It's like out of a fairy tale .
分かっているのに
なぜまた繰り返す
だってもう、変わらないから。
何も変わらない。
永遠に。
どんなに望んでも
訴えても
泣いても
叫んでも
争っても
話合っても
理解してくれたように思えても
変わったように思えても
うまくいくような気がしても
全て、あっという間に崩れ
また振り出しに戻る。
それは、ずっと繰り返す。
時間や労力や精神力を注ぎ込んでも
何もかもが無駄になる。
分かっているのに
どうしてまた期待してしまう?
どうして
伝えようと努力してしまう?
諦めたらいいのに。
そうしたらラクになれるのに。
何千回、何万回…
繰り返しても同じ。
また同じ場所に戻り、呆然とするだけ。
こんなに必死に歩いてきた道のりが、ただの円だっただけで
スタート地点に舞い戻り
愕然とするだけ。
その繰り返しを
私は永遠に続けていくのだろうか。
諦めればいいのに。
ゴールなんか、初めからない。
出口なんか、どこにもない。
ただ全てを消耗して
ひたすら歩き続け
振り出しに戻るだけ。
もう現実を見ようよ。
思い描いたようなファンタジーはない。
ここは現実という名の地獄。
私の生きる世界から、私は逃げ出せない。
行ける場所はただひとつ。
心の中にある、私だけの世界。
現実から離れ、幸せになれる場所。
もう、歩くのやめよう。
どうせループからは逃げられない。
どんなに走ろうと、辿り着くのは同じ場所。
私は生きている限り、逃げ出せない。
受け入れよう。
諦めよう。
もう、頑張るのやめよう。
彼は変わらない。
何も、変わらない。
私にとってのこの世界は
永遠に地獄であり続ける。
私にとっての幸せなことは
《今日は悲しみが少なく済んだ》ことくらい。
悲しみが少なく済んだ日が
私の最良の1日。
涙を流さないで眠れた夜が
泣けるほど幸せな夜。
私の毎日は、これからも
またずっとずっと同じ。
昨日も今日も明日も全部
振り出しに戻るだけの、ただの1日。
先に進むことなんかない。
私に出来ることは、「今日より悪い1日になりませんように」と祈ることくらい。
幸せそうな人を見ると
まるで別世界の風景のようで
おとぎ話を見ているみたいに感じる。
私にとって《幸せ》は
おとぎ話とおんなじ。
あるはずない、つかめるはずない、
現実では起こり得ない、
そんな夢物語。
この牢獄の中で
永遠に逃げ出せないまま
私とは掛け離れた美しい世界を眺める。
羨ましさも
妬ましさも通り越えて
それはただの、おとぎの世界。
I hate myself like this.
あなたが私を嫌うように
私は私が嫌い
あなたが私を憎むように
私は私が憎い
あなたといると
日に日に自分が嫌いになる
何もかも歪んでいくように感じる
友達の幸せな話
昔の自分なら喜んでた。
今はもう
喜べないどころか
妬んでいる自分に気づく。
不幸になればいい
そんな風に思って
そんな自分に涙が出た
「友達の幸せが喜べないなんて、そんなの本当の友達じゃないからだ」って
何かに書いてあった。
彼女が本当の友達じゃないなら
私には友達なんかいないんだろう。
いつだって
あるのに無いものばかり
幻や蜃気楼や幽霊に囲まれて生きているみたいな人生
あるのに、ない。
全て、本物じゃない。
幸せな家族の思い出も
愛し合う両親も
愛してくれてた恋人たちも
永遠だったはずの愛も
築いてきた信頼も
描いた、ささやかな未来の幸せも
あると思ってた
あると信じてた
でも全てが幻だった。
ほんとは何もなかった。
私が見ていた夢は醒めてしまった。
特別なものが欲しかった訳じゃない
人よりすごいものを求めた訳じゃない
ただ、ありふれた幸せが
私にも手に入ると信じていた
みんなが当たり前に思うこと全て
私は掴むことも出来ない
羨む気持ちを越えて
妬む気持ちが増えて
そしてもっと、
もっともっと自分を嫌いになる。
こんな私は消えてしまえばいいのに
いなくなればいいのに
私なんか大嫌いだよ。
なんにも悪いことしないで
真面目に生きてきても
正直で、優しい心を持とうとしても
なんの役にも立たなかった。
生まれ変われるなら
悪い人間になりたい。
彼のように心も持たずに
平気で人を傷つけて
それでも自分を嫌いにならず
「何が悪いわけ?」って平気で
自分だけを愛せる人間になりたい。
結局人間も弱肉強食で
相手を思う気持ちなんかある人は、ただの弱者になって
そして殺されて終わる。
お腹いっぱいに満たされるのはいつも
なんのためらいもなく相手を喰いちぎれる人なんだ。
私はこの世界で生きているのが辛いよ。
さっさと終わらせてくれたらいいのに
動物と違って食い殺されはしない。
心をズタズタにされながら
生きるしかない。
こんなのもう嫌だよ。
嫌だよ。
普通で良かった。
普通になりたかった。
当たり前で、平凡に生きたかった。
普通の人生が
私には眩しくて見えないくらい遠い。
夜空に光る星みたいに
絶対に届かない所にある。
私には手に入らない。
星を見上げながら、
世界に取り残されながら、
そのうちに
見上げることもなくなって
タバコの煙をじっと眺め
現実を曖昧にしてくれるお酒を飲んで
唯一自由になれる夢の中へ逃げる。
私の現実は
この暗闇の中にしかない。
一筋の月明かりも届かない
この暗闇の世界にしかないから。
I swallowed my words.
彼が、言った。
幸せを壊す私には
「幸せになりたい」と口にする資格もないらしい。
私には、幸せを望む事さえ許されない。
夢見る事なんか、許されない。
彼が望むのは、
「ごめんなさい、ごめんなさい。私のせいでごめんなさい。全て私のせいです、ごめんなさい。」そう言いながら
申し訳なさそうに私が毎日を送ること。
彼が帰宅すると
心臓が波打つ。
どんな表情を作り、どんな言葉を発すればいいのかばかり考える。
私が笑っていたら
「なにが可笑しいんだ。お前のせいでこんなにツラいのに」と言われ
私が無表情にしていれば
「帰ってくるなり暗い顔しやがって」と言われる。
どこが痛いとか具合悪いとか言うから
「大丈夫?」って聞けば
「大丈夫じゃないから言ってるんだろ?」と睨みつけられる。
何も言わなければ「何でなにも言わないわけ?俺のことなんかどうでもいいからだろう」と言われる。
彼にとって、結局私の存在が
私がする全ての行動が、
私が発する全ての言葉が、
何もかも気に食わないのだろう。
だから、私はテレビを見るフリをすることにした。
見てもいないテレビを、
彼が帰宅した瞬間につけて
「おかえり」って言ったあとは画面の方を向いて、見てる真似をする。
テレビを見ている人は、
暗くもなく、可笑しくもなく、
あまり話しかけられることもなく、
1番攻撃を受けずに済むから。
見てもいない画面を捉えながら
私は言葉を飲み込んだ。
何も、言えないし
もう、言いたくはない。
何を言っても伝わる事のない虚しさが
言葉にすればする程に悲しかった。
言葉を捨て、感情を殺すことが
彼との毎日を続ける為に必要で
だけど私の
この心はどこに行けばいいんだろう。
飲み込んだ言葉は、
いったいどこに行くんだろう。
多分きっと、
涙になって私の中から逃げていくんだ。
飲み込んだ言葉たちが、
ぽろぽろと溢れ落ちていく。
そして滲んで
すぐに消えてく。
聞いてもらえずに
受け入れてもらえずに
私の心と言葉が
消えてなくなる。
I wanna kiss you .
あなたは昔、私の目を優しく見つめて
「君の顔が近くにあると、どうしてもキスしてしまうよ」と言った。
あなたは恋人ではなく
私の片思いだった。
私にも優しい、あなたの彼女。
私たちのことを不安に感じてた。
あなたも私も、
惹かれ合うべきじゃなかったけれど
私たちはいつも
目が離せなかったんだ。
誕生日にあなたの家に泊まり
一緒にいるのに0時ぴったりにおめでとうメールをくれた。
誕生日ケーキやプレゼントをくれた。
一緒に眠り、キスした。
でも、あなたは恋人ではなかった。
いつも助手席が私の場所だった。
夜明けの海、夜中の森、
路地裏でのおしゃべり、
雪降る中の旅行、
夢の国でデート、
二人で過ごしたバレンタイン、
あなたのヤキモチ、
甘い言葉、
約束、
繋いだ手、
何度も何度もキスをしたけれど、
私たちは恋人ではなかった。
ひどいサヨナラをして
数年後に手紙をもらった。
ごめんね、って。
それからまた友達。
いつも、私たちは友達だった。
私に恋人がいた夏の日
あなたに抱かれた日
たった1度だけだったけれど
後悔はしていない。
それからまた流れた月日。
あなたは再会した私に好きだと言った。
「仕事も手につかない。君のことばかり考えてしまう」そう言った。
でも、私はあなたの恋人にはならなかった。
私たちは、いつも友達で
今も、友達。
だけどやっぱり
ただの友達じゃない。
「元彼みたいに大切な存在だから」と
あなたに言ったら
「元カノ以上に大切な存在だよ」と
あなたは言った。
私たちは、今もそんな友達で、
お互いに家族があって、
もう何年も会っていないけど
あなたといると
やっぱり「友達」ではいられなくなる。
私を見つめる瞳や
髪をなでる手のひら
さりげない優しさ
全部
「友達」に向けるものとは違ってて
いつも「今度飲みに行こう」って話になるけれど
それは実現しないまま。
多分わかってる。
お互いに、わかってる。
私たちは、会えばキスしてしまうから。
二人の間には
特別な空気が流れていて
どうしても、逆らえない。
「お前」って
男の人に呼ばれるのが苦手な私が
唯一そう呼ぶのを許せる人。
オレ様系の人が苦手な私が
唯一尽くしてしまう人。
あなたの前では何故か可愛い女の子を演じてしまう。
素でいられない自分が、不思議と心地良く感じられる。
いつまでも、あなたには
強気になれなくて
可愛い自分でいたくなる。
だから、あなたは私を可愛い女の子でいさせてくれる。
彼といる今の毎日は
私は醜くなるばかりで、
自分を嫌いになるばかりで、
いつも悲しくて、不機嫌で、怒りを抱え、
虚しくて、苦しい。
だからよけいに、
あなたに会いたくなるんだ。
私の中の
可愛い部分を引き出してくれるから、
無理にでも笑っていたいと思わせてくれるから、
あなたに任せたいと思えるから。
でも、
私たちには家族がいる。
お互いに家族を壊す気なんてない。
だから、私たちは会えない。
だってきっと
2人で会ってしまったら
ただの「友達」ではいられないから。
私はあなたを見つめてしまうし、
あなたは私にキスしてしまう。
いつだってそうだった。
初めて話した日から
私たちはいつもお互いに
どうしても、見つめてしまうから。
それぞれに恋人がいても、
何年ぶりに再会しても、
キスせずにはいられなかった。
何もないままでなんか、いられなかった。
きっと、今また会っても
それは変わらない。
だから私たちは会うのが怖いんだ。
多分互いに会いたい気持ちがあるけれど
会ってしまえば
何かが変わってしまう。
何かを壊してしまう。
何かを、失ってしまう。
それがわかってるから。
私たちは友達。
出会った時からずっと、
星の数ほどのキスをしてきた、
そんな友達だから。




