あちこちで講演し、執筆し、時に映画のパンフ等にも書かせていただいていますが、
パレスチナ・ガザ地区は10km×40kmの「監獄」です。
東京23区の60%ほどしかない地域に180万人が暮らしていますが、
陸の国境線は、イスラエルとエジプト政府によって封鎖されています。
海・空は、彼らの自由になりません。これも政治が背景にあります。
沖合10kmほどより先に進めばイスラエル軍に撃たれますし、
日本も支援して出来上がった空港は、イスラエル軍に壊されたままです。

(参考:ハフポストさん
【図解】もしガザ地区が東京にあったら?(パレスチナ情勢)から借用。
ガザ地区の長さは、横浜から北千住くらいだそうです。分かりやすい記事に感謝。)
私が講演に行く時は、皆さんに必ず聞いています。
「例えば、陸海空を封鎖されたとしたら、
あなたの街はどうなりますか?」「留学や、好きな分野の勉強ができない」
「仕事の数が足りなくなる」
「資源が足りずに産業が発展しない」
「発電所から電気がこなくなる」
「地域が監視社会になる」
「ディズニーランド(好きな場所)に行けなくなる」
等々……いただくのはいつも、的を射た答えです。
これらは正に、ガザ・ひいてはパレスチナの現状だと思います。
(発電所からの電気なんか、1日5、6時間しか各家庭に届かないです。)
2、3年おきに起こる軍事攻撃、資源輸入や輸出の制限も相まって、
ガザの失業率は43%、若者層に至っては60%。
例え高等教育を受けたとしても、
得られる仕事は大体、レストランのウエイターかタクシー運転手です。
そんな状態で、「勉強をしろ」「夢を見て」という方が難しい。
どんなに夢を描いたって叶わないのなら、
未来に希望をもつことすら辛いはずです。
私がガザ生まれだったら、希望を持つのは止めると思います。
自分の心が傷つくだけだから。
そして私はガザの人に、そんなに簡単に
「希望をもって」「未来を描いて」なんて言えません。
「じゃぁあなたは何をしてくれるの?」と問われて、
「この政治状況の変化を訴えてる」と答えても、
彼らの生活は何も変わらない。
彼らが欲しいのは、ただの言葉じゃない。未来への展望をもたらす変化です。
* * *
8月半ば、先週のことですが、
「ガザ地区で日本人グループが若者の起業を支援している」というニュースが
各紙で(多分オリンピックや終戦記念報道の裏でひっそり)流れました。
若者を対象にしたビジネスコンテストをガザで実施して、
優勝したグループに資金を提供する、というプロジェクトです。
(通称:
ガザチャレンジ)
優勝したのは、2つのグループだったそうです。
発電所の灰から高性能な建材を作ろうとしているグループと、
重い荷物や車いすの輸送ができるキャリアー・車輪を作ろうとするグループ。
私はコンテストを見ることは出来ませんでしたが、
各グループが本当に真剣に起業を志し、
参加者が本当に真剣に優勝者を選び、讃えたことは伝わってきました。
この動きを見ていて、
「あぁ、すごいことをやってのけたなぁ…」と思いました。
そして、もっと注目を受けて欲しいし、ずっと続けて欲しいと思いました。
マイクロクレジット事業はこれまでにもありましたが、
今のガザでは、コンテストが注目を浴び、人々に知られることにも意味があります。
優勝チームはいずれ「ガザでも何かができる」ロールモデルになるだろうし、
来年のコンテストを目標にして、
若者たちも日々の研究や仕事に張りが出るはずだからです。
もちろん、ガザの問題の根底には「イスラエルによる封鎖」があります。
だからといって、封鎖解除を唱えるだけで、
政治が変わるのを座して待つことに、私は強烈な違和感を感じます。
今を生きる若者たちに、人生は二度は巡ってきません。
夢を描き、磨いて、自らの力で勝ち取ろうとする人々がいるならば、
少しでもいいから行動で共感を示したい。そう、思っています。
長くなりましたが、もし共感してくださった方がいらっしゃれば、
是非プロジェクトを支援してあげてください。
運営チームの方々を存じ上げていますが、とても頑張っています。
そして、更なる改善の余地があります。
ドナーになって、叱咤激励してあげてください。
私も、少しだけですが支援させていただきました。
そして、言いたいことを伝えています。笑
(言いたいことを言った上で本当に物事を変えられるのは、
本気で関わっている人だけでしょう? 私はそう思います。)
【支援先はこちら】
「世界最大の監獄?パレスチナ、
ガザに眠るアイデアを形にしたい!」
参考:これまでのメディアまとめ
------------------------------
◆朝日新聞/朝日新聞デジタル(2016年8月12日)
失業率4割超、ガザで起業支援コン 日本の若者ら開催◆時事通信(2016年8月12日)
若者に自分で生きる力を=日本人主催でビジネスコンテスト-ガザ◆朝日新聞/朝日新聞デジタル(8月9日)
(世界発2016)IT起業、ガザに光 境界封鎖され失業率4割超
◆NHK(2016年8月12日)
ガザ地区で日本人グループが若者の起業支援◆NHK World(2016年8月12日)
Japanese group to aid young entrepreneurs in Gaza