4年ぶり再開の三重県「上げ馬神事」 その残虐性 | CAPIN(キャピン)公式活動報告

CAPIN(キャピン)公式活動報告

認定NPO法人「動物愛護を考える茨城県民ネットワーク CAPIN」
公式ブログ

キラキラキラキラキラキラキラキラキラキラキラキラキラキラキラキラキラキラキラキラキラキラキラキラ


上げ馬神事についてのサンケイニュース記事には、上げ馬神事に長年取り組まれてきた獣医師の青木貢一先生によるコメントも掲載されています。


ダウンダウンダウン


神事を問題視する「動物との共生を考える連絡会」代表で獣医の青木貢一さんによると、過去には馬を興奮させるためにドーピングや殴打も行われたという。15年以上前から会場で抗議を続けてきた青木さんは「骨折で安楽死になるだけでなく、雨のぬかるみに足をとられて頸椎(けいつい)損傷で即死したり、鼻から壁に激突して周囲が血の海になったり…。かわいそうな馬をたくさん見てきた」と語る。

同会は動物愛護法違反罪で告発したこともある。ドーピングや殴打は行われなくなってきたというが、「馬の持つ能力を超えて挑ませるのは虐待だ」と、人馬ともに安全な行事への改善を訴えている。

(中略)

近年の動物愛護意識の高まりに伴い、伝統文化にも見直しを迫る動きは各地で相次いでいる。

海外では英国貴族の伝統スポーツであるキツネ狩りが国論を二分する論議の末に2005年、禁止法が施行。スペインでも闘牛が北西部カタルーニャ州など一部の地域で禁止された。

食文化を巡っても、世界三大珍味のフォアグラを巡り、アヒルやガチョウに強制的に餌を与える製造法が問題視されるようになった。



キラキラキラキラキラキラキラキラキラキラキラキラキラキラキラキラキラキラキラキラキラキラキラキラ


こちらは青木貢一先生による上げ馬神事問題の解説記事です。



「動物との共生を考える連絡会」と私が、この上げ馬神事を知ったのは2002(平成14)年で、馬の保護管理研究会(馬研)が作成したビデオを見たからで、先進諸国に名を連ね文化国家である我が日本で、あまりにもすさまじい馬への虐待を行う神事が現存していることに非常に驚いた。それ故、翌年の上げ馬神事を調査したところ、ドーピング、竹や鞭でむやみやたらに殴打する、下腹部を蹴り上げる、笹・法被・ロープを振り回す、水をいきなりぶっ掛ける、大声で怒鳴るなど激しい直接的暴力(虐待)を行い、馬を極度の恐怖に陥らせ過剰興奮させ狂奔させた。大勢の観衆や警察官がいる中で、馬への直接的暴力を公然と行われ、さらに壁に腹ばいになった馬をロープで無理やり引っ張り上げるなどもあり、超見苦しい無形民俗文化財の実態を知り、日本の恥だと思った。
上げ馬神事の実態を知ったから、改善に向けて三重県知事、三重県担当部署、三重県教育委員会、三重県警察、多度大社、猪名部神社、三重県議会議員の全員に馬研が作成したビデオと改善要望書を添えて送付した。さらに、三重県、三重県教育委員会と共催してシンポジウム「馬と文化を考えよう」~人と動物の共生をめざして~を開催して改善を求めた。その結果、馬への暴力は減ったが、残念ながら一時的でしかなかった。その後は、年を追うごとに次第に馬への暴力がエスカレートした。
2009(平成21)年、多度大社での上げ馬神事で馬への激しい暴力行為をビデオに収録し、それをもとに桑名警察署に告発したところ、受理され書類送検された。そのため、三重県文化財保護審議会が開催され、改善を指摘した。その後、明らかに馬への直接的暴力は減ったが、坂上の垂直壁の構造は危険状態のままであった。それ故、壁の高さを低くし傾斜つけることを再度依頼した。前述のとおり猪名部神社が崖を傾斜してくれた。
告発の件は、津地方検察庁四日市支部が動物愛護管理法違反容疑で書類送検された8名全員を嫌疑不十分で不起訴としたので、裁判所の判断を仰ぐことができなかった。反省点は、我々だけでなく、他の方々からも馬への暴力が虐待であると指摘し、警察に取り締まるよう訴える声が複数あったら、嫌疑不十分にならずに起訴され裁判が行われたと思う(検察官の話から)
その後も、多度大社は壁の構造を改めることなく危険状態のままである。今でも、一部の地区が馬に対する直接的暴力である鞭等での不必要な殴打、突然下腹部に水や砂をかける、法被を振り回し大声で怒鳴るなどなどで過剰に興奮させている。警察は、動物愛護管理法を知らないのか、馬への暴力を一切取り締まることなく関わろうとしない。三重県庁関係者も見て見ぬふりし容認している。
和鞍や和鐙などの和式馬装と装束での行事は、誠に貴重なものなので、青少年の健全育成に寄与しつつ、三重県の一大イベントである上げ馬神事が、真の無形民俗文化財になるよう私たちは願っている。人馬の安全のために、馬に対する乱暴な行為を完全になくし、壁を安全な構造をに改めていただきたい。
改正動物愛護管理法が6月から施行され、罰則の強化や虐待事例の追加などが図られ実効性が高まったと思う。馬を垂直で高い壁に無理やり挑ませることは「酷使」(特に能力が低い馬であればあるほど)に該当する。今後は、馬への暴力行為(虐待)を動画収録し、それをもとに告発する。警察が告発状を受理しなくても、毎年繰り返すことが必要と思う。できれば、自発的に改善してもらいたいので、多度大社・御厨組織と三重県関係者一同が真剣に考えてくださるよう願うばかりです。


上矢印上矢印上矢印

以上、青木犬猫病院、青木貢一先生記事より


キラキラキラキラキラキラキラキラキラキラキラキラキラキラキラキラキラキラキラキラキラキラキラキラキラキラキラキラ


時代の流れとともに人の感じ方、判断基準には変化が生じますが、ポストコロナで明らかに価値観は変わりました。


ステイホームでペットを飼う人が増え、家庭で飼育される犬や猫はペットから家族となりました。


飼い主のいない犬猫をめぐっても、行政も考え方を変えてきています。


保護犬を飼うこと、地域猫やTNRも少しずつ世に浸透し始めています。


地球温暖化、環境破壊が深刻化しています。SDGS、グリーンニューディールが叫ばれ、サンライズ革命も起こり,世界規模でエコでグリーンな暮らしを目指すことが良しとされる時代に入りました。


そうしたなかで、動物に対する姿勢も考え方も変わってきました。


これまでやってきたのだから、はもう通用しません。疑問を持たずに動物虐待を踏襲する、伝統だからすべて許される、文句を言うほうがおかしいとする思い込みを質していかねばなりません。


責任をとるべきは、神社の神主なのか氏子衆なのか、神社庁なのか、倫理を欠いた地元メディアなのか。


今後、追及されていくでしょう。


これも地元をあげての神社ビジネスにほかなりません。


動物への残虐行為を見せ物にして観光ビジネスにするのは、どうにか今年で最後にして頂きたいです。


by鶴田真子美(おかめ)