Primus2257(1)【プリムス大型ガスランタンの系譜1】 |  キャンプ用品・資料倉庫からのつぶやき

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   旅が好きです。旅の手段、目的、楽しみなどに関わる諸々に興味を持ってきました。
   ここではキャンプ道具という枠で投稿するつもりですが、脱線話もお許しください。(^^)
仕事部屋、兼倉庫からのつぶやきです。

色々な製品の系譜を追っておりますが、すべて完結していないにも関わらず、新たな系譜に着手します。

そろそろ、この系譜を追うことができる実機と資料が揃ったかなと思います。

どうしても同じ系譜を追っていると飽きてしまうので、それぞれを少しずつ進めていきたいと思いますし、まだまだ、新たな系譜に着手する予定です。

 

今回はプリムスの大型ガスランタンです。ガスランタンの大型、中型、小型という言い方を、どこが言い始めたのかというとプリムスが最初だと私は思っています。

なぜかというと、この3タイプを揃えて販売したのがプリムスが最初だからです。


1988〜1989年度のカタログ2種
どちらが88年度と89年度なのか不明

2245は小型ランタン、2279はスタンダード、2257は大きなランタンとの表記がある。

2257が日本で販売されたのが1988年で、その年のカタログでは大きなランタンという記述でした。1993 年のカタログでは大型中型小型という文言が見られます。

2257 は自動点火装置付きですが、2256という自動点火装置無しのモデルと同時に販売が開始されたのは2279(自動点火装置付き)と2269(自動点火装置無し)が1986年に同時発売されたのと同様です。

 

そして、この2256/2257の最大の特徴は当初からパワーブースター(加温器)が付属していたということです。

 

なぜ別売ではなかったのか?

(後に別売となりましたが・・・・)

 

この答えはガスカートリッジのガスを燃料とする燃焼器具が持つデメリットについて理解を深める程、パワーブースター付きの販売がプリムスというブランドの良心であったことに気が付きます。

 

※高光量大型のランタンの販売を始めたプリムス

※そのためのパワーブースター

※カートリッジの改良と低温専用ガス缶の採用による脱パワーブースター

※高光量大型ランタンの廃止

 

おおざっぱではありますが、プリムスの大型ガスランタンが経ったのが上記の道程です。

このおよそ十数年の間にプリムスは驚くほどのモデルの数々の大型ランタンを市場に投入しましたが、今から約20 年前に自ら築き上げた大型ランタンという分野を切り捨てました。

 

ただ、デメリットが顕著である大型ガスランタンではありますが、それゆえ私は今でも、なんとかデメリットを帳消しにする使い方ができないものかと工夫を重ねています。実際、なかなか明るさを維持するのが難しいランタンを工夫するところが面白いんですね。ただ、そのような工夫については、今まで一部記事にしておりますが、詳しくはまた別の機会とさせていただきます。

 

 

前置きが長くなり申し訳ございません。

 

2257 発売当初の製品は以下の通りです。


カタログ数値で200wの明るさとあります。
コールマンやペトロマックスなどが使用するグローブとほぼ共通サイズのグローブを使用します。
OD缶のガスランタンでパワーブースター付という製品は異例中の異例です。
加温器の登場自体、この頃が最初でほぼブラス製というのも珍しいですし、以後のプリムス製品に適合するパワーブースターにはイワタニプリムスのブランド名がはいりますが、この製品にはブランド名がありません。
バルブも2279と同じタイプが使用されています。

フレームに品番の刻印があり

2279と同じバルブ

点火装置の絶縁体が、焦げて炭状になっています。
経年使用による劣化具合が、このような点で明らかになります。

ブランドロゴ無しのパワーブースター


470のガス缶を装着したまま、収納できるタイプのプラスチックケース
PRIMUSと読めますが、その後は多分スウェーデン国旗たですね。

ベースは2箇所で留めますが、素材が割れやすく、壊れていない製品を探すのがむずかしい程です。
この個体は2箇所のうち、一箇所が壊れています。
経年使用の劣化が出やすい箇所です。