9.27 野犬掃討毒まき条例改悪が本会議で可決 | CAPIN(キャピン)公式活動報告

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認定NPO法人「動物愛護を考える茨城県民ネットワーク CAPIN」
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下記のご相談がありました。

「成猫を見つけたのは9月16日、場所は常総市W町です。

会社の前で、まだ若い白とグレーのミックス雌猫?がニャーニャー鳴いているので、よく見ると痩せて耳の先は黒いぽつぽつがあり(皮膚病?)会社の方によると、前の家の猫とのことですが、人が住んでいる気配はなく、カラカラに乾いたお椀が転がっているだけでした。

気になり、翌日再訪しカリカリとお水を置いてきましたが、その猫には会えませんでした。その時は人通りも少なく近所の方に聞くことはできませんでしたが、人に聞くにしても住民の方にどのように聞いていいか言葉が浮かびませんでした。

このような場合、週末にカリカリを持って様子を見に行くことしかできないのでしょうか?見つかったら咎められて下手したら警察に通報されるでしょうか?」


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常総の八間堀さんに現場を確認して頂けるか、連絡しました。

「無理しないで台風後でも大丈夫かと思います。ごはんだけどこかに置いても良いかも」

写真が送られて来ました。

猫さんが写っていました。

会社は閉まっていて話は出来なかったようですが、今朝、連絡がありました。


「お早うございます、今朝、会社代表と連絡取れました。あの猫は飼主さんが亡くなりかわいそうなので会社さんで一日3回餌と水あげて、これからも続けるので心配ないようです。手術済みだそうです」

一件落着です。

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茨城県動物指導センター。
9.26水曜に、KさんとTさんと訪問しました。

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県民からの意見募集もなく、十分な議論もされないまま、執行部から提案された、違法な毒エサまき条例の、「毒餌を動かしたら罰金5万から30万円への引き上げ」を含む改正が、本会議で可決されてしまいました。


県の保健福祉医療委員会での、思いがけない残念な結果を知ってから、本会議まで数日しかなく、全会派の県議にメール、電話して説得を試みましたが、すでに委員会を通ってしまっていたので、間に合いませんでした。



保健福祉医療委員の県議はこちら。




県には捕獲犬の公示義務があり薬殺できない=違法条例


茨城県の違法な毒まき条例改悪が、残念ながら委員会で可決

茨城県条例の改正 野犬掃討の毒エサまき



本会議前夜に、保守系議員数人に電話で説得しましたが、今回、継続審議にすることは不可能と言われました。

それでも、本会議当日の朝に、動物ボランティア有志8人で県議控室に出向き、執行部生活衛生課長含む3職員と協議しました。川口まさや県議が同席くださいました。



以下、付帯決議の採択のお願い文を、いばらき自民党、自民県政クラブ、公明党、共産党、県民フォーラム、無所属、各会派に手渡し致しました。

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茨城県議会 各会派の皆様へ

                                   2018/09/27


茨城県の動物ボランティア有志

連絡先:NPO法人 動物愛護を考える茨城県民ネットワークCAPIN 代表 鶴田真子美


ご公務お疲れ様でございます。いつも県民のためにご尽力頂き感謝申し上げます。


●茨城県動物の愛護及び管理に関する条例改正につきまして、下記の付帯決議の採択をお願い申し上げます。


「第13条及び第194号に関しては、今後1年間の実施状況及び県民各層の意見を聞いたうえで、廃止を踏まえて再検討する」


●付帯決議採択のお願いの理由:


1 同条例第13条は、茨城県犬猫殺処分ゼロをめざす条例および動物愛護管理法の趣旨や目的に相反する条文であるから。

 

2 野犬対策は薬殺しなくても十分可能であるから。

(全国で多くの住民が野犬を保護し慣らして飼育している。茨城県は2015年、官民協働ワーキンググループによって、常総市坂手の野犬たちを、殺さず保護し、馴化を進めて野犬100頭以上を譲渡した実績がある。常総市には今年6月に野犬シェルターが完成した。)

 

3 野生動物や飼い犬猫に対する影響、環境(地下水・土壌)に対する影響も懸念されるから。

 

4 違法な条文であるから。(県知事には抑留した犬の公示義務があり、いきなり毒殺はできない。飼い主の所有権の確保を阻害し憲法違反ともなる。狂犬病予防法では狂犬病発生時に防疫上薬殺の規定があるだけ。この違法条文を持たない自治体もあるし、住民の反対にあって削除した自治体もある。議論されていない自治体が多いが、今こうして茨城県では議論されるに至った。ほかが残しているからとの理由で茨城でこれを残すのか?自分の頭で考えるべき。)

 

5 条文が残る限り、毒エサはまかれうるから。 

生活衛生課課長は条文はあっても実際に毒まきをやらないと説明されたそうだ。それなら条文は不要はず。しかし、執行部作成の配布資料には「住民周知徹底」「監視しながら実施」「回覧や立札」「職員が監視しやすく」などと記載があり、薬殺への意欲が読める。施行規則によれば緊急時には周知不徹底でも毒エサをまける。条文が残る限り、いつ、まかれてもおかしくない。

 

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県議会を絶望感とともに傍聴しました。

委員長報告があり質疑が続き、修正があれば案を提出できるのです。が、修正はありませんでした。


@討論


江尻かな県議は、本会議のまとめに、明瞭な美声で、上記のような反対討論をしてくださいました。協議を重ねることが重要、と。

すくわれたような思いです。


@今回の条例改悪は、野犬保護現場で汗をかいてきた民間ボランティアの努力を認めない姿勢を表すもので、3年前に子犬も慣れた犬も無差別にターゲットにした毒まきを企画し住民説明会まで開いた茨城県の命をないがしろにする体質を彷彿とさせます。


@また、手続き上、ドサクサに紛れて不正を働かれた感があります。委員会の配布資料には13条が掲載されていないから。また、私が先日、ブログに掲載した内部資料は、議会事務局から削除要請されました。


@なぜ今、毒餌を動かす行為に、わざわざ罰金をあげるのでしょうか。
野犬といっても獰猛な野犬などでなく、ほとんどが捨てられた犬、飼い主のいない犬、迷子の犬、そこから生まれた子犬なのです。それを保護している方は団体だけでなく、個人もたくさんおられます。全国に、何とか殺さず生かそうとする動きがあります。

殺処分ゼロを目指す努力や行為に対して、今、様々なバッシングがあります。お金がないなか、完璧には出来ないこともある、そこを突いて、現場で生かす努力する人々に、無理だ、殺すしかない、と、あきらめさせる動きがあります。

飼い主不明の犬は、毒餌で殺すしかない、と。

野犬と言われる、保護犬に関わって、思います。
全て予算の問題。
予算をつければ全て救える。
敷地とスタッフ。
雇用の創出。
道路一本を来年度に回せば、予算はつけられます。
犬は慣れ、心開きます。
かつて、犬が多数いた時代は、処分、処分で来たのでしょう。
今、転換していくことが出来るかと思います。
改めてご報告致します、私が見た実例をいつかご紹介します。


@茨城県議会の採決では、議案ごとでなく、複数の議案をまとめての挙手採決がなされます。

今回も採決はあっという間に終わり、閉会となりました。

どの議員さんが挙手されたかも確認出来ないほどに。

市議会では議案一つひとつ、採決されるのに、なぜでしょうね。

丁寧に、ではなく、拙速に。

後で聞いたら、反対は上野高志県議、山中たいこ県議、江尻かな県議、の共産党3県議のみだったそうです。

会派ごとに態度が決まり、最終的に、議員個人の思いを反映させることは、至難の技のようです。





動物問題から逸れますが、

議題14号、障害者雇用率の水増し問題に強く抗議し徹底究明と再発防止を求める意見書、

という、国民なら誰も反対する理由がない、当然の内容の意見書が、自民党、公明党、県民フォーラム、その他により、否決されていました。

昔は気骨ある保守系議員がいて、横並び体質や、会派の圧力を超えて、自身の頭で考えられる人がいましたが、今はもう、、、。

この閉塞感をどうしたら打ち破れるのでしょうか。

動物問題だけではないから、、、。




ソラとピン
もと、常総の野犬です。

土浦シェルター、
台風前。



ラッキー



土浦シェルターの丘の上にある、犬猫地蔵



毎日のお世話の積み重ね。雨の中、皆さま本当に、お疲れ様です。

いつか、動物ボランティアの皆さんと一緒に、安心して、笑いあえる日を迎えたいです。


by 鶴田おかめ