candy -6ページ目

He's a blasted idiot.

今日も彼は、
気に入らないことや
思い通りにならないことがあると

当たり散らし、
汚い言葉で罵倒し、
全てを私のせいにした。


まるで二歳児のようで
怒りを通り越して呆れた。


どうしたらあんなバカになれるの?


打開策を見つけようとか
相談して考えるとか
知恵を絞ってみるとか
妥協案を見つけるとか
最善策を考えるとか


彼には全て出来ないらしい。


思い通りにいかなければ
喚き散らして、誰かのせいにして
捨て台詞吐いて逃げる。


落ち着いて考える知能も
冷静に話し合う理性も
彼には何もない。


まるで動物のようで
情けない。



頭が悪いとは、まさに彼のこと。



反論する気力も
言い返す元気も
あなたは間違っていると諭す余力も

私にはもうなかった。



かわいそうな人。



彼の頭や心は
きっと常に、怒りと嫉妬と被害妄想と
ひがみと逃げと自己防衛で一杯で

いつでも何かに不満や不平を感じ、
自分を愛することが出来ず、
誰かを愛することも出来ず、

真っ黒なんだろう。



彼は誰といても
何をしていても

きっと永遠に幸せだと思う事もないまま
真っ黒になった心のまま

全てを睨みつけながら
歯を食いしばりながら
汚い言葉を吐きながら

一生を終えるのだろう。



彼といると
私の心まで黒くなっていく


どんどん死んでいく



もう続けたくないのに
一緒にいたくないのに

声も聞きたくないのに
顔も見たくないのに


私には選択肢がない。



彼が喚いてる間ずっと
私は手をギュっとして
心で繰り返し唱えていた。

《ただ過ぎ去るのを待つだけ、ただ過ぎ去るのを待つだけ》

《これは現実じゃない、これは現実じゃない》


目を閉じて、そう唱えていた私に

「そうやって俺が悪いみたいな顔をするな」と吐き捨てて

彼はドアを乱暴に閉めた。





でも私は大丈夫。



私は大丈夫。




私には知恵がある。

冷静に考える思考力がある。

困難を打開する発想力がある。

第二案を捻り出す想像力がある。

受け入れる勇気がある。

責任を取る覚悟がある。


真っ黒闇の世界でも
小さな星を見つける心がある。




誰かを愛せる心がある。




彼がどれだけ私を罵倒しようと
存在の価値がないと罵しろうと
幾度死ねと言われようと
憎しみに溢れた目で睨まれようと




彼が永遠に手にできない大切なものを
私はちゃんと持っている。




彼がうつむき砂利道を歩く日にも
私は目を開けて空の美しさを感じる。





彼が凍えながら舌打ちする冬も
私は舞い落ちる雪の儚さを感じる。



彼が倒れた人を邪魔だと避ける時も
私はその人に手を貸し友人を得る。



彼がどうでもいいと耳を貸さない話にも
私は心打たれ人生を豊かにする。



彼が表面しか見なかった物事も
私は内面までしっかりと見つける。




彼が「少しもない」と言った幸せを
私は「少しでもある」と感じられる。



彼が見向きもしない路肩の花、
その花を私は見つけ、生きる力をもらう。





どれだけ私に《価値のない人間だ》と
彼が言おうとも



私は大丈夫。




彼の言葉も行動も

私には、ただ通り過ぎる喧騒。



目を閉じて

心で唱えて

息を止めて

数をかぞえて



ただ、過ぎ去るのを待てばいい。

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The inside of a prison.


私はこの牢獄の中で生きる


今も、これからも
きっとずっと。



窓から眺めた世界は美しく
みんな自由で輝いている。


たくさんの世界を見て周り
たくさん笑い合い
愛し愛され


自由だという自覚すらなく
自由に生きている。



私は羨み、妬み、失望し、
優しい心も見失い

怒りと、無念さと、絶望の中
ただ毎日この牢獄で生きる。


どこにも行けないのに
何もしていないのに
ひどく疲れて

そのうちに窓の外も眺めなくなる。



なんの楽しみもなく
日々がただ過ぎるのを待つ。

なんの希望もなく
季節がただ過ぎるのを待つ。

つらいことばかりが待ち受ける未来
それらが、ただ過ぎるのを待つ。


1つ過ぎては、また1つ。
悲しみや、苦しみは絶えることなく



来る日も来る日も
私はこの牢獄で生きる。




どこにも行けない。
誰も助けてはくれない。



出来ることは

絶えること、諦めること、受け入れること。


泣いても、叫んでも
どうにもならない。

どうしようもない。

誰にも聞こえない。



ここには、白馬に乗った王子様は来ない。
誰も私を助けには来ない。


ただ、ひたすら
過ぎるのを待って

死んでいるみたいに
ただ生きて


いつか本当に死ぬ日まで
ただ人生が過ぎるのを待つだけ。


私が自由になれるのは
空想の世界だけ。


空想の世界では
どこへでも行けるから

誰にでも会えるから

何にでもなれるから


自由で、笑顔で、幸せで
そんな私になれるから。



だから目を閉じて



窓の外なんかもう気にしないで



だから耳を塞いで



誰かの罵倒なんか雑音に変えて



だから口をつぐんで



誰かに伝えることは何もないから





ただ、空想の世界で
現実が過ぎるのを待てばいいだけ。



何十年かすればきっと
現実から空想の世界へと
本当に行けるんだ。



そうしたらきっと、
私にはやっと幸せが訪れるから。

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The only way.

壊れた心を
さらに砕くような

その言葉


久しぶりに
彼の前で泣いた


意味はない

泣こうが叫ぼうが



何も変わらないと
知っているけれど




いっそ
殴りつけて欲しかった



周りの人たちにも
ハッキリと分かるくらい



誰にもバレない方法で
心だけを破壊する彼は
何よりも卑怯で臆病な人間。



人間ですらないのかもしれない。




monster



そう呼ぶのがふさわしい。




想像する

何度も、何度も
繰り返し



子供を抱き
海に飛び込む姿を




あのモンスターの元に
残してはいけないから



他に誰も
助けを求めることも出来ないから


友達もいない。


ただ下らない話して
笑い合う程度の友達しか
私にはいないから。




親には頼れない

自分たちの事で
精一杯と知っているから。





私には誰もいない。




聞いてくれる人
頼れる人
優しい言葉をかけてくれる人


大丈夫だよって
生きてもいいんだよって


そう言ってくれる人



私にはいない。




誰ひとりも。






寝たいのに
眠る事が出来ない


食べたくないのに
食べないといられない


全ては私の意思と間逆


私はしたくない事だけをして
聞きたくない言葉だけを聞いて
考えたくない事だけを考えて



毎日をただ漠然と
生きている。



生きているとは言えないのかもしれない。




幸せな夢すら見れない


空想をする力すら
気力すら

残ってはいない。




助けて、誰か
助けて。

ここから連れ出して。



心で唱えてみても


現実は何も変わらない。





私は生きることも、死ぬことも出来ず





ただ真っ暗な部屋



思い浮かべている

子供を抱いて
海に飛び込む姿を。





それが唯一の救いに思えて



それだけが
唯一の道に思えて





後戻りも出来ない
先にも進めない

右も左も行き止まり


断崖絶壁に
ただ子供を抱いて立ち尽くし



唯一の道



真冬の海




そんな想像を繰り返し
繰り返し


繰り返して




2人のお気に入りの歌を歌ってあげる

思い切り抱きしめてあげる

永遠に愛してるって言う



最後のキスをして



私は一歩を踏み出す




ここよりはきっとマシな世界へ
飛び出して




そんな想像を



ただひたすらに
繰り返している。

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He betrayed my confidence in him.

信頼関係があった頃

彼の言葉を信じたいた頃


そんな頃があった。




今ではもう
何もない



愛も、信頼も、尊敬も、思いやりも



全てが失われた。




毎日毎日を積み重ねていく中で
少しずつ、でも確実に


気持ちは離れ

愛情は消え

彼の言葉も行動も
全てが信じられなくなった。




彼に安心して任せられたことも
今じゃ全て自分でやらずにはいられない。



約束の言葉も、
謝罪の言葉も、

なんにも信じられない。



苦しい。
まるで酸素の薄い場所で
息を殺しながら耐え続けているよう。


どれだけ深呼吸しても
深く息を吸い込めない。



嫌だ。
嫌だ嫌だ嫌だ。



息ができない。




もう終わらせたい。

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We're close.

始まったばかりの夏

懐かしい笑顔


私たちは、友達で
それ以上なんにもなかった



でも

やっぱりそこには何かがあって



帰り際
歩く距離がずいぶん近くて



その腕に引き寄せられて
並んで歩く




夏の夜

風もなくて

もう帰らなきゃならなくて




腰に回された手

甘酸っぱい、くすぐったい気持ち




「やっぱり、特別な感じがするよ」
私が言った。


「当然だよ。俺にとってもそうだよ」
あなたは言った。




あなたの肩に、
少しだけもたれて




あなたの瞳を、
少しだけ見つめた。




「可愛いよ。やっぱり、お前は可愛い」



「可愛いだなんて、もう誰からも言われないから嬉しいよ。もっと言って?」




「可愛い。可愛いよ。」






夏の夜に


私たちは2人



きっと、仲間から離れての見送りは
偶然じゃなく



昔から私たちは



仲間同士集まっていても
気付けば2人きりで



切ない、甘酸っぱい時間を過ごしたから




何年ごしでも



何もなくても



本当に何もないわけじゃなくて



そこには、いつも

言葉では表せない何かがあって


2人だけの特別な空気があって



誰かが入れない

そんな何かを感じたんだ。




手すら繋がない

抱きしめられた訳でもない

キスなんかしなかった



なんにも、なかったよ。




でもね、
やっぱりちゃんと


私たちだけにしか分からない

切ない空気があったよ。




ただの友達




今もやっぱり、
そうは呼べない。



あと1時間2人でいる時間があったなら

きっと


何もないままではいられなかった。




そんな気持ちに蓋をするように



私たちは手を振った。



次に会う日が
また来るのかな?



あなたは特別な人。


あなたにとって私も
そうであり続けたいよ。

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