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Nevr ever.


目と目が合って、微笑み合う瞬間

ためらいもなく手を繋いで歩いて

彼のために服を選んで

2人の未来を笑顔で想像して

会いたいなぁって、ふと思ったり

この曲いいよね、って一緒に聴いて

映画観ながら笑って

私たち老夫婦になったらどんなかな、って
想像してみたり

じゃれ合ってキスして

抱きあって眠り

おはようってキスする


早く帰ってきてほしくて待ってたり

喜んで欲しくて一生懸命ご飯作ったり

今度一緒にこんなことしたいな
今度一緒にこんな場所行きたいな


旅行に行こうか?
どこに行きたい?


キレイな景色を見た時
あなたにも見せたいなって思う


出逢った日、結婚した日、
2人の笑顔の写真、
思い出して、記念日をお祝いして、

来世があれば
また出会いたいな


一緒になれて良かった

一緒にいられて幸せ

ずっと一緒にいようね


あなたを信じてる

どんな時も2人乗り越えていく



ただ、大切に思う

側にいて欲しい


抱きしめていて欲しい



私のために
あなたのために
2人のために









「私たち」






そんな全てを




私は手放さなきゃ



諦めなくちゃ




ふいに感じる希望を




手放さなきゃ






もう二度と




そんな「私たち」には会えないから。




さようなら


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bitter&sweet


好きでもない人と暮らしている、と
あなたは言った。

憎しみしかないと、
あなたはまた言った。

愛してもない人に何を言われても傷付かないだろ?と、あなたは繰り返し言った。
  




この生活は、なんだろう。

私は、どうしてここにいるんだろう。


悪夢ばかりをみる。
現実と同じ悪夢を。


叫びながら目覚める日
泣きながら目覚める日


夢の中にさえ、居場所はなかった。



チョコレートを、1粒食べて
深呼吸をしてみる。


そのビターな甘さが
身体に染み渡るようだった。


心の中にある涙の海に、お砂糖の雪が降る。


張り詰めた気持ちが溶けていく。



一瞬の夢を見る。



それは儚く、脆く、とても美しく
小さなカケラに沢山の媚薬を詰めて


悲しみに溢れる私の小さな世界に、
一瞬の幸せをくれる。


ここから連れ出して

一瞬の夢を見させて


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can't stay sober.


壊れた家庭。
壊れた家族。
壊れた夫婦。
壊れた父親に母親。
壊れた日々の中で、写真にだけ嘘の記録を残しても、きっと記憶と重ならない。



理想の家族を演じ、理想の瞬間を収める。



「旦那さんとお子さんは幸せですね」
何度も書き込まれたコメント。


それを見るたびに思う。



何も解ってない、って。


でも、解るはずがない。
そう見せてるのは自分。
人も羨む家族を演じて、素敵なお母さんを装おってるのは私。



なんでこんなことしてるのかな。


子供への罪滅ぼし?
見栄を張りたいから?



これも、私の白昼夢なのかもしれない。
幸せなフリをする事で
私は幸せなんだって、自分で自分を信じ込ませたいのかもしれない。

現実逃避したいのかもしれない。


見たくない現実に無理矢理フタをして、
憧れる仮想を形にして、
作り笑いでもいいから、笑っていたいのかもしれない。


空想ゲームに家族を参加させてるだけの、1人遊びなのかもしれない。



虚しくて、なんだか泣けてくる。



描いている理想が、あまりにも遠すぎて
どうしようもない。



まるで酔ってる時に
箸が転がるだけで笑えてくる感覚。


バカみたいだね。
家族ごっこ。


シラフでいられないよ。
バカらし過ぎで


家族ごっこしてる自分が哀れで
シラフで演じられないよ。


シラフのままで、愛し愛されたかった。
幻想に酔わず、空想に溺れずに、
シラフのままでも笑い合いたかった。



死にたい気持ちで料理して
明日が来なければいいと望みながら、明日のパーティーの準備をする。


子供を心から愛しているのに
一緒に死んでしまえたらと思ってる


彼を抱いて、海に飛び込む勇気があればと思ってる。


最低な母親なのに、
最高の母親なフリしてる。



なんにも見たくないよ
なんにも考えたくない


育った幸せな家族もバラバラだし
幸せになろうと作った家族もバラバラ


私には、なんにもない


欲しかったものも
以前はあったものも


全部ない。




砂漠にいる中で
蜃気楼を自分で作り出してる


凍える雪の中で
マッチを擦って幻想を夢見てる


そうする事で

乾きは潤い、心が温まる。


そんな気がして



現実から目を背けなきゃ
生きてはいけそうにないから



だから私はきっと、一生懸命に作り出す。



「幸せな家族」を。

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Her story Part2.



そんなある日
新しい治療法が見つかり

彼女の顔は素晴らしい医師により
元通りの美しさを取り戻した。


すると彼は

「よく頑張ったね!治って本当に良かった!家族もこれで幸せだよ!」

そう言った。
 

彼はまた結婚した当初のように
優しくなり、愛していると言った。


「この先どんな時も、今度こそ愛し続けるよ」と誓った。



彼女は、その言葉を信じられると思う?
 


また彼を愛せると思う?


本当に彼に愛されてると思える?



そう。
もう無理。



彼が愛していたのは、彼女の容姿。
自分にとって利益をもたらす条件。
条件を満たせば愛し、満たさなくなれば邪魔になる。



それは愛と呼ばない。

初めから、彼に愛なんか存在しなかった。


そう、結局
彼女は、1度も彼に愛されたことはなかった。


彼女は荷物をまとめた。


そして、やっと見えない鎖から解放され、

自由になって、

心からの笑顔で、扉を開けて踏み出した。

新しい世界には不安もあるけれど

彼女にはもう、偽りの愛は必要なかった。

彼にとっての条件を満たす事でしか得られない、ニセモノの愛はいらない。

もう、彼女を言葉の刃物で切りつける人間と、人生を共にしなくてもいい。


彼女は、見失わなかった。
容姿がめちゃくちゃに崩れようとも、
心をズタズタに引き裂かれようとも、


自分は愛される価値のある人間だということを。


自分には、存在している価値があるということを。
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Her story Part1.


とても美しい容姿の女性が、ある男性と結婚しました。


その女性は、彼が自分を容姿で選んだんじゃなく、心から愛してくれると信じて結婚しました。


「何があっても、愛しているよ」
その言葉を信じて。


でも、ある日彼女は事故に合って
容姿は壊れてしまいました。


そうしたら、男性は言いました。
「こんなはずじゃなかった。こんなことになるなら結婚しなかった」


それからの日々
来る日も来る日も、彼は彼女に暴言を吐き続けました。



「そんな顔で待っていられると帰ってくるのが嫌になる」

「そんな顔のくせに、偉そうにするな」
「お前の顔のせいで、一緒にいる家族みんなが周りから見られて迷惑なんだ」

「お前は邪魔なだけの存在だ」

「普通の顔になってから言え」

「お前の顔、もうウンザリなんだよ!」


毎日毎日、彼女は罵倒された。


彼女は必死で戦った。
壊れそうな心を、自分自信で守るしかなかった。


「私だって好きでこの顔になったんじゃない」

「私だって毎日苦しい。こんな顔で生きるのが辛い。昔は普通に笑えていたのに、他のみんなと同じように外出して、楽しく笑ってたのに、今じゃ何も出来ない」

「少しでも良くなるように、治療も頑張っている」

「迷惑かけるのは申し訳ないけど、今すぐにどうにか出来る訳じゃない。どうしろっていうの?」

「どんな時も愛するんじゃなかったの?」


でも、彼には何も響かない。
彼女の苦しみなんか、関係ない。


「悪いことをしているように見えない」

「もっと申し訳なさそうにしろ」

「マイナスの奴が何を言ってるんだ。せめてゼロに達してから言え」

「どんな時も愛せると思ってたけど、実際は違った。お前のことが嫌い過ぎる」

「オレの人生を返せ。やり直せるならお前と結婚なんかしない」


そうして
実際に殴りはしなくとも
彼は彼女をボロボロにした。


彼女は、死にたくなって
全てが嫌になって

彼を憎み
自分を憎んだ。


毎日明日が来ない事を祈りながら眠った。



楽しかったことも
愛されていると信じた日々も
全て幻になった。



タバコとアルコールを手にする回数が増え、家からも出なくなった。



どうしたら死ねるかを考える時間が、彼女の安らぎになった。


それでも、彼女は自分で自分を抱きしめながら耐えた。


彼女は、とても強く美しい。




彼は彼女を「お前は弱い人間だ」といつも言っていたけれど



弱くて哀れな人間は彼であることを、彼女は知っていた。


自分の弱さを隠すために、彼女を威嚇し攻撃して、自分は強いんだと思い込みたいのは彼自信だと、彼女は気付いていた。



体の小さな彼女は、
心のちっぽけな彼なんかよりも
遥かに、強かった。



強く、辛抱強く、彼女は耐えた。
1日1日を、なんとか生きぬいた。

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