ムーヴのオイル漏れ修理です。
この型のムーヴはよくオイル漏れがよく見受けられます
まず入庫頂いてからオイル漏れ箇所の診断です。
クランクリアシールが原因です。
エンジンオイルオイルパン、マフラーフレームと、各所にオイルが付着しています。
マフラーに伝わったオイル痕です。結構な量のオイルが漏れている為、マフラーの熱でもすぐに焼けず、
後方へと流れた痕があります。
カムカバーパッキン周辺やインマニ、エキマニ、タイミングカバーまで、いたる所にオイルが付着しています。
原因がつかみにくい為、付着しているオイルをパーツクリーナーにて徹底的に清掃します。
清掃が終わった後、しばらくエンジンをかけてオイルの漏れてくる箇所を探します。
あらら・・・、マフラーからも白煙が出ています。
エンジン始動直後しばらくは白煙が出ていましたので、ステムシールも怪しいですね。
タペットカバーパッキンから伝わってきたのか、カムシールから伝わってきたのか・・・。
エンジンを下ろす前に冷却水やATF(ATフルード)・エンジンオイルなどの油脂類を抜いてしまいます。
この写真はATFです。真っ黒です。
オイル漏れの一番酷い箇所はやはりクランクリアシール(エンジンとATとの合わせ面にあるシールです)です。
ムーヴはエンジンとミッションをメンバーに載せたまま下ろしますので、早速取り外しに掛かります
リアシール、ほとんど抜けてきています
周辺にはエンジンオイルがべっとり付着しています。
オイル交換の間隔が長かった為オイルが劣化して凝固し、
エンジン内部の空気の通路をどんどん塞ぐ為、内部の圧力が増して、
リアシールを内側から押し出してくる為、この様な状態になります。
取り外したクランクリアシールです。凝固したオイルカスがびっしりと詰まっています。
カムシャフト周辺だけでもこれだけ汚れています。
かなり分厚めに盛り付けられている様です。
まずはカムカバー周辺のパッキンを新しいものに交換しました。
ここからもかなりの量が漏れていました。
問題なのはこのホールシール、実はカムカバーに圧着されていて、取り外しての交換は不可能です。
カムカバーアッセン交換となる為、部品代だけでも18,200円します
そこで、プラグホールの上から耐オイル性のコーキングを注入してみました
コーキングをしっかりと硬化させる為、この状態で約1日放置です。
オイル滲み、ありません
とはいえ、すぐに決断出すには早いので、もう1日、試運転を繰り返し、
問題無さそうであればプラグホールのオイル漏れ修理は完了とさせていただきます。
ヘッドガスケットやステムシールは今回修理を見送りました。
今回の修理である程度のオイル漏れが止まってくれれば嬉しいですね