CAPIN(キャピン)公式活動報告

CAPIN(キャピン)公式活動報告

認定NPO法人「動物愛護を考える茨城県民ネットワーク CAPIN」
公式ブログ

5月16日にシェルターで出産したママ猫、桜子さん、

赤ちゃんの胡もも(白)、きな胡(キジ白)、胡ま(白黒)。

 

 

出産から2日後の5月18日から、預かりボラの我が家へ一家でホームステイが始まり、

最初は恐怖に固まっていた桜子さんも、甲斐甲斐しく赤ちゃんのお世話を始めました。

人間に強烈なブシャーパンチをお見舞いしてくる、怖がりの桜子さん。

ストレスを与えないよう、子猫には極力手を出さず、

ニャーバーイーツの配達兼トイレ掃除人に徹し、ペットカメラで育児を見守る毎日。

この頃、白い胡ももはいつもママにべったりで、あまり姿も確認できませんでした。

 

ママに愛されてすくすく成長していると思われた生後3週間目のある日、

たまたまペットカメラを見ていたら、白い胡ももが痙攣発作を起こしているのを発見。

すぐ保護して動物病院に電話している間に、発作は収まりました。

 

色々調べて、頭が大きめなのが気になっていたことや症状などから水頭症の可能性もあるように思いましたが、

動物病院では最初、お母さんの母乳がしっかり飲めていなくて低血糖になり痙攣発作が起きたのかも、とのことでした。

なぜなら、胡ももは開眼してみたら両目とも眼球が下を向いており膜も張っていて目が見えず、

また後ろ足も片足が内側に曲がっていて、しっかり立つことが出来ず、下半身を引きずって歩く障害も持っていたため、

だんだんと成長していく他の姉妹のようにお母さんの動きについていくことができず、

放置されてしまっていることも多々あり、母乳が十分に飲めていないと思われたことも理由でした。

(きな胡と比べ、こんなに小さかった胡もも)

おでこが大きく、耳が横向きについていることが気になっていました

 

こちらで引き取って人工哺育を始めたところ、その後は落ち着いて発作はなく

きょうだいよりは成長が遅い小柄な子でしたが、胡ももちゃんなりに一生懸命大きくなってくれました。

目が見えないながらもきょうだいと負けずにプロレスをして、足を引きずりながらも追いかけっこをして、一緒に団子になって眠ったり、ママにグルーミングしてもらったりと、

家族の一員として子猫らしい日々を送ることが出来ました。

 

しかし7月のあたま、夜に突然、小さな体には酷すぎるほどの大きな発作が起きてしまい、

それから一晩中、絶え間ない発作が続きました。

翌朝すぐ病院に行き、水頭症(によるてんかん発作)では…?と聞いてみましたが、

痙攣発作の原因となる病気は色々あり、今はまだ体が小さすぎて詳しい検査ができないこと、血液検査のため針を刺すだけでも発作の引き金になるかも、

そしてやはり低血糖かもしれないのでまずはブドウ糖を投与してみてとのことで、

ブドウ糖を投与しながら様子を見ましたが、やはりその日も昼夜問わず発作の嵐でした。

この2日間の発作の嵐をあんなにも小さな体で必死に乗り越えたこもちゃんは、

本当に本当に強い子だと思います。

 

翌日またすぐ病院へ行き、

やはり水頭症ではないかと思うので、詳しい検査はできなくても頭にエコーをあてて検査してほしいこと、あまりに発作が続いているし、縦揺れ眼振もあり脳の関係だと思うので、とにかく発作止めの薬が欲しいことなどを強く訴えました。

結果、エコーでみたら脳脊髄液が多く溜まっており水頭症であること、血液検査(今回はしてくれました)の結果、臓器に問題はなく、後天性の水頭症の原因として多いというFIPでもないことがわかり、ひとまず診断がつきました。

猫の先天性の水頭症は大変珍しいそうです。

 

おしりから入れるジアゼパムという発作止めも効いて、

こもちゃんはやっと体を休めることが出来ました。

 

抗てんかん薬のフェノバールを服用しながら、発作が起きたらすぐジアゼパムを直腸注入する形で治療が始まり、ジアゼパムを入れなければいけないような大きな発作が起きることは日に日に減っていき、1本も入れずに済む日が増えていきました。

皆様のご支援物資のa/d缶とロイヤルカナンのベビーマザームースを混ぜたものをモリモリ食べてくれて、体重もぐんぐん増えました。

 

2回目の発作が起きて数日後、きょうだいのきな胡&胡まは譲渡ボランティアのさくらんぼさんがお迎えに来て下さり、現在は譲渡会デビューへ向けスタンバイ中。

桜子さんはシェルターへ戻って、その後、避妊手術を受けました。

(ちなみに、こもちゃん達は全員ウイルス検査マイナスでした)

こもちゃんも、姉妹とお別れの前に遊ぶことができるくらい回復していました

 

我が家に残ったこもちゃんは、お部屋を歩き回ってみたり、

犬のエイミーにくっついてお昼寝したり、家の猫にペロペロされたり、

可愛い声で鳴いて人を呼んだり、

人の足の匂い?を頼りに一生懸命ついてきてくれたり、お人形と戦って遊んだり、

お膝の上でコロンコロンしてお昼寝したり、トイレに置くとタイミングが合えばちゃんと排泄できたりと、子猫らしい毎日を過ごすことができました。

 

 

我が家の「足が不自由オールスターズ」の1枚↑

ノエル(白黒)は外猫だった子猫時代に両足粉砕骨折で切断手術、

エイミー(犬)は交通事故で脊髄損傷して保護され下半身麻痺&圧迫排尿ですが

みんなそんなことものともせず、強く明るく今を生きています

 

突然ファッファと威嚇するような行動(発作の一種と思われる)や、チックのような軽い痙攣、震えなど、軽い発作は1日の間に何度かありましたが、

大きな発作はなく、服薬しながらずいぶん落ち着いて過ごせていて、

病院には毎週行っていましたが、体もずいぶんしっかりして体重も増えていて、ステロイドも減らしていく方向になっていたくらい良い状態だったのです。

 

このまま何とか、治療しながら保っていけるのではないか、このまま大きくなっていけるのではないかと家族も希望を持っていた矢先、

7/16の朝に突然また大きな発作が起き、発作止めを入れるも、激しい発作の最中に呼吸が止まり、

こもちゃんはお空に帰りました。

生まれてから、ちょうど2ヶ月目の日でした。

 

子猫は皆、とてつもなく可愛らしい存在ですが、こもちゃんは中でも特別な子でした。

天使っているんだなと、冗談ではなく思いました。

そしてたくさんの愛らしい記憶を残して、急ぎ足でお空に戻り、本当に天使になりました。

 

(亡くなる前夜、ひざのうえでスヤスヤ眠るこもちゃん)

 

なぜこもちゃんばかりと思ってしまうような、脳と目と足の三重苦を背負って生まれて、

それでもただひたむきに、短くても精一杯生き抜いたこもちゃん。

誰よりも可愛らしく、強く、懸命に生きたこもちゃんを、心から誇りに思います。

全ての出会いに意味があり、その生涯をもって大切なことをたくさん教えてくれました。

 

こもちゃん、今も、後ろ足をピョンピョンしてお部屋を探検する姿が目に浮かぶよ。

チャムチャムと音を立てて一生懸命ご飯を食べる姿、

ごきげんでコロンコロンしながら自分のお手々をしゃぶる様子、

抱っこして頬ずりしたふわふわのおでこ、温かくて、ミルクのようなこもちゃんのにおい。

毛色や模様がどんどん変化して、真っ白だったのが薄いグレーのシマシマも出てきて、

これから大きくなったらどんなふうに変わっていくのか、見てみたかったな。

 

 

もっと生きてほしかった、もっと一緒にいたかった、成長した姿を見たかったけど、

精一杯に生き抜いたこもちゃんに、こちらが勝手に「もっと」と願うのは失礼なことだよね。

本当に頑張ったこもちゃん、大きな発作を耐え抜いて、その後、1週間以上も平穏な日々を一緒に過ごさせてくれてありがとう。

こもちゃんを見ていると、「尊い」という言葉が自然に浮かんでいたけど、

本当に尊い、天使のような存在でした。

 

 

こもちゃんの病気が分かって、鶴田代表をはじめ、たくさんのボランティアさんが応援してくれて、

ミルクやフードなど、ご支援物資にもお世話になりました。

旅立ったときも、多くの方々が一緒に悲しみ、頑張ったねと送り出してくれました。

本当にありがとうございました。

 

預かり仮母としては、まだ随時メソメソしてしまいますが、

マンション中層階で、普段はそこまで飛んできたのを見たことがないのに、

ベランダにひらひらとチョウチョが飛んできて、すぐに姿が見えなくなりました。

なんとなく、こもちゃんが「僕はもう自由だよ、心配しないで」と言っているような気がしました。

 

きっと、もう何も苦しいこともなく、桜子ママ譲りの綺麗な青い目を輝かせて、強い足で元気にお空を走り回って遊んでいるね。

またいつか、会おうね。

こもちゃん、ありがとう。

 

 

 

姉妹の胡ま、きな胡、お母さんの桜子さん、どうかこもちゃんの分まで幸せなご縁に恵まれますように。

桜子さんはまだ人が怖くてシェルターで修行中ですが、小柄で青い瞳のとっても美しい子です。

慎重で周りをよく観察している本当は甘えん坊の胡ま、

陽キャで怖いものなしの姉御肌のきな胡。

里親募集デビューしました暁には、気にかけて頂けましたら幸いです。

とっても仲良しな姉妹

(お写真:さくらんぼさんより)

 

イカ耳だけど、ボラさんの持ってきてくれたハンモックが気に入っている桜子さん

(お写真:よっちゃんより)

 

また、今回こもちゃんのことがあり、初めて猫の水頭症を経験し、

色々調べたもののあまり実例の情報がなく、

こもちゃんのことが参考になればと個人のインスタで少し様子を綴っていたのですが、

急な旅立ちとなってしまいました。

しかし、目が見えない、足が不自由、てんかん発作の症状がある中で、

素人ながらに工夫したり、勉強したことが色々ありましたので、

こもちゃんの生きた印をつないでいくためにも、引き続きそういったことを発信していけたらと思いました。

#胡もも で検索して頂けたらと思います。

 

先天性で、こんなに小さなうちから水頭症とわかることも稀かとは思いますし、

短い期間のことではありますが、

もしも誰かのお役に立てることが少しでもありましたら幸いです。

 

(ドラメイ)

 

皆さんのご支援してくださったミルクやご飯、美味しかったです。

応援してくれて、ありがとうございました(胡ももより)