Ion
Cooling:Water
Range:240km

TEX
Dimensions

Length:3990mm
Height:1355mm
Width:1750mm
Wheelbase:2595mm
Front Track:1515mm
Rear Track:1515mm
Tyres:225/35 R19
Trunk Volume:225liter
Performance
Maximum Speed:220km/h
0-100 km/h:6sec.
Powertrain
Type:Plug-In Hybrid
Combustion Engine
Position:front traverse
Engine Displacement:1.4liter
Engine Cylinders:4
Engine Valves:16
Charger:Turbo
Power:110kW
Torque:225nm
Electric Motor
Position:front traverse
Type:PSM
Power peak (cont.):85(45)kW
Torque:260Nm
Combined
Power:177kW
Torque:400Nm
Gearbox:7DSG
Batteries
Capacity:8.5kWh
Type:Li-Ion
Cooling:Water
Range:35km

(文:古庄速人、写真:古庄速人/イタルデザイン)
このたびカースタイリング公式ホームページをリニューアルしました。

ここしばらくの間、ホームページの機能を停止させた状態が続いていましたが、ようやく再開することができました。皆様にはご心配とご迷惑をおかけしてしまい、大変申し訳ありませんでした。

一度リセットしてしまったため、少ないコンテンツからの再スタートとなりますが、こまめにコンテンツを増やして以前より充実したホームページにしていく予定です。ぜひこまめにチェックをしてみてください。

新しいホームページは下記URLよりアクセスできます。
公式HP:http://carstyling.co.jp/

ブックマークへの登録をよろしくお願いします。

また、ブログもこれまでどおり更新していきますので、こちらも引き続きよろしくお願いします。
公式ブログ:http://ameblo.jp/car-styling/

(編集部)
しばらくブログの更新ができず申し訳ありませんでした。先週まで新刊の編集作業に追われて、ほかの作業にまったく手がつけられない状態でしたが、ようやく校了し一段落つきました。まずはここで新刊の告知をします。

カースタイリング・スペシャルエディション
The Century of the Car Design 2
『イタリア車のデザイン 量産車メーカー編』
が5月27日に発売します!

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前回の『ドイツ車のデザイン』に引き続き、
カーデザインの世紀(The Century of the Car Design)シリーズの第2弾です。

イタリア自動車産業の歴史はヨーロッパの列国より遅く、トリノにFIATが設立された1899年から始まります。基本テクノロジーは先進諸国の借り物ながら、コーチワークの美しさにかけては他国に引けをとりません。イタリア車に官能的な美学や操る楽しさをもたらしたものは何か? 

イタリア車のすべてを一冊にまとめるのは困難なため、今回は量産車メーカーに焦点を当てました。次回にカロッツェリアを特集し、2巻にわたってイタリアン・デザインの特性を解き明かしていきます。

メーカーの特集以外にも、イタリアのデザインスクールの紹介やメーカーに勤務した日本人の体験記など、ほかではなかなか知ることができない記事を特集しています。イタリアの自動車を取り巻く環境をより詳しく知りたいかたはこの本を手に取ってご覧ください。価格は1800円(+税)。ぜひお買い求めください。



―もくじ―
・工芸とモダン・デザインが調和したイタリアのID製品
・イタリア主要ブランドの所在地/イタリア車とは?
・イタリア産業界の盟主 フィアット・グループ
  イタリアのアイコンになったフィアット500
・スポーツ・フィアットの象徴 アバルト
・イタリア人の情熱が作り上げた アルファロメオ
  早すぎたのか日伊合弁プロジェクト“ARNA”
・プレミアム路線を貫けるか ランチァ
・孤高のスポーツ・サルーン マセラティ 
  アドルフォ・オルシJrが語る マセラティのデザイン
  衣装豊富なマセラティのデザイン
  現行マセラティのデザインに思う
  マセラティのデザイン特性
  OSCAの終焉そして新生OSCAプロジェクト
・新局面に踏み込んだ フェラーリ
・反骨精神に満ちたエグゾティック・ブランド ランボルギーニ
・新体制で復活した デトマーゾ
・着実に前進する パガーニ/アメリカに移転した チゼータ
・歴史の渦に消えたブランド
・The Future of the Italian Cars
  イタリア車の未来に望むこと
  イタリアのカー・メーカーが拓く未来
  カロッツェリアが描くアルファロメオの未来
・もうひとつのイタリア車「ミクロヴェットゥーラ」の現状と課題
・イタリアの企業で研修した日本人デザイナーたち
・イタリアのデザイン・スクール
・Owners Club in Japan
・Italian Car Design Chronology イタリア自動車概略年表

定価:1890円(本体1800円+税)
版型:A4ワイド、112ページ、フルカラー

よろしくお願いします。

(編集部)