アニマルトレーニングには、おもに3つのカテゴリーがあります。
これ下差し
 

ダイヤグリーン動物に、スワレ・フセ・立ち位置など動作(身動き)』を教えるもの

右矢印例えば、 ヒールポジションの教え方 や、トリックトレーニングなど。

 

ダイヤグリーンルールや法則といった、目に見えない『概念』を理解させるもの

右矢印(サンプルマッチ)コンセプトトレーニング や、Do as I Do など。

 

ダイヤグリーン落ち着きや衝動抑制、好き、嫌いなど、動物の『心の状態』に働きかけるもの

右矢印マットでリラックス や、掃除機に慣れよう ハズバンダリートレーニングなど。

 

などが、あります。

 

今回は、『心の状態』に働きかけるトレーニングの中から、

(ZEN)トレーニングの紹介です。

 

 

禅トレーニング(禅トレ)では、
往来する人、犬、鳥も... 
そして、音も匂いも...
 
今、目の前で起きていることすべてを
日常の『あたりまえのもの』として景色に溶けこませることを
最終目標としています。
決してそれらが特別なことや不安を抱くことではない
と、犬が感じることで
環境に過剰反応しない習慣を身につけていきます。
 
すご〜く地味なトレーニングなんですが、
とても大切。
っで、これが意外と難しい。アセアセ
練習なしで最初からできる子ってなかなかいません。
 
 
犬が... 『あれは何だろう?』
っと、見たり、興味を示すことは全然オッケーです。OK
ただ、心が穏やかであること。
そこ一点に集中します。
 
...なので、
禅トレ中の犬の体勢は気にしません!
 
犬が座ろうが...
フセようが...
 
その犬が選んだ心地よい体勢で構いません。
いやっ、そうでなければ意味がないんです。
注意 禅トレ中は犬の体勢に関する号令や合図、指示を出さないでください。
 
 

マーフィー16週齢。車の中から禅トレ真っ最中。

目の前を通り過ぎる人や犬。当たり前の光景だから気にしなくていいんです。

 

子犬は、置かれた環境が

「安全」だと感じることで過度に反応しないことを学びます。

逆に言えば、そこに「不安」がある以上

馴れないんです。

 



野鳥の集まる池にて。鳥に対する禅トレ。

11週齢になったマーフィーの練習に付き合うジェイド1歳10ヶ月。

彼女もついこの間までタンクにつきあってもらって練習してたなぁ。

 

 

ところで、そもそも『心が穏やかな状態』とは、

どんな状態を指すのでしょうか。
 
右矢印吠えたり、鼻を鳴らしていない
右矢印全身の筋肉が緩んでいる
右矢印呼吸が上がっていない(暑さではなく)
右矢印瞳孔が開いていない
右矢印水や食べ物を受けつける
右矢印興味の対象から目線を外すことができる
 

こんなところを確認してみましょう。

 


(奥)トービン1歳4ヶ月、(手前)タンク16週齢の頃。
初めて訪れたビーチでも、まずは禅。頃合いを見て、自由に遊ばせます。
※ちなみに、ここは犬のノーリードOKなビーチです。
 
 
私からは何の指示もありません。(←ここ重要)
常に人が指示を出してしまうと、
指示がなければ出来ない習慣が身についてしまいます。
もちろん、それでも、十分なんですが...
究極の社会化を求めるなら、ここは外せません。
 
指示があって、おとなしくすることと、
指示がなくても落ち着いていることは
脳内の状態が全く違うということだけご理解ください。
禅トレは、後者のための練習になります。
 
したがって、この禅トレーニングには
あえて言葉による合図はありません。
(犬に話しかけることはオッケーです。) 
 
骨ご褒美について
禅トレ中のご褒美は、時に食べ物も使います。
ですが、なるべく食べ物と環境を直に結びつけたくないので、声をかけたり、
撫ぜたりということをメインにして食べ物は、練習の最初と最後ぐらいに制限しています。
※これについては、別の機会に詳しく説明します。
 
 
犬のトレーニングや訓練って聞くと、
すごく厳しい服従訓練を連想される方も多いと思いますが
実は、こんなゆったりまったりのトレーニングもあるんです。
日常生活においては、「待て」や「お手」を教えるよりも
こういった練習の方が必要だったりします。
 
こんなトレーニングもあることを
少しでも知っていただけたら嬉しいです。照れ
 
 

環境に左右されず、心穏やかにいられる習慣を身につける

キーワードは、平常心

 
禅トレ、オススメです。
 
 
わんわん
...っとは言っても
最初から外でこの練習をするのは少々ハードルが高いですよね。
そんな時は、まず室内で行うマットでリラックスから始めてみてください。
とくに、外では興奮ぎみな子や、怖がりな子、など
環境に過敏な子の場合は、必ず室内でのマット練習から
始めてみてください。
 
なぜ、マット練習が大切なのか...
それについては、コチラの記事 【安心毛布】で詳しく説明しております。