今日は、過去の振り返りになります。

 

 

『私をスキーに連れてって』といえば、

ホイチョイ・プロダクション原作の映画。

主題歌は『サーフ天国、スキー天国』で、

昨年がデビュー50周年の松任谷由実が歌った。

 

連れていく先がスキー場なら楽しいが、

病院となると身構えてしまうだろう。

 

妻が調薬入院をしたのは、

2021年9月末のことだった。

そのひと月半ほど前から、

朝夕の喉の違和感が発端となり、

不安定となることが増えたことは、

過去のブログでも書いたことがある。

 

妻の違和感は痛みへと変わり、

不安のループとなり、

過呼吸を引き起こすのが常となっていた。

息がうまくできなくなり、

さらに酷くなると手足の痙攣を伴った。

 

そんなときに妻は僕に向かって、

「病院に連れてって!」と叫んだ。

病院に行ったところで、

息ができなくなるかもという不安が、

引き起こしているので、

深呼吸をして落ち着くしかない。

 

ましてや朝の5時台や深夜の時間帯、

かかりつけの大学病院はやっていない

 

「病院、まだやっていないから、

始ったら行こうね」と、

その場しのぎの言葉を繰り返し、

のど飴抗精神薬の服薬時間の調整で、

乗り切ろうとしてきた。

 

「救急車、呼んでよ……」

 

病院に行けないことに失望した妻は、

白目を剝いて卒倒することもあった。

咄嗟のことに頭を打たないよう、

体を支えるのが精いっぱいだった。

 

 

だがどうにもならず、調薬入院という形で、

病院に連れていくことになってしまった。

 

このブログをはじめた当初は、

咽喉頭異常感症だと診断されていた。

だが後年、この喉の違和感は、

難病のシェーグレン症候群

よるものだったことが判明した。

認知症同様、治療薬はない

 

妻は病院に連れて行ったその瞬間から、

自分では理解できないまま、

常時拘束され、それに抗おうとして、

怪我を負うようなことまで起こった。

 

3ヵ月の調薬入院は、

身体機能を劣化させ、

認知症を進行させただけに終わった。

そして新たな症状を生み

次の入院に頼るしかなくなってしまった。

 

あのときの選択が正しかったかは、

いまでも僕にはわからないままである。

でも「病院に連れてって」という、

妻の希望は結果的には叶うことになった。

 

今日も妻は病院の中にいる……。

 

 

 

のち赤ワインワイン!

 

2016 Médoc Comte de Marsac

(フランス/ボルドー)

 

年末、4本5000円のお楽しみセットの中に入っていた1本。口当たりはやわらかく滑らかな赤ワイン。ブドウはメルローが50%、カベルネ・ソーヴィニョン50%。カシスやドライプラムのような香りがした。

 

 

ところで、妻が調薬入院する2週間ほど前の記録には、次のように書かれていた。

 

23:00ごろ 妻が就眠

 

23:20~  10分程度で起き、ウロウロしは    

      じめ、なかなか寝ようとしない。

 

1:00~   「好きな場所で寝る」など、突っ 

      かかるような口調で意味不明なこ 

      とを言い、怒り出す。

 

時間不明  「トイレ!」と大きめの人格が変

      わったような口調で起き上がる。

      トイレに連れて行き、戻ると妻に

      布団をかける。感謝されるが、寝

      てくれない。

 

3:30     オランザピンを投薬。4:15近く 

                  まで、横になったり起きたりを

                  繰り返す。口調が普通に戻って

                  きた。

 

4:30     キツい口調になったことを憶え

                  ており、その後1時間ほど「ゴ 

      メンね」攻撃に遭う。朝6時台に

      なり、1時間ほど過眠する。

 

この日は、ほとんど寝ることができなかったため、記録を残したのだろう。

 

 

話は冒頭に戻る。妻とは一度だけ、ユーミンのコンサートを見に行った。平日の新横浜、横浜アリーナでの19時からのコンサートだった。お互い勤務先から直行だったので、東京駅から新幹線に乗った覚えがある。サーカスのような素晴らしいショーだった。

 

(過去の調薬入院関連のブログはこちらから)