R06Aエンジンを積んだMRワゴンのCVTフルード交換をご依頼頂きました。
実はこのCVT、少々問題がありまして・・・
メンテナンスをしようにも、CVT関連の部品は、
オイルパンガスケットだけしか供給されておらず、
メインのストレーナーや、横に隠れた状態で設置されているフィルターなどは、「部品が欲しいならCVT本体ごと注文してね！」という、
本体ASSY供給のみの設定になっています。
CVTはメンテナンスが必要なのに、
メンテナンスをしようにも、肝心のフィルターが手に入らないという事で、「メーカーが仕掛けた時限爆弾？？」とか、「10万キロを超えると壊れる設定？？」などと揶揄されています。
リフトで上げて作業を開始します。
フルードを排出。
真っ黒に汚れています。
オイルパンを取り外します。
鉄粉を吸着する様の磁石はご覧の通りです。
もうひとつ取り付けられていますが、吸着状態は両者とも既に飽和状態の様です。
磁石を綺麗にし、オイルパンも清掃。
フィルター交換に移ります。
まずはこちらから。
ミッション側面にフィルターが装着されています。
スズキメーカーの部品イラストには、この側面イラストすら出て来ません。
このフィルターも真っ黒です。
こちらが新品のフィルター。
フリークでは手に入ります。
ハウジングとOリングも交換します。
Oリングだけの交換と比べても、さほど価格に差が無いので、
ハウジングごと交換をしています。
こちらも、本来は供給が無い部品です。
装着。
ストレーナーも真っ黒です！！
こんなに真っ黒に汚れるのに、供給設定が無いのは信じられません。
新品です。
これも本来は手に入りません。
全てを元に戻してから、純正フルードクーラーを取り外し。
弊社で製造＆販売をしている専用アタッチメントを装着します。
専用アタッチメントに付いて、詳しくはこちら。
抜けた量に、経験則からの少しプラスした量を充填。
エンジン始動。
現時点でCVTフルードの半分以上は新品が入っているにも拘らず、
まだまだ真っ黒に汚れた状態のフルードである事が分かります。
それでは圧送交換を開始します！
最終的にここまで綺麗になりました。
新品のフルードと比べても全く遜色ありません。
最後にオイルクーラーのＯリングを新品に交換して戻し、
漏れが無いかを確認。
油量調整をした後、試運転を繰り返して、
最後の最後、再び下回りを点検して、全ての作業が完了です。
ご用命、ありがとうございました<(_ _)>
＜参考データ：車両走行距離 101,000ｋｍ＞
■作業メカニック － 野間誠司
■写真撮影 － 野間誠司
■文 － 野間雄司
※同じ内容の故障事例でも、作業内容や手順、個体差や経年劣化、部品価格の変動等により必ずしも同一価格・同一修理とはなりません。上記価格や修理内容を他の整備工場さんに強要する様な行為はお控え下さい。
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