ATF交換-レクサス(LS500h)トルコン太郎での圧送交換 ハイブリッドは要注意です! | フリークのブログ

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同業者様からのご依頼で、レクサスLSハイブリッドのATF圧送交換を行いました。

 

 

このミッション、どうやらトラブルを起こした例がちらほらある様で、

それを危惧されての圧送交換でした。

 

トラブルが出た場合は、レクサス店でのミッション丸ごと交換になったそうで、やはり、飛んでもない金額となるそうです。

 

 

何でそんな事に!?

 

そう思っての作業でしたが、

その一因となりうる原因が分かりました。

 

実はこの作業を行ってから数ヶ月経つのですが、

この情報をトルコン太郎メーカーのJAMさんへも渡していて、

以後、全国で同じ様な情報が出て来るのかアンテナを張っていたのですが、昨日連絡が入り、やはり同じ状態となったレクサスハイブリッドに当たったという事でした。

 

結論から言いますと、

レクサスハイブリッドは定期的なATF交換が必要という事です。

 

では、作業を開始して行きます。

 

 

 

リフトアップ。

 

 

 

手前がドレンプラグ、

奥がオーバーフロープラグです。

 

 

 

ATFを排出します。

 

 

 

トランスミッションコントロールモジュール(以下、TCM)。

 

 

 

取り外したオイルパン。

何か浮いています。

 

 

 

白いツブツブが大量に・・・

 

 

 

 

水分が混入していて、

それが白い固まりの粒になっています。

 

 

 

指でかき混ぜると全体に白濁が広がります。

 

 

 

色んな所で固まりになって溜まっています。

 

今はオイルパンの底に溜まっているだけですが、

エンジンがかかってフルードが動き出し、これらが浮遊し始めてTCM内部に噛み込んでいくと、様々なトラブルを生じます。

 

ATやCVTに使用されているフルードは特殊な合成液体で、適切にかかる圧を最適な形で次に繋げて行きます。

 

そんな、研究し尽くされて採用されているスペックのATFの中に、水の粒が混じっているのです。

 

この様な状態は、今まで沢山のATやCVTを分解して来ましたが、見た事無いものでした。

 

先日JAMさんの方でコーチングの為施工したレクサスハイブリッドはさらに酷い状態だったらしく、作業された営業の方から連絡頂きました。

 

 

 

原因に付いてですが、

 

ミッション内部に存在する空気に含まれる水分が、

日々繰り返す温度上昇と下降の中で結露などを繰り返し、

どんどん溜まって行ったものだと思われます。

 

ミッション内部油温がもっと上昇するのであれば水分も飛ぶのでしょうが、ハイブリッドの為そこまでの上昇は見込めず、熱くはなるものの、それは空気膨張させた後の収縮時、外気を吸い込んで水分をどんどん体内に取り込んでいる事に加担してしまっている様です。

 

エンジンもATと同じ様に空気の出入りを繰り返しているのですが、構造上温度が上がり難く水分が逃げて来やすい場所となってしまったオイルフィラーキャップの裏に大量の白濁した水分がこびりついているというのがあります。

 

 

オイルやフルードに対して、一番悪影響を及ぼすのは水分です。

温度でも加圧でもありません。

 

※最近のエンジンオイルフラッシングなどでは、ウォータードレン効果を持たせたものも多く出て来ています。アイドリングストップ付き車やハイブリッドは油温が上がらない為オイルの劣化が激しく、水分混入によるトラブルも多い為、水分除去は課題となっています。

 

 

 

 

磁石には鉄粉がびっしり吸着しています。

 

 

 

しっかり掃除をして、装着の準備に入ります。

 

 

 

ミッション側も掃除が出来る所は出来る限り綺麗にし、

ATFストレーナーを新品に交換します。

 

 

 

オイルパン装着。

 

 

 

走行27,600kmでこの汚れ具合です。

 

 

 

トルコン太郎を接続。

 

 

 

先に抜けた量を充填してからエンジンスタート。

 

 

 

トランスミッション油温をデータモニターしながら、

 

 

 

油量調整温度となった所でオーバーフローさせて調整します。

 

 

 

オーバーフローで出て来たフルードを採取して並べ、

フルードの新旧比較です。

 

 

 

これで当面の間、安心してお乗り頂けます。

ご用命、ありがとうございました<(_ _)>

 
 <参考データ:車両走行距離  27,600km>




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