第二種動物取扱業。規制するなら助成とセットで!②犬猫助けはおんなこどものやること | CAPIN(キャピン)公式活動報告

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認定NPO法人「動物愛護を考える茨城県民ネットワーク CAPIN」
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今日もたくさんの相談が寄せられます。





引き取りをしてほしい、
里親を探してほしい、
虐待から助けてほしい、と。

行政も警察も生かすための引き取りをしていません。

水門に落ちた子猫の話がありました。このときも警察も市も、私たちは引き取れませんとソッポ向き、Oさんが梯子をかけ、降りていき、つかまえて家に連れてくるしかありませんでした。




このように保護団体のもとで引き取らねば、放置されて命を落とす犬猫たちが数多おります。

動物愛護の観点から、行政が本来なら行うレスキューを、私たち丸腰の市民が肩代わりして行っているのです。ワクチン利権を背景に、時代錯誤の狂犬病予防法がなかなかなくならず、行政によるみだりな殺処分からレスキューしているのも民間ボランティアです。

ところが、法改正により私たち保護ボランティアにも、ペットショップやブリーダーたちと同様の規制がかけられることとなりました。




当初は第一種動物取扱業を対象とした規制のはずでした。が、蓋を開けてみれば、第二種動物取扱業(施設を保有する保護団体)も対象になっていたのです。

犬20頭にひとりのスタッフ(ボランティアもカウント)。
猫30匹にひとりのスタッフ。
犬猫のケージの広さ、高さ。
ドッグランの準備。



もちろん動物取扱業において、お世話に必要な人手と飼育スペースが数値化され、明記されたのは動物福祉の観点から一歩前進であり、必要なことです。



ただ、動物取扱業も第1種(ペットショップ、ブリーダー)と第2種(シェルターを持つボランティア)があり、それを分けて考えねばなりません。


動物を商品として繁殖し、売買する第1種には厳しく数値規制をかけて、劣悪なパピーミルを減らし、優良なブリーダーしか営業できないように法規制することが求められているのは世界の潮流です。(フランス、カリフォルニア州、ニューヨーク州でもペットショップは禁止となりました。)


しかし、ペットショップやパピーミル同様に、保護団体をも規制の対象にすることが決まったのです。


行政に代わって、犬猫を押し付けられ、保護や譲渡を行う個人、団体ボランティアには、ある一定の条件を満たしている場合、支援があってよいのではないでしょうか。数値が明確にされたいま、保護頭数に見合ったボランティアの確保、スタッフの雇用、改築工事は保護施設にも必要となりますが、民間ボランティアが日々の世話に加えて環境整備を実現するのは至難の業です。


第2種動物取扱業。
施設を持って犬猫を助けていく覚悟を決めたボランティアたち。




日本には公的シェルターがある自治体がわずかです。引き取りのあと、殺処分となります。


市民は保護してくれと民間団体に問い合わせてきます。その数は1日に3から5件。


見捨てられない動物ボランティアは引き取って、多頭飼育となります。

譲渡できない半野良や病気のある犬猫。

障害を持って生まれた子ら。


活動期間が長ければ長いほど動物ボランティアは多頭を抱えます。




多頭は害悪であり近所迷惑だという前に


なぜその家にその子らがいるの?


と考えてください。



なぜなら、行政が助けず見捨てたからです。


民間ボランティアは行き場のない犬猫を引き取るしかなかったのです。


殺処分となる犬猫を引き取り、毎日お世話をしています。


押し付けたのに、支援なく規制とは?


行政は議員は、殺処分ゼロを達成しました、と誇らしげにTVで語りますが、


毎日その子らを世話している全国の民間ボランティアは、光が当たらないどころか犯罪者扱いをされます。


寄付金詐欺だとか。

ホーダーだとか。



現場で助ける個人、団体ボランティアたちは、汗にまみれ、土だらけになって朝から晩までお世話をし、週末は里親会に犬猫を引き連れて、人生の大切な時間を
費やしています。

なぜなら、行政や警察が動かないからです。
仕方なく引き取るしかないからです。



民間は便利に使うだけ?



数値規制はもちろん意味があります。


ただ、それは、現場で動く人が作った規則でしょうか。


現場には来ない人が理想を掲げて規則を作り、毎日動いている人に強制しても、誰もついていかないですよ。口だけで、その場にいないのだから。








国や自治体はボランティア団体を育成、助成するどころか、ペットショップと同様の規制をかけて保護活動を困難にし、団体を追い詰めています。

好きで多頭飼育者になったわけでない。
みんなが押し付け、覚悟をして引き受けたのです。




昔から、犬猫問題は政策課題にあがりませんでした。保守系の高齢男性議員たちから、犬猫問題は「女こどものやること」として蔑まれてきました。

だから各自治体には生かすための施設がなかなかできません。出来たとしても数十頭しか入らない、など。
一頭ごとに向き合って助けるよりも、やってます、の世間体。


ドイツやイタリア、イギリスには街ごとに公設シェルターがあり、猫を拾えばそこで引き取りワクチンや去勢など医療をかけ、譲渡をしてくれます。迷子の犬も引き取ります。

ペットショップも隠れてひっそり営業するしかないから、住民はシェルターで犬猫を入手する、優良なブリーダーに予約するのがふつうです。

日本にはそのような公的施設がほとんどありません。保健所やセンターの犬には常に殺処分の公示期間がくっついています。死と隣り合わせです。

ボランティアが引き出さねば殺処分となるのだと。プレッシャーと脅しが背景にあってのセンター引き出し。




議員が動かねば予算は組まれません。近年になっては議連ができ、堂々と国会で質問される国会議員も現れたりと、少しは変わってきましたが。




ボランティアは苦労ばかりです。


犬猫押し付けられて、補助はなく、自己責任。


2011年福島の原発事故の周辺で環境省と保護活動をしたときも、レスキューした犬猫は自己責任、として念書を書かされました。


みんなが助けたいと言う。が、誰も手を貸さない。
ボランティアは見捨てずに保護する。

そこになぜ、支援がないのだろう。

なぜ規制ばかりなのか。

保護団体の活動に足枷をはめるようなことばかりなのか。

数値規制の意義はもちろんある。
でも、規制をするなら助成とセットにすべきです。

市民活動やボランティアを育成する姿勢が見られないのはどうしたわけでしょうか。

規制の先に待ち受けるのは、保護控えです。

私たちは助けてあげたくても、助けられないのです。

ボランティアを絞りに絞った末に、行き場のない犬猫たちが増えていくでしょう。


代わりに行政や議員や審議会のメンバーは、その子たちを助けてくれますか。



規制するなら助成しなさい。


by鶴田真子美(おかめ)