Ogawa World Climber Frontiers lll (2) |  キャンプ用品・資料倉庫からのつぶやき

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   ここではキャンプ道具という枠で投稿するつもりですが、脱線話もお許しください。(^^)
仕事部屋、兼倉庫からのつぶやきです。

久しぶりの投稿となりました。

 

タイトルのテントを以前記事にしておりますが、このテントを入手された方からコメントをいただきました。

中空のグラスファイバーポールだったこと、また2人用ではなく3〜4人用だったとのことでした。


まずはポールの素材につきましては、当方の記憶違いで、中空のグラスファイバーポールだったのにアルミ合金製と誤って記事にしてしまいました。お詫び訂正致します。

また Frontiers Ⅲの定員につきましては雑誌記事なども参考に以下にて考察してみたいと思います。

 

小川のワールドクライマー•フロンティアーズというモデルは、当方所有の資料では80年代半ば頃から販売されていたモデルのようです。


雑誌の紹介では、ワールドクライマーというブランドで紹介していたり、小川のフロンティアーズという紹介だったりで、先の記事でも述べていた通りきちんとしたブランディングが行われていない時代だったのではないかと思っています。

 

尚、先の記事のOgawa World Climber Frontiers Ⅲの販売時期はテント本体の特徴と雑誌記事を照合すると1989年前後のモデルだったと推察します。

ただ雑誌記事を遡るとOgawa World Climber Frontiers Ⅲは1985年頃まで遡ることができます。

それ以前は残念ながら見つけることはできませんでした。

 

以下は1985〜1987 年度の記事からの抜粋です。

記事によるとFrontiers Ⅲの定員は3〜5人用または3~4人用と紹介されていました。しかし但し書きとして、実際には2~3人がベストでしょうとのことわりがありました。


小学館B-PAL THE CATALOG'85 P131より


小学館B-PAL THE CATALOG'87 P66よ


小学館B-PAL THE CATALOG'86 P67より


1986〜1987年度には定員5〜6人用のFrontiers Ⅵというモデルも販売されていました。


小学館B-PAL THE CATALOG'86 P76より


フロンティアーズはこのⅢとⅥ以外は1000Kというモデルが存在していました。


小学館B-PAL THE CATALOG'86 P66より



実業之日本社 マイカーキャンピング’89 P60より

小川からはワールドクライマー・フロンティアーズとワールドクライマー・トレッカーズという二系統のモデルがそれぞれ定員によってローマ数字で分けられて販売されていました。このローマ数字自体と定員は先の通り一緒ではないところがややこしいです。

 

さて1989年度の記事のFrontiers Ⅲの定員は2人でした。

実は記事で分かる通り1985年度と1986~1987年度のモデル、そして1989 年度のモデルではドアパネルの形状や、ボトムの立ち上がりなどに違いが見られます。


山と溪谷社山のベストグッズ'89 P73より

1989年度のFrontiers Ⅲは85〜87年度と比較して大きさはほぼ同じなのに対して定員は2人でありドアパネル、ボトムの立ち上がり形状からも当方が所有していたモデルは1989年前後のモデルと判断しました。

また89年度のFrontiers Ⅵも定員が3人に変更されたことが89年度の雑誌資料でわかります。

同じ89年度の別の雑誌では新旧の定員数を併記していました。



実業之日本社 マイカーキャンピング’89 P60より


研光新社'89キャンピング年鑑 P27より

これらの事実から考えられるのはFrontiers Ⅲ、いえ他のモデルもそうだったのではないかと思うのですが、80 年代後半に業界全体でテントの定員の基準が見直されたために表示定員が変わったのではないか、ということです。

確かJIS規格として業界全体で統一したと記憶します。

ダンロップも同じ頃、定員のサイズ基準が見直されていますね。

コメントを頂いた方が入手したモデルが1985~1987 年頃であれば定員の基準の見直しで説明がつきますがいかがでしょうか?


何せ資料が乏しいので想像が多くなってしまいますが、それゆえこの頃のテントに思いを馳せて調べることはとても楽しいものですね・・・・・・