今朝もひどく寒い。8時の気温は15.5度。この冷え込みに慣れるまでしばらく辛い思いをするkyだろう。また、暖かい日が戻ってくるだろうが、衣替えの準備も近々せねばなるまい。
K子は早朝イチゴ摘みアルバイト。朝食後、昨夜途中まで読んで眠ってしまった藤田宜永「左腕の猫」を読む。今日は県民割を利用して群馬県嬬恋の万座温泉へ行くので準備する。
午後1時出発。ナビは小淵沢インターから中央道、長野道、信越道を行くように勧めるが、高速代が馬鹿にならないし、下道を行っても到着時間が変わらないので、野辺山から佐久、軽井沢の下道ルートを行くことにした。ナビによれば到着は4時半だという。
懐かしいルートである。義父が軽井沢の千ヶ滝に夏に貸別荘を借りていたことがあり、往きは関越道で行ったが帰りは佐久から清里、そして中央道のルートをしばしば走ったからである。もちろんオートバイツーリングでもよく走った。初めてのロングツーリングは20数年前(大型の免許を取ったのはいい年になってからだ)弟と、八王子から現在住んでいる北杜市まで走り、あまり楽しかったので欲を出し、今日車で走ったのと同じルートを軽井沢まで走った。もうすぐ軽井沢というところで、あれ、土砂降りの通り雨に襲われて、しかも弟が背中をハチに刺されたのはこの辺りではなかったかと、国道の風景が遠い記憶を蘇らせた。夏のことで大学時代の恩師が別荘にいるはずだからとお邪魔して弟は背中に薬を塗ってもらった。恩師の別荘はどうなっているだろう。訪ねて見たかった。しかし恩師も優しかった奥さんももういない。
恩師の別荘と義父が借りていた別荘が偶然同じ千ヶ滝にあり、歩いても訪ねて行ける距離だったこともあり、短い期間ではあったが千ヶ滝の土地勘ができた。千ヶ滝から鬼押出を経由して万座、草津にもよく行ったのでまさにセンチメンタルジャーニーだ。長い間訪れなかったのに見覚えのある場所が多々あった。急な坂道を下ると信号があり、そこを右折、3、4百メートル走ると信号があり、左折すると100メートルほどの橋があり、そこから万座に向かう有料道路、そうだ、そうだ、そうだった、と記憶が新たになる。
ナビの予定時間通りに4時半に万座高原ホテルに到着。硫黄の強いにおいが鼻を打つ。ホテルの外観は改装工事の白幕に覆われており情緒も何もない。ホテルの作りも、アンモナイトのように次々に建物を継ぎ足してきたのか、われわれの部屋のある3階へ直接行けるエレベーターがなく、2回エレベーターを乗り換える必要があったし、確実に迷子になりそうだった。部屋は2人部屋だったがなかなか広かった。
温泉は、さすがに万座である。露天風呂は混浴で男は腰にタオルを巻かなければならないし、女は100円で大きなタオルを借りて体に巻きつけるか、専用のワンピース状の浴衣を購入しなければならないようだった。湯は白濁し硫黄臭が強く、4つの浴槽に分かれており、温度や白濁の度合いが微妙にちがっている。一つは湯に何か酸が含まれているのか、湯で顔を洗うと目に強烈に染みた。小雨が降りさむかったが、いかにも温泉らしい温泉に体を沈めていると、憂いは湯気と共に消えていく。
夕食はバイキング形式だった。K子はよく食べワインも飲んだ。
食後ベッドに横になってしばしうとうとする。今日のブログをiPadに打ち込む。1,300字を超えたところで中断し、午後11時露天風呂へ。数名の男女が入湯している。明かりが湯気でボーッとしていい雰囲気だ。若い恋人らしい2人が隅で身を寄せ合い、何かひそひそと話している。見上げると湯気で霞んでいるが大きな星が瞬いている。