相談事例から 外飼いの番犬③ 警察は被害届を受理せず。 | CAPIN(キャピン)公式活動報告

CAPIN(キャピン)公式活動報告

認定NPO法人「動物愛護を考える茨城県民ネットワーク CAPIN」
公式ブログ






7.8

●●産業の犬について相談がありました。


土浦北インター近くの最近できた鉄クズ屋の敷地に、日除けなく水もない外飼いの番犬がおり、道路の排気ガス、激しい夏の日差しに常に晒されている、と。


会員さんも気にして見てくださるかたがありました。


近所の方々からも相談がありました。

日除けもなく、水もない、と。


ある方は、ヨシズを渡したそうです。が、事務所では受け取ろうとせず、心配した方が通りかかりに無理矢理取り付けてきたそうです。


国道沿い交差点に面しているため、たくさんの方が心配されているようです。


先日行くとやはり事務所裏に繋がれており、水はなく、事務所のおじいさんに水をやるよう話しました。




今日も、熱中症の警戒アラームが発動された土浦市。


犬が気になり、少しでも楽になるように日除けとバケツを持って行きました。


やはり、犬には水はありませんでした。


事務所に行くと、紙を渡されました。





そして、激しい剣幕で、外に出ろ,帰れ,警察を呼ぶぞと言われました。


持ってきた日除けとバケツを置くと(↑)、持って帰れ、ここはゴミ捨て場ではないと怒鳴りながら、こちらの写真をとりまくりました。



水を犬に与えてくださいと話すと、不法侵入だと言われ,出て行こうとすると、女性のほうがいきなり車のドアを開けられエンジンを勝手に切られました。


男性は重機で出入り口を塞ぎました。ここは店舗であり空き缶や鉄屑を運び入れる業者が出入りする広い敷地です。


こちらも警察を呼びました。


双方が呼んだ警察で敷地はいっぱいになりました。


が、警察も飼い方に問題はないと言います。改正動物愛護法44条を示しましたが、水がないことも問題にはされませんでした。コップで与えてこぼしただけかもと言います。コップはないのに。





飼い主、警察、センター、

犬を助ける人はだれもいません。

法律は何のため?

44条は何のため?条文は改正され具体的に給水がないことも虐待として記載されました。


犬が酷暑のなか水がもらえず日向にさらされていることを、センターも警察も問題にしないなら、民間はこれを見て見ぬふりしかできないというのでしょうか。


命に危険があると考え何とかしてやろうとすると、反対に警察を呼ばれ、警察はどちらの味方でもありませんとおっしゃるだけ。


いきなりレッドカードではありません。来るたび水がない、改善されないのです。




飼い主はこれ以上犬を見に来てほしくないから犬を持っていけと飼育放棄しました。


犬は散歩なくストレスもたまり、飼い主に激しく甘え、リードを抑えるのも大変な様子でした。


まず犬を慣らさねばならず、飼い主と私たちが一緒に歩いて徐々に慣れていかねばならないと話しても、飼い主はいやだと聞きません。


警察にいったん預け、茨城県動物指導センターに収容してもらい、そこで性格を見極めトレーニングして落ち着かせ、相談者さんもしくはうちで引き出すことを提案しました。


が、警察は、飼い主がいる犬であり警察には飼い主不明の犬しか引き取れないと言います。


センターに行っても殺処分となる、この国には生かす公的シェルターがないから、と警察の方も話されていました。


この犬は飼い主から放棄されても、生かすには民間が引き取るしかないのです。


一時的にでも預けられる場所がない。


こちらは多数抱えてめいっぱい、朝から晩まで、くるぶしをくじいて腫らしながら突き指しながら毎日休まず世話する無職。


それでも警察は助けてくれない。犬も人も。


助けたい人が動物を押し付け合う、いつもの図。


結局は民間が引き取るしかないとなりました。


が、犬を預かる段になって犬をけしかけられ、警察が取り巻くなかで胸とおなかをかじられてしまいました。








現場で警察立ち合いのもと、目の前で起きた咬傷事故。


犬は飼い主にけしかけられ、綱を緩められて私の腹部にとび掛かりました。


みな驚きました。


飼い主の女性は、犬は飼い主と同じ気持ちだ、と言い放ちました。


婦警はすぐに車の陰で私の傷を確認し、すぐに病院へ向かうように私に指示しました。


シェルターの世話の時間が迫っていたので、救急病院でなく近くの町医者に直行しました。


が、後日、土浦警察に病院の診断書と被害届を届けたときには、警察は一転して受理せず、犬は確かにあなたを噛んだが傷の状態は今となっては不明、写真撮影しても位置が分からず本当にその傷が分からないから日数が経った今では受理しない、飼い主はわざとではなく故意性がない、と言うのでした。


犬虐待では、灼熱のネグレクト犬も、通報してかえって脅され噛まれ、被害を受けた人も助けられなかったのです。


全く泣き寝入りでした。




動かなかった茨城県警、土浦警察に対して改善を願い、土田市議は政府への要望につなげてくださいました。



この事件は、ボランティアが危害を被る事案として紹介されました。



政府交渉(環境省に質問中の土田市議)


各省庁30分刻みで入れ替わり立ち替わり、9時から5時までビッチリ。昼休憩40分以外こちらはずっとカンヅメで怒濤の1日でしたが、環境省、国土交通省、こども家庭庁、文科相の時だけ1番前に座らせてもらい、一通り発言できました。

by土田市議






あのとき私が警察の前で受けた傷の一部です。汚い写真申し訳ありませんが、実際に起きた怪我である証拠として恥をしのぎ出します。これも被害届も受けてもらえなかったのです。



さらに残念なことに、金曜日夕方に、動物指導センターへ電話すると、当初はセンターは週明けにも現地に犬を迎えにいくと話していましたが、翌週になってセンター長の話が変わっており、飼い主がセンターに犬を運び放棄の書類を交わし費用を支払うという正式な持ち込みの手続きがなければ、センターから迎えに行かれない、と一転していました。



あれから今も犬は同じ場所に繋がれています。


センターによれば今ではヨシズが取り付けられ水もきちんと置かれている、環境が改善された、良かった、解決された、と話すのみ。


私は警察から2度とあの店の敷地に入り、犬を見に行かぬよう、何か要望があれば代理人を使い交渉するよう言われています。


時折、ボランティアさんに頼み、犬に水があるか確認に行ってもらっています。


今はこのような見守りしかできません。


おなかの傷は残り菌がなかに入って硬化し、痛みが続いています。


どうしたら、動物虐待に対し、行政、警察に、真摯に取り組んでもらえるのだろうかと頭を抱えています。


法律が変わったのですから、警察はきちんと動くべきです。


茨城県警、土浦警察には、今後も改めて、問いかけて参ります。



キラキラキラキラキラキラキラキラキラキラキラキラキラキラキラキラキラキラキラキラキラキラキラキラキラキラキラキラ

環境省は以下のような状況であれば虐待に該当する可能性があり、放置しないようにと各都道府県に通達を出しています。

通達に記載されている中で、今回の犬の場合は次の点において虐待である可能性がきわめて高いと思われます。
 
(環境省通達)
飼育改善指導が必要な例(虐待に該当する可能性、あるいは放置すれば虐待に該当する可能性があると考えられる例) について (env.go.jp) 

飼育改善指導が必要な例(虐待に該当する可能性、あるいは放置すれば虐待に 該当する可能性があると考えられる例)について
環自総発第 100205002 号 平成22年2月5日
環境省自然環境局総務課長から 各都道府県・指定都市 ・中核市動物愛護主管部(局)長あて
 
飼育改善指導が必要な例(虐待に該当する可能性、あるいは放置すれば 虐待に該当する可能性があると考えられる例)について
・器が汚く、水入れには藻がついている。あるいは、水入れがなく、いつでも新鮮な水を飲むこと ができない(獣医療上制限されているときを除く 。)
・外飼いで鎖につながれるなど行動が制限され、かつ寒暑風雨雪等の厳しい天候から身を守る場所 が確保できない様な状況で飼育されている。
なお、実際に虐待が疑われる事例に遭遇した時に、地方自治体や警察署として具体的にどのように対応するべきなのかを明示している環境省のガイドラインもございます。公的に作成する文書のひな型も用意されています。このガイドラインも再認識していただくとともに、関係各所へも周知徹底していただき、動物愛護の理念のもとに動物及び人の命を守るための一貫した対応システムを構築していただくことを強く要望いたします。
 
(環境省「動物虐待等に関する対応ガイドライン」)

by鶴田真子美(おかめ)