トラブル修理-BMW 320i(E91)朝一など、冷間時の調子がメチャクチャ悪い | フリークのブログ

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「それって幾らになるの??」にも、明確にお答えします(^^)

松山市内の業者さんからBMWのエンジン不調修理のご依頼です。

 

とにかく朝一の調子が悪いそうで、

診断機で診ると、

 

・2番シリンダーミスファイア

・3番シリンダーミスファイア

 

を検出していたという事で、既に、

 

・イグニッションコイル 4本全て

・スパークプラグ 4本全て

 

を交換済みという事ですが、調子は全く良くならないので困っているという事です。

 

 

 

 

BMW E91です。

 

診断機を接続して診てみますと、

 

・29CE ミスファイア シリンダー2

・29CF ミスファイア シリンダー3

・29CC ミスファイア 複数シリンダー

・30EA DeNox キャタライザー 硫黄化

・2D28 差圧センサー インテークパイプ

・2AF4 酸化窒素センサー 電動

・2AF2 酸化窒素センサー 線形ラムダ

・2AF6 酸化窒素センサー 2元ラムダ

・2D59 DME 内部故障 実測トルクモニター

・5E19 エンジンコントロール インターフェイス

・2E30 インジェクター No1 制御

・2E31 インジェクター No2 制御

・2E32 インジェクター No3 制御

・2E33 インジェクター No4 制御

 

とまぁ、なかなか激しい内容です(^^;

 

 

 

エンジンを始動していない状態で、スパークプラグをチェック。

 

 

2番シリンダーはビショビショです。

 

 

他の3本は湿っている事はありませんが、交換したばっかりのスパークプラグらしからぬ状態。

 

 

煤で真っ黒になっています。

 

 

シリンダー内のHC残留濃度を計測していきます。

 

・1番 1,430ppm

・2番 測定限界振り切り

・3番 2,300ppm

・4番 1,630ppm

 

これで大体の予想は付きましたが、念のため圧縮も測っておきます。

 

 

 

圧縮測定の結果は、

 

・1番 1,450kps

・2番 1,550kps

・3番 1,400kps

・4番 1,300kps

 

計測過程でも、2番シリンダーの上がり方が特に早くて数値も高いので、やはり燃料が垂れている事が今回の原因の様。

 

見積もりをして業者さんに連絡。

お客様からも修理の了解を頂けたので、部品を手配。

 

 

部品が届いたので保管場所に車を取りに行き、エンジンを始動すると早速にチェックランプ点灯。

そして、エンジンは絶不調!!

 

 

白煙も凄いが・・・

 

 

 

なんと、マフラーからガソリンが出ています!!

 

 

 

表の道路を、マフラーから出たガソリンで汚してしまった・・・

アスファルトを溶かしてしまう前に大量の水で洗い流します。

 

ここまで酷いとエンジンオイルも希釈されていると思うし、何より、ちょっと怖いですよね。

 

まさかここまで酷い症状だったとは・・・

 

 

 

やっぱり2番シリンダーのプラグはビショビショです。

 

 

今回は、HC残留濃度の高かった2番と3番の両シリンダーのインジェクターを交換します。

 

 

 

このE91に搭載のエンジン「N43B20A」は直噴エンジンです。

直噴エンジンは高圧・高反応を必要としますから、採用されているのはピエゾ式インジェクター。

1,000分の1秒での反応速度を誇りますが、

そのお値段は、1本が5万円を軽く超えます。

 

 

問題の2番のインジェクター。

先端はこの状態です。

 

 

 

2番、3番を取り外し。

 

 

 

新品のインジェクター。

 

 

 

登録には刻印番号が必要。

 

 

連結エレメントも、

 

 

同時交換となります。

 

 

 

噴射口。

 

 

 

交換完了です。

 

 

診断機を使ってインジェクター刻印の番号を入力します。

 

 

新たに登録したインジェクターは、コントロールユニット側で値の変更が行われ、近似の適正値へと自動で変更が加わえられ、DMEへと書き込まれます。

 

これでインジェクターの交換作業一式は終了です。

 

 

 

あとは、どうしても残ってしまうこの現在エラー「30EA」。

消しこみをかけても消えてくれません。

 

今までのブログでも書いた事ありますが、対策を施します。

 

 

高速道路を走る必要がありますが、

その前に、ガソリンにて希釈されているエンジンオイルを交換します。

今入っている粘度は分かりませんが、かなりビシャビシャです。

 

 

 

診断機を接続して触媒コンバーターの項目に入っていくと、

再生機能に付いての情報が表示されます。

 

 

 

日本の法規は、ドイツ車には通じません。

 

 

 

ロイヤルパープルのマックスクリーンは高性能燃料添加剤です。

クリーニング効果が非常に高いので、今回のフォルトが表示された場合は、フリークではこちらを添加させて頂いてから高速走行を行っています。

 

ちなみに、1本4,150円(税込4,565円)です。

 

添加をした後、ハイオクを満タンに充填してタンク内で撹拌します。

 ※ガソリン代は別途頂く事をお客様に了承済み

 

<注意>

「30EA キャタライザー硫黄化」の故障コードに対して行う今回のルーティーンは、必ず事前のチェックが必要です。

確認をしないまま、燃料添加剤添加→高速走行を行うと、デトネーションからのパックマンで、ヘッドO/Hとなってしまいます。

詳しい情報が必要な方は連絡下さい。

 

 

 

 

走行前のデータ。

 

 

 

高速走行すると、排ガスの温度は600℃位まで上がります。

というか、上げます。

 

 

 

キャタライザーの硫黄残留値が下がりました。

納車後も乗って頂く事で、更に下がってくれます。

 

 

 

NOx系のエラーは過去エラーへと勝手に切り替わりました。

 

マフラー内部に溜まっていたガソリンも、NOx系統のエラー要因になっていると思われます。

 

調子は良くなり、高速走行した事によってフィーリングも随分向上しましたが、あれだけガソリンが回っていた経緯もありますので、以後の様子も観察して下さいとお伝えし、今回の修理作業は完了です。

 


今回の「冷間時エンジン不調」修理では、

 ・インジェクター 2本

 ・連結エレメント 2個

 ・燃料添加剤(ロイヤルパープル マックスクリーン)

 ・エンジンオイル

 ・高速代

 ・ガソリン代

以上の作業を行っております。

ご用命、ありがとうございました<(_ _)>

 
 <参考データ:車両走行距離  46,130km>


費用に付きましては、同業者様からのご依頼の為、伏せさせて頂いております。


※同じ内容の故障事例でも、作業内容や手順、個体差や経年劣化、部品価格の変動等により必ずしも同一価格・同一修理とはなりません。上記価格や修理内容を他の整備工場さんに強要する様な行為はお控え下さい。

 

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愛媛新聞社の「マイベストプロ」に掲載されました