トラブル修理-BMW 320i(E90)エンジン冷間時にエンジン不調&警告灯点灯 | フリークのブログ

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「それって幾らになるの??」にも、明確にお答えします(^^)

朝一などのエンジンがしっかり冷えている時にエンジンをかけると、

ブルブルブル・・・と調子が悪く、

しかもエンジンチェックランプが点灯するという症状。

 

調子が悪い上にチェックランプまで点灯すると、

これは不安で仕方ないですよね。

 

 

 

まずは現状を確認。

お預かりの際は絶好調だったので、一晩置いた翌朝エンジンを始動。

 

すると、ものすごく調子が悪くてミスファイアを起こしている模様。

アイドリングは誰の目にも不安定な状態で、

そしてチェックランプが点灯。

 

そのまま暫くすると調子は良くなり、何事も無かったかの様にエンジンは好調になります。

 

 

 

やはりミスファイアが入っています。

2番と3番のミスファイアを検知していますが、暫くしてエンジンの調子が良くなったので、現状故障から過去故障に変わっています。

 

スパークプラグを1番のものと、コイルを3番のものとそれぞれ交換し、再び冷間時での不調を発生させ、ミスファイア検知シリンダーが移動するかを確認。

結果は全く変わらずだったので次のステップに移る訳ですが・・・

 

 

ただ唯一消えてくれないのが、「30EA」のNOxキャタライザーが詰まっているというもの。

 

このエラーだけは何度消してもすぐに立ち上がって来るので、本当に「現在エラー」という事になります。

このエラーが立つという事は、実際詰まりと認識される現象や数値が車両側で確認されているという事であり、ここが原因で発生する車両への制御等によってエンジン不調を起こしている可能性はゼロとは言い切れない。

 

そして何よりこのエラーは消しても消えてくれないので、対処しておくべき項目のひとつでもあります。

幸いこれを消す方法は分かっているし、費用もそれ程はかからないので、今回の不調の犯人と目される「インジェクター」に手を付ける前に、まずはここから作業をさせて貰うという事でお客様に了解を頂きました。

だって、インジェクターは部品代だけでも1本が5万円を超えますものね。

 

 

 

 

フリークのブログではもう何回目かの登場。

このエラーにぶつかったのはもう15年程前でしょうか。

当時は何をどうして良いやら分からずで右往左往していましたが、今では自分の中での定番エラー。

 

フリークで色々な商品を使っていく中で、辿り着いた一番良いと思われる添加剤を使用した後、キャタライザーの再生作業に移ります。

 

 

以下、NOx吸着触媒コンバーターについて、きちんとした資料より引用させて頂きました(幾つかの項目より抜粋したものですが)。

 

「NOx吸着成分の効率は硫黄化による汚染で低下する。したがって吸着触媒コンバーターは定期的に脱硫しなければならない。このためには高い温度が必要とされる。フィルターに於いても同じである。フィルターに付着した煤や有機化合物は可燃性であり、酸化剤として働くのはNO2とO2である。排気ガス温度が200~250℃を超えるとNO2による酸化が起こる。450℃以上では窒素含有フュームの熱力学平衡においてNOが優勢になり、排気ガス中にNO2はほとんど存在しなくなる。酸素による煤の酸化には600℃以上の温度が必要である。」

 

なんか他にも資料には色々書いていましたが、朝から熱が出そうなので読むのやめました・・・

 

 

 

排ガス温度を上昇させる事と添加剤の効果で、マフラー内部に蓄積したものを焼き切ります。

 

 

 

一通り作業が終わった後、再び診断機にてエラーを見に行きますと、勝手に「存在しません」に変わっていました。

 

この後、このエラー自体を消去しますと、

 

 

 

 

故障コードはありません!

これで「30EA」に対する処置は完了。

 

 

でもね、結局というか・・・やっぱりと言うか・・・

直らない訳ですよ。

フリークに入庫して来る故障車たちは、そう簡単には直ってくれません。

 

 

 

はい、次のステップ。

 

 

 

スパークプラグを外します。

 

 

 

問題の無いシリンダーは綺麗に焼けていますが、

 

 

 

ミスファイア検知のシリンダーのプラグは煤だらけ・・・

 

 

 

 

2番シリンダーのインジェクター、先端が煤だらけ。

 

その後、全シリンダーのHC濃度を計測。

 

 

1番シリンダー、問題なし。

 

 

 

2番シリンダー、7,500ppmを超えました。

実はこの写真、この手の診断2回目の時のものですが、

写真は撮影忘れですが、1回目の計測の際は計測可能数値を振り切りました。

 

 

 

 

3番シリンダーもやはり怪しい。

 

 

 

4番は問題なし。

 

結果、2番インジェクターの燃料垂れが今回の不調の原因と予想します。

3番も怪しいけど、お客様と相談の結果、

今回はまず2番インジェクターのみ交換することになりました。

さすがピエゾ式、お値段高過ぎますもの。

 

 

 

新旧比較です。

 

 

 

 

インジェクター交換後は診断機にて設定が必要です。

 

 

交換と設定を完了。

 

現在エンジンはしっかり冷えている状態なので早速に結果が出るぞ~と思いながらエンジン始動。

調子良くエンジン始動!

しばらく様子をみるも問題無し!

更に完全冷間にした翌朝にもエンジン始動。

調子が良い事を確認して、納車させて頂きました。

 

 

 

今回のエンジン不調では、

 ・キャタライザー硫黄化対策実施

 ・2番インジェクター交換

 ・連結エレメント交換

以上の作業を行っております。


本日もたくさん学ばせて頂きました!

ご用命、ありがとうございました<(_ _)>

 
 <参考データ:車両走行距離  70,085km>




※同じ内容の故障事例でも、作業内容や手順、個体差や経年劣化、部品価格の変動等により必ずしも同一価格・同一修理とはなりません。上記価格や修理内容を他の整備工場さんに強要する様な行為はお控え下さい。


 

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