神の使い「鹿」の大好物とは何か?…清々しい鎮守の森・鹿島神宮にお詣り
日本建国と武道の神様である「武甕槌大神」を御祭神とする、神武天皇元年(西暦前660年)創建の由緒ある神社「鹿島神宮」に来てますよ♪
※茨城県鹿嶋市宮中2306-1(「武甕槌大神」=たけみかづち)
もちろん常陸国一宮で、全国にある鹿島神社の総本社。
※旧社格は官幣大社
利根川を挟み対岸の香取神宮、さらに近隣にある息栖神社(いきすじんじゃ)とともに東国三社の1社としても知られている大神社です。
それでは早速、東日本大震災後に再建された、高さが10.2メートル、幅が14.6メートルの大きさの4本の杉を用いた大鳥居を潜って行きましょう♪
楼門向かって左手に手水舎
この楼門は「日本三大楼門」の1つに数えられており、寛永11年(1634年)に初代水戸藩主の徳川頼房の命による造営。
※楼門(ろうもん)
構造は扉口は省略した三間一戸、入母屋造の2階建てで、現在は銅板葺であるが元は檜皮葺であったとの事。
総朱漆塗りで、彩色はわずかに欄間等に飾るに抑えるという控え目な意匠が特徴です。
扁額「鹿島鳥居」は東郷平八郎の書になのだそうですよ。
この楼門は国の重要文化財に指定され、回廊は鹿嶋市指定文化財に指定されています。
横向きの主社殿
鹿島神宮の拝殿・本殿は、他所の神社のように参道から入って参拝者の正面に向いているのではなく、上代の宮殿にならい正面から見て横向きに建っているのが特徴。
楼門を背に右手に横向きに建つ本殿の背後に聳える杉の巨木の神木は、樹高43メートル・根回り12メートルで樹齢約1,000年といわれています。
本殿は三間社流造、向拝一間で檜皮葺、漆塗りで柱頭・組物等に極彩色が施されています。
元和5年(1619年)の造営までは、後述する現在の奥宮が本殿として使用されていました。
御朱印は左奥
御朱印は参道左手奥、拝殿を背にして約90m歩いた先の祈祷殿入口にて拝受できます。
※参道沿いにある授与所ではないので要注意!
受付終了すると番号札を貰えるので、病院とか銀行や郵便局の窓口みたいにデジタル表示器に自分の番が来たら、再度窓口に出向き受け取るシステムです。
このご時世にしては珍しく、持参の御朱印帳に直筆して頂きました(後述)。
ちなみに、初穂料は500円で、混み合ってなければ5~10分程度で頂けるのですが・・・
樹叢(じゅそう)
待っている時間も惜しいので、再び拝殿の前に戻り、神から誘われるままに気がついたら鎮守の森へ踏み入れてしまっていました(笑)
ここから奥宮までは300m、御手洗池と要石まではそれぞれ500m。
往復1km以上の「お散歩」です。
ちなみに、鹿島神宮の境内の広さは約70ヘクタール。
このうち約40ヘクタールは鬱蒼とした樹叢となっており「鹿島神宮樹叢」として茨城県指定天然記念物に指定されています。
樹叢には約800種の植物が生育し、鹿島神宮の長い歴史を象徴するように巨木が多く、まさに「緑のトンネル」状を呈しており、茨城県内では随一の常緑照葉樹林です。
奥宮(おくのみや)
本宮本殿同様に北面して鎮座する境内摂社として、本宮の主祭神である武甕槌大神の「荒魂(あらたま)」が祀られている奥宮まで来ました♪
上述の通り現在の社殿は、江戸時代初期の慶長10年(1605年)徳川家康により関ヶ原戦勝時の御礼として建てられた本宮の旧本殿です。
元和5年(1619年)の造替により現在地に移され奥宮本殿とされました。
構造は三間社流造で一間の向拝を付しています。
※後の時代、修理の際に現本殿に倣って改造が施されたと見られているのだとか…
御手洗池(みたらしいけ)
神宮境内の東方、奥宮から更に200m奥の崖下に位置する神池で、潔斎(禊)の地です。
古くは西の一の鳥居がある大船津(北浦)から舟でこの地まで進み、潔斎をしてから神宮に参拝したと考えられており、「御手洗」の池名もそれに由来するとされています。
池には南崖からの湧水が流れ込み、水深は1メートルほどですが・・・
水質は非常に綺麗に澄んでいて、気持ちよさそうに鯉も泳いでいました。
現地に柄杓は用意されていますが、容器は自分で持参するか、後述する売店で購入することもできます。
煮沸での飲用を推奨する旨の看板がありますが、何の癖の味も無く夏でも冷たい「本物の自然な水」でした。
自宅に持ち帰った後(相当な時間が経過した後)における変色も認められなかったので、余計な成分の混入は非常に少ない「純粋な清水」であると言えます。
この日に連続して、外房の2社でも「御神水」を頂いておりますが、他社では明らかな異味・着色が確認できたのとは好対照な「清らかな真水」でしたよ♪
湧水茶屋 一休(ひとやすみ)
御手洗池の畔には売店(茶店)が営業していました。
※茨城県鹿嶋市宮中2306-1(営業時間9時00分~17時00分)
抹茶や炭酸水は、御手洗池に面した南麓の湧水を使っているみたいですよ♪
今回は、地元である茨城県産の古代米ともち米を使った、揚げおかき「鹿嶋神の道」を購入して頂いてみたいと思います。
コレ、塩味と甘みを抑えて「米の風味がダイレクトに伝わる」モチモチっとした食感で、マジで美味しいですよ!
鹿嶋市内にある農園で製造しているみたいですね。
要石(かなめいし)
境内東方、こちらも本宮を背にして奥宮からさらに200m奥に位置する霊石です。
かつて、地震は地中に棲む大鯰(おおなまず)が起こすものと考えられていたため、要石はその大鯰を押さえつける地震からの守り神として信仰されてきました。
そういえば、利根川を挟んで一対を成す香取神宮にも、要石がありましたよね。
鹿島神宮にあるのは凹型の要石、対する香取神宮には凸型の要石があることから、やはり何らかの関連があるのでしょうか?
神の使いが居る!
奥宮から再び本宮拝殿へ戻るまでの間に、鹿園があるので寄ってみます。
神使(神の使い)の30数頭の日本鹿が飼育されています。
鹿園に併設されている売店では、鹿の餌(ニンジン)が税込100円で売られていました。
ここで餌を買わないと、園内には入れないようです。
※平日11:00頃に行きましたが、常に家族連れが2~3組が居る程度でした
神様の使いである鹿は「神鹿(しんろく)」と呼ぶそうですが・・・
動画を見て頂ければわかると思うのですが、鹿ってニンジンが大好物なのですね。
そう言えば、毎年11月24日は「冬にんじんの日」なのだそうですよ。
トマトジュース、野菜ジュースで知られるカゴメ株式会社が制定し、一般社団法人・日本記念日協会により認定・登録されたとの事。
冬のにんじんは夏のものと比べてβ-カロテンが豊富で、甘みも増してにんじん本来の美味しさが味わえるそうですから、これからの季節は神鹿さんがもっと喜んでくれるかも!
いかがでしたでしょうか?
今回は、延長5年(927年)成立の『延喜式』神名帳で当時「神宮」の称号で記されたのは、伊勢神宮・香取神宮と鹿島神宮の三社のみであったうちの1つ、鹿島神宮にお詣りしました。
鹿園で「神の使い様」と戯れているうちに、祈祷殿へ御朱印帳を預けてから既に1時間も経過してしまいましたよ(笑)
少なくとも関東では超有名な大神社であるのにかかわらず、昨今のご時世で持参の御朱印帳に直筆して頂けるなんて大変ありがたいことですよね。
皆さんも是非とも、口をパクパク開け近づいてくる神鹿さんも、これから甘味を増すと言われている「冬ニンジン」で喜ぶ今の時季こそ、鹿島神宮へ参拝してみてはいかがでしょうか?