今回はアルファロメオ156です。
セレスピードではなくミッション車(^^)
直噴タイプのJTSです。
走行中、段差でゴトゴトと鳴ります。
リフトで上げて下回りを確認。
スタビライザーを持って左右に動かすと、2~3cm動きます(^^;
ロアアームのブッシュもかなり劣化している様子。
リフトアップ。
スタビライザーは、ほとんど見えません。
大きなメンバーがあり、その上にスタビライザーが付いていますので、
エンジンメンバーを取り外す必要があります・・・(^^;
スタビライザーの端の方だけ、タイヤ付近から覗き見える程度です。
反対側も、こんな感じ。
ロアアームブッシュもかなり劣化しています。
この隙間にバールを刺し入れて動かしてみると、前後にグラグラ動きます。
反対側も同じく。
多くの車は、メンバーの上にエンジンが載っていて、エンジンマウントで固定されていますが、
アルファの場合、エンジンマウントがメンバーの下に伸びてきて、
メンバーを下から支える様な構造になっています。
(前方後円墳みたいな形の部品が、エンジンマウントです)
その為、メンバーを取り外す為には先にエンジンマウントの取り外しが必要となりますが、
取り外すとエンジンが先に降りてきてしまいますので、
下からの支えも別で必要となります。
しかも、交換するスタビライザーはメンバーの上に取り付けられている・・・
ロアアームもメンバーの上に取り付けられている・・・
更に、車体下を這って取り付けられている、マフラー熱対策用の遮熱板
(これがまた・・・結構な厚みの鉄板)
が、メンバーの「下」から重なって固定されているという・・・
つまり、メンバーを取り外す為には、後ろの方までマフラーを取り外し、
その上に取り付けられている遮熱板を取り外さないといけない。
更には、エンジンマウントを取り外す為に、フロントマフラーが邪魔。
フロントマフラーはエキマニと一体なので、エキマニまで取り外す必要があり、
エキマニを取り外す為には、その前に付いている冷却水タンクを取り外す必要があるという・・・。
何これ?
イタリア人に試されているの??(笑)
でも、この整備性の超絶なる悪さが面白いと思えなければ、
外車は触れないのかも・・・(^^;
整備士として駆け出しの頃、
「技術の日産」というCMフレーズをもじって、
「技術がいる日産」なんて揶揄するフレーズが整備士仲間で流行っていました。
20年以上前の話になりますが、
当時の日産車の整備性の悪さから出た言葉でしたが、
アルファの整備性の悪さから考えると、日産車の整備性なんて、「天使」!!
ちなみに、「神」はトヨタです(笑) 例外もありますが・・・
錆がすごい!
メンバー脱着や錆以外にも、他にトラップが仕掛けられていそうな予感・・・(^^;
直噴エンジンのアルファは、
マフラーがエキマニからエンジン下まで一体となっていますので、
スタビブッシュを交換する為に、エキマニを脱着する必要があります。
そのエキマニを外す為に、エアコンコンプレッサーとそのマウント、
付随してドライブベルトも取り外す必要があるという不思議(笑)
エンジンを後ろ側から撮影です。
中間マフラーは既に取り外しています。
見えているマフらはフロントマフラー・・・兼、エキゾーストマニホールド!!です。
これを取り外さないと、エンジンマウントは取り外せません。
つまり、メンバーも外せないという事(^^;
エキマニの遮熱板を取り外し。
エキマニが見えてきましたが、その上に付いている黒くて横長いボックス。
中に冷却水が流れている事は分かるけど、
どんな構造になっているのか・・・
ボルトを少しだけ緩めると、冷却水がポタポタと垂れて来た( ゚Д゚)!!
何?何??
もしかして、このボックス割れてたりしてた??
なんて、考えていたけど、外してみるとなるほど。
エンジンブロックに冷却水の入口がパックリと口を開けていました。
それにしても、取り外した冷却水の流れているボックス、
エキマニの真上に付いているのに、熱の影響大丈夫なのだろうか?
ゴムパッキンを介して、押し付ける様な形で水漏れを防いでいるけど、
何だか少し不安(^^;
ま、「ラテン系」という事で(笑)
漏れるという事は、入っているという事さ!
エキマニ取り外し。
ラムダセンサーは4つ、触媒は2つ。
直4エンジンですが、なかなか贅沢な造り方(笑)
直噴エンジンですので、カーボンの溜まりが気にはなっていましたが、
こんな形でエキゾーストバルブ周辺を覗き見れる事になるとは(^^;
比較的綺麗でしたので、そこは一安心。
さて、ほぼほぼメンバーが取り外せる段階となり、
かなり下まで降りてきましたが・・・
ロアアームがつっかえてメンバーがこれ以上降りてこない。
メンバーの両端が大きく外側に張り出しているので、
アアームが下から支える形となっています(笑)
業者さんによっては、この状態で隙間から作業する方もおられますが、
今回はロアアームも交換の為、メンバーは必然的に取り外す事になります。
ロアアームのボールジョイント部の挿し込みは、こんな構造なのに上から。
(ロアアーム形状変更して、下からにして~)
ナックルには何故か「逃げ」が作られていない為、
この状態から当たって上に抜けない・・・
ナックルを外側に大きく広げる必要がある為、
この後、ドライブシャフトを取り外しました・・・
ようやく外れた、ロアアームと
メンバーです。
スタビライザーがしっかりと固定されています。
(ブッシュがスカスカで、左右にガコガコ動きますが)
エンジンが少し落ちてきますので、
他の部品などを不用意に破損させない様、エンジンを下から支えておきます。
スタビブッシュは、メーカー純正で手配した場合、スタビライザーアッセンでの供給ですので、
あまりにも高額な修理となってしまいますから、
お客様にネットで探して頂いて、お持ち込み頂きました。
左の2つはロアアームブッシュですが、
これ、古いロアアームから取り外そうと何時間も頑張りましたが、全く微動だにせず。
後ろ側のブッシュもグラグラですし、ボールジョイントブーツも破れていますので、
ロアアームはアッセンで取り直して頂きました。
スタビライザーのブッシュは、さすがスタビアッセンでの供給だけあって、
包み込んでいるブラケット一体となっていて外れません。
そしてスタビ自体にも止めの膨らみがあり、ブラケットは位置決めされている為、
横にずらしていって抜く事も出来ません。
交換する為には、ブラケットの底から12ミリのドリルを入れて、
溶接されている箇所をはつり取る必要があります。
12ミリサイズのドリルなんて使う事無いのでホームセンターに走り!
手持ちのドライバーは電動もエアーも限界は10ミリまで(-_-;)
探しあぐねた結果、ふっと思い出した、滅多に使う事無い卓上ボール盤。
引っ張り出して来たら、どうにか12ミリ使用可能サイズ。
やれやれ(^^;
はつり取ると、上下2枚に分離できます。
写真左が古い方で、右が新品です。
穴の大きさが全然違います。
ブッシュを新しくしてスタビライザーを装着。
ここまで外さないといけないのなら、上からボルト固定かと思いきや、
スタビの固定はメンバーに空いた穴からソケットを突っ込んで締め緩め。
ちなみにラックピニオンも、メンバー底に空いた穴からソケットを使って締め緩め。
ロアアームです。
古いロアアームは、内側のブッシュもグラグラ動きます。
新品はがっちり固定されていて、力を入れてもビクともしません。
新品のロアアームを設置し、ナックルを大きく外側に広げた状態で、
下から重い重いメンバーを刺し込んでいきます。
後ろ側にも注意です。
遮熱板より上にメンバーを刺し込んだ状態で、
その下から遮熱板と共締めしながらメンバーを固定。
3人がかりで汗だくになりながら作業です。
アルファのディーラーさん、こんな事やってるの?? 尊敬します!
全て元通りに組み付けて完成。
新品になったロアアームと、相変わらず端の方しか顔を見せないスタビライザーです。
お客様に乗って頂き、コトコトという異音が消えた事は確認して頂けました(^^)
次は段差を乗り越えた際の「ガチャガチャ」と、今現在戦っています!!
今回のトラブル修理では、上記内容も含め以下の作業を行っております。
・スタビライザーブッシュ 2ヵ所交換(この部品はお客様持ち込み)
・ロアアームASSY左右交換
・冷却水補充
今回の修理ご請求額は、 ¥81,200- となっております。
(ロアアームは、部品代が左右セットで3万円位でした)
ご用命、ありがとうございました<(_ _)>
<参考データ:車両走行距離 104,400km>
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