トラブル修理-BMW ミニ(MF16/R56) オイル漏れと冷却水漏れ修理 | フリークのブログ

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「それって幾らになるの??」にも、明確にお答えします(^^)

ボンネットを開けると、どこからか漏れたエンジンオイルが
ミッションの上に溜まっているので診て欲しいとご来店頂きました。

合わせて、冷却水のサブタンクに入っているLLCの量が
チェックする度に減っていて、再々補充しているとの事です。

しかも、時々エンジンルームから変な音がする・・・

色々とありますが、順を追って診て行きます(^^)



 
まずはリフトで上げてエンジンをかけ、異音の発生個所を探ります。

同時に、冷却水の漏れている箇所を探しますが・・・

冷却水漏れは、当初加圧して漏れ箇所を探す予定でしたが、
加圧するまでもなく、ウォーターポンプからボタボタと冷却水が垂れてきています(^^;)


異音は出たり出なかったりだそうでして、
実際お預かりの際は音が出なかったのですが、
出ているであろう箇所から予想すると、
ウォーターポンプか・・・もしくはタイミングテンショナーか・・・。


しばらくの間色々と調べましたが、全く異音が発生しないので、
まずはエンジンルームで発生しているオイル漏れから修理を。

続いてウォーターポンプの交換を行います。





 
エンジンルームです。
どこからか漏れたオイルが、この場所に溜まっています。


 

 
こんな感じです。


 

 
漏れの原因はバキュームポンプです。



 
 
鏡を使って見ると、バキュームポンプの付け根からエンジンオイルが漏れて、
それがミッションの上にまで流れて行き溜まっていました。





 
バキュームポンプを取り外します。



 

 
バキュームポンプとエンジンの当たり面に使われているOリングです。

ちなみに、穴の奥に見えるのがカムシャフトです。
バキュームポンプはカムシャフトと直結していて、直接駆動されています。


 

 
写真左側が新品のOリングで、右は取り外した物です。
厚みと弾力が全然違っていました。

新しいOリングを装着してエンジン始動。
オイルの漏れが止まった事を確認して、
次のウォーターポンプに移ります。



 

 
ウォーターポンプの交換は、フロント右のタイヤハウス内側から。




 
タイヤハウスの内側のカバーを取り外します。




 
隙間から見えているのは、
クランクプーリー(左)と、エアコンコンプレッサー(右)です。

それよりも、それらプーリーを繋いでいるベルトが・・・




 
もの凄いヒビだらけです!!!
もう、いつ切れてもおかしくない状態!!!

ちなみに、車検を受けたのは約1年前。
ガソリンスタンドさんで受けられた様ですが、
この状態ですと、おそらく車検時は確認してないですよね・・・(-_-;)


もし切れると発電機が止まってしまいますので、
走行中突然エンジンが止まり、その場で立ち往生してしまいます。


ウォーターポンプの交換と同時に、ドライブベルトも交換します。
 




ウォーターポンプから取り外した、先端のプーリーです。
ウォーターポンプはベルト駆動ではなく、
接触するプーリーに回されるという形をとっていますので、
滑りにくい様、表面にはグリップ力アップの工夫がされています。




 
内側には漏れた冷却水が固形化し、大量に付着しています。


 


 
プーリーが退くと、漏れている箇所もよく分かります。





 
取り外しは非常に狭い場所で行いますので、
ちょっと邪魔になるクランクプーリーは取り外しておきます。
                                                                                                



  
知恵の輪をしている様な感じで、
ようやくウォーターポンプが取り外せました。




 
新旧比較です。


しかも、取り外したウォーターポンプ、



おそらく、異音の原因はこれかと。




 
ウォーターポンプが装着されていた場所です。





 
新しいウォーターポンプを装着。




 



 
新しいドライブベルトが入荷。





 
写真左が取り外したベルトです。
ヒビがすごい!!

 


 
ベルトテンショナーを緩めますが、
すごく狭い場所の為、工具の動く範囲が狭すぎて解除できません。

SSTを仕入れたり作ったりされている方もおられる様ですが、
今回は邪魔になっている部品を取り外し、
工具の作動範囲を広げてあげます。

右のヘッドライトを取り外し、グリル上部のカバーを取り外します。
大変な作業の様に書かれているサイトもありましたが、
手持ちの工具で隙間から、なかなか上手くいかない状態で試行錯誤するより、
思い切って取り外しを決断した方が、よっぽど早く済みます(^^)
部品の取り外しもたいした事ありませんので、
ここまで外すのに10分もかかりません。
 (私も恥ずかしながら、30分ほど試行錯誤しました(^^;) )

SSTを持ち合わせていない整備士のみなさん、
こういった情報をお互い出し合いながら、
工夫しながら頑張りましょうねーー(^^)/




 
ストレートの21mmメガネは必要ですよ!

この状態で手前にメガネを倒し、ロックピンを押し込みますと、
テンションを緩めた状態を保持出来る仕組みです。





テンショナープーリーとオルタネータプーリーの隙間、
ぴったり引っ付いていたのに、こんなに広がりました(^^)





 
新しいベルトをかけます。

 


 
ウォーターポンプ駆動用のプーリーが、
クランクプーリーに接触していて邪魔な場合は、
このレバーを引っ張ります。




 
この様に引っ張ると、プーリーが下に向かって伸びるという、
非常に愉快な仕組みです(^^)

伸びた分、クランクプーリーとの隙間が出来て、
ベルト交換が容易になります。




 
あとは、テンショナーにかけた21ミリのメガネを 今一度手前に倒してやると、
ロックピンがスプリングの力で勝手に外れる方向にスライドします。





ウォーターポンプ先端に装着するプーリーを綺麗にしておいて、





 
ウォーターポンプのプーリーを装着。

冷却水を充填し、しっかりとエア抜き。
漏れが止まった事を確認し、作業終了です。
 


お話し変わりますが、
このR56のサーモハウジング交換記事(こちら)を見たという、
秋田県・栃木県・熊本県にお住まいの方々から、
サーモハウジングを探しているとの電話がこの最近数件頂いています。

純正品及び社外品、いずれもかなりの品薄となっているそうです。
先週末には大阪に純正品在庫が確認出来たのですが、
昨日調べましたら、純正品も社外品も、国内在庫ゼロでした。

近くまた流通するかとは思いますが、
サーモハウジングの交換を検討されている方、
もしくは懸念されている方は、早目の部品確保をしておいた方が良さそうですよ!

 

今回のトラブル修理では、上記内容も含め以下の作業を行っております。


 ・バキュームポンプOリング交換
 ・ウォーターポンプASSY交換(Oリング付属)
 ・ロングライフクーラント充填
 ・ドライブベルト交換


今回の修理ご請求額は、 ¥ 69,660- となっております。


ご用命、ありがとうございました<(_ _)>


 
 <参考データ:車両走行距離  100,920km>


 

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